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4月1日
いよいよ4月。「俳句日記」では、深見けん二氏がその作品にはじめて前書きをつけられた。氏の属する俳句結社「屋根」(斎藤夏風主宰)が200号を迎えられたのだ。お花見日和の一日。昨夜は詩人の方たちとの花の宴で楽しい時をすごし、家にかえるのが朝の6時半という年がいもないことをやってしまう。早朝の自転車をとばして帰る途中に出会った桜の美しかったこと、朝というのは光が澄みきってすべてのものが昼間とは違う輝きをもっていることを発見。「ああこんなにきれいなんだ」とアルコールが身体からぬけていくような爽やかな感動。あとで石田郷子さんと電話で話す機会があり、早起きの郷子さんにそのことを話すと「そうでしょう。すべてが透き通っているでしょう」と。朝寝坊が大得意なわたしはずいぶん美しいものを見そこねているかもしれない。 お昼からは、吟行の取材があり出かける。ちょっとまだ頭がふらふらする。場所は世田谷の九品仏。加藤楸邨のお墓があり浄土宗の立派なお寺(寺の名は忘れた)がある。三つのお堂が横並びに並んでいて、下品(げぼん)中品(ちゅうぼん)上品(じょうぼん)とあり、それぞれのお堂のなかには阿弥陀仏が三体ずつ納められている。かなり大きな阿弥陀仏である。今日は下品のお堂のみがご開帳。三体ずつが三つのお堂にあるので都合九体で九品仏というらしい。そこの桜の見事なこと。ソメイヨシノのなかに山桜もまじってそれもまた美しい。石垣の割れ目に咲いていたスミレがいっそう可憐。(山岡喜美子)
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by fragie777
| 2006-04-01 20:31
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3月31日
3月も今日でおしまい。家をでるときにヒュウガミズキの花が可愛らしく咲いていた。えごや山法師の木もはげしく芽吹いている。今日の夜はちょっとした春の宴(もちろん仕事です)があるので、自転車で仕事場へ。(きっと夜は酔っぱらって自転車を漕いでいるんだろうなあ)ちょっと気合いをいれてジャン・ポール・ゴルチェの今年買ったブラウスを着てみる。うしろまえが反対でないことも家をでるまえに確認。ヨシッ。「泉」の横山悠子さんがゲラを持って来社。フットワークのよい方でもうこれで3度もご来社くださる。伺ったらモダンダンスを本格的になさっていたとのこと、フットワークはよいはずである。色白の小柄な童女のような、きっと森の中でくるくると踊ったら、小鳥や動物たちが寄ってきそうなそんな雰囲気をもった方だ。句集名は「海の骨片」。装丁もおおよそ決まり良い句集になりそうである。担当の中井愛のハンドルネームが「ケロ」であることが分かり、もうそれからは、「ケロさん」「ケロさん」と親しく呼んでくださっている。「ブリューゲルのパン工房」でパンを買って帰られ、さっそく「ケロさん」あてにメールが届く。「パン、とってもおいしかったです!」と。 先日句集をおつくりさせていただいたふけとしこさんより、宅急便でふわっと軽い荷物がとどく。なかをあけてびっくり。あざやかな春のいろどりの可愛いいれものが6つも入っている。みんなでわけて、私はお菓子いれに。中井の机のうえにもやはりキャンディがつめられておいてある。雑然とした机のうえがそこだけ春といった感じだ。
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by fragie777
| 2006-03-31 18:15
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3月30日
![]() 花冷えの一日となる。昨年刊行した櫂未知子氏の著書『食の一句』が、「暮しの手帖」4月号の「私の読んだ本」というコーナーで紹介されている。読者の方の紹介記事というかたちをとっているのであるが、一ページをまるまるその紹介記事にあてるという、紹介される本としてはまことに嬉しい丁寧な記事である。紹介者は木下冨美子さんという53歳の教員の女性である。俳句初心者としてこの本に出会い、食べ物という身近な題材をとおして俳句に楽しく開眼していくさまが書かれ、新鮮な紹介文となっている。「櫂さんのコメントが詩情あふれていて奥深い。いっぺんでファンになりました」とも書かれている。とうとう小社の本も櫂未知子さんのおかげで、「暮しの手帖」という私たち世代の人間にとっては、飽くことない消費社会の中で「豊かに暮らす」ことへのてがかりを与えてくれた独特のオーラを持つこの雑誌に登場することができたことは(なんだかもってまわった文章ですこと)とても嬉しい。 もうひとつ嬉しいこと。夕方近く、一人の婦人がふらんす堂を訪ねてきた。手にはこの『食の一句』を持って。そうして、この編集日記を読まれているらしく、「あの天然酵母のパン屋さんはどこですか?」と尋ねられたとか。(私はあいにく電話中)さっそくにスタッフが場所をお教えして差し上げた。このパン屋さんのことを私はこれから「ブリューゲルのパン工房」と呼ぼう。まるでブリューゲルの絵に出てくるような静謐な光にみちたパン屋さんだから。パン屋さんの前には公園があり、子供の声が聞えてくるところもおんなじだ。 今日は関東いったいの営業代行をお願いしている門田克彦氏がみえる。ぽえむぱろーるの情報が分かる。この4月いっぱいで閉店になるということ。読売新聞紙上で、思潮社社主の小田久郎氏がインタビューで答えておられることを知る。(山岡喜美子) #
