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ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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2015年 04月 14日 ( 1 )

  • 鋭意編集中……
    [ 2015-04 -14 19:23 ]
1

鋭意編集中……

4月14日(火)  旧暦2月26日

f0071480_18155117.jpg
天女魚(あまご)。
吉野ではこの魚の煮付けが料理に必ずといってよいほど出た。

「清流の女王」と呼ばれ美しい魚で川魚のなかで一番美味だということだ。
淡泊だけど甘味があり、
赤の斑点が特徴であるとのこと。
吉野にはよく似合っている魚かもしれない。

そんなことも知らずにむしゃむしゃと一気に食べてしまった。
美味かったけど、そういうあらかじめの知識があると、「へえー、これがそうなのねえ」なんて言って、もっと深く味わったりするんだけど。

あえて言えば煮付けではなく塩焼きを食べたいとおもったのだった。
煮付けだとその微妙な甘さとか香りが消えてしまうように思えるし、個人的には煮付けの甘さがちょっと苦手。

塩焼きをさ八咫烏(やたがらす)という吉野の銘酒を飲みながら食べたかったなあ、と今更ながら思う。
それだけが心残りかなあ……。
しかし、
「八咫烏」は買った。
試飲をしてあまりにも美味かったので。
ククククッ
家でひそかに飲むんだ。
見つかったらすこしは分けてやってもいいけどさ。




今日の毎日新聞の「詩歌の森へ」で酒井佐忠氏が、「俳句界発展に貢献」と題して、鷹羽狩行氏の日本芸術院賞について書いておられる。
抜粋してすこし紹介したい。受賞の理由として、

①俳句伝統の骨格を踏まえつつ、明晰な知的構成を基本にした清新な作風で現代俳句をリードしてきた。②俳句を時代の声としてまとめ、育てあげる上で大きな役割を果たした、ことなどが挙げられている。さらに俳句の歴史をふまえつつ常に新たな地平を目指してきた氏の作品世界について、「生命力と研ぎ澄まされた感性の鋭さ、ユーモアとウイットなどが、現代俳句の貴重な成果」として高く評価された。(略)俳人の受賞者はさほど多くはない。過去に水原秋桜子、富安風生、飯田龍太、中村草田男(没後受賞)、中村汀女、山口誓子、森澄雄、それに金子氏の8人だけ。句集『誕生』から『十三星』(毎日芸術賞)、『十五峯』(蛇笏賞、詩歌文学館賞)など現在17冊の単行句集を出し、旺盛な句作が続く。誓子に師事し、70年余の渾身の句業をまとめた『鷹羽狩行俳句集成』が近く刊行される。

いまこの『鷹羽狩行俳句集成』を鋭意編集中であるのだが、その膨大な句数にあたまがくらくらとするばかりである。17句集のほかに挨拶句集や海外詠句集などがありしかも定本にされたものはその定本において改作された句も収録するのである。一万句をはるか超えるものであり、わたしは目下季語索引チェックをしているところである。一日に一句集とおもってやるのだが、いろんな仕事をしながらの作業であり結局今日は手つかずとなった。近く刊行されると書いていただいたのはとても嬉しいのだが、まだまだ超えなくてはいけないハードルがある。まさに渾身の力をふりしぼって作業をしなくてはいけないわたしたちである。




ねんてんの今日の一句は、昨日も今日も東直子著『短歌の不思議』より。

 滋賀県より琵琶湖大きいと思ふ人さあ手を上げなさい きみは手を上ぐ   小池 光

東直子さんからもらった『短歌の不思議』(ふらんす堂)から引いた。この本、短歌の入門書だが、たくさんのすてきな歌が例歌として挙がっている。この小池さんの歌、「きみは手を上ぐ」がいいなあ。喜んでいる教師の表情が見える。先日の堀口薫と同じく、小池さんも高校教師をしながら歌を作ってきた人だ。
東さんの本は「死ぬ前に(   )を食はむと言ひ出でし大雪の夜の父を怖るる」という小池さんの歌から始まっている。短歌を作ることは「言葉の実験の一つ」だという東さんは、本の冒頭で(   )に入る言葉を問う。手始めの実験をしなさい、というのだ。(   )の中、何がいいだろう。



 煙草くさき国語教師が言うときに明日という語は最もかなし    寺山修司

昨日と同じく東直子さんの本『短歌の不思議』から引いた。東さんはこの歌の「国語教師」について「架空の人物のように見えて、忘れ難い独特の存在感があり、さらに先の物語まで想像させてしまう余白があります。」と述べている。確かにこの短歌の「国語教師」という言葉にはそのような余白を感じる。というより、その余白を作りだすことが短歌を作る醍醐味なのだろう。もちろん、同様のことは俳句にも言える。ちなみに、私はこの歌から塩見恵介という実在の国語教師を連想してニヤリ。やめればいいのに彼は強固に煙草を喫い続けている。ちなみに、昨日の歌の(  )の中は「孔雀」。


この東直子著『短歌の不思議』はとても好評である。
楽しくそして頭をつかいながら読める一冊である。



目下さらに鋭意編集中なのが、「ふらんす堂通信」である。
スタッフの緑さんもPさんも頑張っていてまだわたしの目の前で仕事をしている。

わたしははやく切り上げて、ししゃもを焼いて八咫烏でいっぱいやりたいところなんだけど、
みんなが頑張っているのに、そうそう帰るわけもいかないじゃない。

えっ?

時間があるんなら、「鷹羽狩行俳句集成」に取り組めって?

ああ…、

はい…、

そ、そうですよね。


確かに……。
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▲ by fragie777 | 2015-04-14 19:23 | Comments(0)
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