ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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読売文学賞

読売文学賞_f0071480_0464478.jpg
2月24日
 今日は午後から雨、寒い一日となった。
 昨日は、第57回読売文学賞の授賞式があり、それに出席するべく出かける。俳人の小澤實さんが受賞され、きっと小澤さんのご手配によるのだろうと思うが、私も案内を貰う。読売文学賞の受賞式ははじめてのことゆえに、おなじく招待されている石田郷子さんと一緒に行くことを約束していたのだが、出かける直前に郷子さんより電話が入り、「仕事が忙しい上に体調おもわしくなく、行けない」とのこと。それでは「ひとりで偵察に行ってきます」と、ちょっと緊張しておもむく。
 会場につくと、もうすでに沢山の人。俳人の方のパーティと違って、圧倒的に男性が多い、知っている顔を捜すが、誰もいない。なんだかちょっと心細くなって、ウロウロしながら隅のほうに行き、おもむろにケイタイを取りだし、石田郷子さんに思わず電話をしてしまう。
 「どうしよう。誰も知った人がいない…」仕事の真っ最中にこんな電話をされたって郷子さんはいい迷惑。「ごめん…」と電話の声。と、目の前のエスカレーターから俳人の山西雅子さんが上って来る。良かった!! そのうちに池田澄子さん、大木あまりさんと嬉しい顔に次々と出合い、心からホッとする。普段強気で仕事をしていますが、結構内気な私です。
 今回の受賞者は6人、そのお一人が小澤實さんで、受賞者の方達はそれぞれ8分ほどのスピーチをされる。小澤さんのスピーチで印象的だったこと、それは「このたびの受賞は私のちからではなく、俳句の力による」と語られたこと。この文学賞は、小説、戯曲、随筆、評論等々のジャンルがそれぞれあるのであるが、どのジャンルの受賞者も「この度の受賞は(小説、戯曲、あるいは随筆)の力による」という方はひとりもいない。「俳句の力による」と小澤さんに言わしめ、それを聞いたわたしたちもその言葉をそのまま受け入れてしまう、「俳句」というのはなんと不思議な面白い文芸であることか。
 そこで大木あまりさんのお姉さまの宮田毬栄さんに久しぶりでお目にかかる。相変わらず美しい方だ。わたしが独立するときにいろいろとお世話になったのである。文芸誌「海」の元編集長で、優れた編集者として出版業界では有名な方だ。今はものを書く仕事をなさっておられ、その著書『追憶の作家たち』(文春文庫)は作家の知られざる実像を肌理細やかに描き、優れた作家論として話題になった本である。わたしは大変興味深く読んだ。毬栄さんにおめにかかったので嬉しくなり、ついワインを沢山飲んでしまい、いささか酩酊の春の夕べとなってしまった。(山岡喜美子)
by fragie777 | 2006-02-25 00:54 | Comments(0)


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