by fragie777
| 2006-03-30 20:16
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3月29日
![]() 昨日より少し寒い春の日となった。昨日私は真っ赤なラルフローレンの綿のセーターを着て出社。何年も着ているので、色が大分あせてしまっているのだけれどお気に入りだからかまわない。夕方になって、前後を反対に着ていた(!)ことに気づく。悔しいから今日も着てきた。夕方確認したら今日はちゃんと着ていた、オホホホッ。 今日は川口は、深見けん二句集『水影』を十数冊もって、朝はやくから取次店に向う。川口にとってははじめてのことなので、昨夜二人でいろいろとおさらいをする。なにしろ、取次店にとって、ふらんす堂は大海のなかの小魚のようなもの。気合いをいれてのぞまないといとも簡単にやられてしまう。私は大分いじめられました。こんな質問をされたらこう答えてとか、敵はここ攻めてくるかもしれないからこう守ろうとか、私たちかよわい女性(?)はもう必死。大坂屋、トーハン、日販と三社をまわって帰って来た川口の顔が明るかったのでホッとする。おおかたこちらの意向どおりとなる。やっぱり予期していた締めつけがあったらしいが、川口はジャンヌ・ダルクのごとく雄々しく戦って来た。ご苦労さま。 ということで、『水影』は、4月6,7日頃には大型書店に並ぶことになる。深見けん二氏にふさわしい品格のある仕上がりとなって嬉しい。詩歌文学館賞受賞の『日月』の再販ももう少しで出来上がって来る予定。書店に同時にポップをそえて並べようという戦略。待ち望まれている深見けん二句集が二冊顔を揃える。 中井愛は、6月24日(土)に行われる片山由美子句会の吟行会場となる向島百花園に申し込みのため、おもむく。この吟行会は、中井の発案でお昼のお弁当つきということに。このところ吟行会の人気が高い。 君嶋真理子さん、装丁のため来社。ふたつの本の装丁を終えて帰ってゆく姿はすらりとしたなかなか美しいマダムである。とてもあれほど沢山のお酒を召し上がる方とは思えないところがやはり無敵である。(山岡喜美子) #
by fragie777
| 2006-03-29 19:37
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3月28日
薄曇りの一日、咲き始めた桜も冷え冷えとした感じである。最近のふらんす堂は近くの天然酵母のパン屋さんのパンがおおはやり。あるいて一分くらいのところにあって大きな木の枠にかこまれた硝子の引き戸を「ごめんください」というふうにあけると、焼き立てのパンが並べられている。若いパン職人さんが黙ってお鍋のなかをかき回している。ちょっと時間がタイムスリップしたような中世のパン工房にまぎれこんだような静かな光にみちている。すっかりこのパンのとりこになったらしく中井愛も渡辺真紀も今日のお昼はこれ。そういう私も、ドライトマトとブルーチーズと茄子のフランスパンサンドを買う。もちろん食パンも胡桃入りバゲットも、朝食のために。 午後は、関西方面の営業代行をお願いしている多田俊彦氏が来社。春陽堂の営業を長くなさっていて退職後に営業代行の仕事をはじめられた。とびきり明るいフットワークのよいナイスミドルで、ふらんす堂に来るなりおみやげを差し出しながら「はい、これは27歳以下の独身女性だけが食べてくださーい」などと言って笑わせる。ご本人いわく、出会った女性とはすべて「ピンクの糸」で結ばれているとのこと。ちなみに「赤い糸」は奥様だけとのこと。そんなノリで、仕事は手早く、確実に注文を取ってきてくれる。関西方面の品ぞろえに関して、多田氏のちからによるところは大きい。写真は今年の2月にオープンした京都ジュンク堂BAL店、1200坪くらいの大きさの大型書店であるが、詩歌のコーナーにはふらんす堂の本がちゃんと揃っている。今日は深見けん二氏の句集『水影』の見本が届く。深見氏のところへもまず二冊お納めしてご丁寧なお返事もいただく。書店からの予約の注文も入りつつある。明日は川口に、私の代わりに取次店3社にこの見本をもって委託願いにいってもらうことになっている。いよいよ『水影』が動きはじめる。(山岡喜美子・記) #
by fragie777
| 2006-03-28 19:23
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