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10月8日(水) 寒露
今日は仕事場まであるこうときめて、外にでたとたん、むせるような木犀の香におそわれる。雨上がりの澄み切った大地にたちこめていた。すばらしく気持のよい朝だ。(歩くってきめて正解ウイッシュ…)って、おもわず手を交差させた。(この意味のわかる方、あなたはミーハー度がまずまずですね、まあいいでしょう) ふらんす堂に秋の収穫のすばらしい贈り物がとどいた。 エッセイ集『ペーパーウェイト』の著者の松本秀一さんからだ。玄関にどさっと置かれた。 お米だ…。松本さんが作ったお米だ。以前お目にかかった時に、「送りますよ」という約束を覚えていてくださって、送ってくださったのだ。お米の袋をあけると、なかに手紙がはいっていた。 「……新米(コシヒカリ)ができましたので少量ですが送ります。スタッフのみなさまにも分けてあげてください。苗たてから籾摺りまで一人でこなし、除草剤一回散布だけのお米です。白いなかにカメムシの口咬跡の黒いのが見つかりますが、『カメムシよ、お前もかじったのか』と大めに見てくださいませ。害はありません。」 とあたたかな言葉にふれる。このお米をまったくおひとりでつくられたのか……。 松本さんの日焼けの笑顔が浮かんでくる。大変だろうなあ。一粒一粒のお米が宝石のようにかがやいてくる。 朝のミーティングでこの手紙を読んで、その朝、5合ずつスタッフたちに渡した。そのとき休んでいたスタッフにはあとで渡した。これで全員に行き渡ったとおもう。今日装丁の仕事にみえた君嶋真理子さんにもおなじように「松本さんのお米よ!」って手渡した。それでも、わたしのもとにはまだたっぷりのお米がある。 松本さん、たくさんのお米、ありがとうございます。 確かにみなに渡しました。 愛さんは昨晩もう食べたということで、「おいしかったです!」といちはやい報告があった。 わたしは作った方の顔のみえるお米を食べるってはじめて。ちょっと緊張してしまいそう…。 船団ホームページのなかの今週のねんてん、で、坪内稔典さんが、中島砂穂さんの句集『熱気球』より、一句を紹介しておられる。 後の月どの靴先も濡れている このページに写真が掲載されているのだが、その写真が美しい甍を映している。「写真は奈良市元興寺の大甍。瓦は古代のものらしい。」と説明がある。 あら、このお寺、九月に奈良にあそびに行ったときに、知人に案内されていったところじゃない…。このお寺の廊下に十五夜飾りがそなえてあって、風情をそえていたっけ。萩もさかりでお月見にはもってこいの場所だった。 秋暑の厳しい日だったな……。 ああ、もうそれも遠いもかしの月日のようだ…。
by fragie777
| 2008-10-08 19:37
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Comments(2)
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秀一
at 2008-10-09 06:48
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喜んでくださって、うれしいです。
句集「熱気球」、おもしろくて、理知的で、、。楽しみました。 本の見返りの青い紙にきらきらした感じを施してあって、うなってしまいましたよ。
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fragie777 at 2008-10-09 12:27
みんなで大喜びでした。
本当にありがとうございます! 『熱気球』の見返しを誉めてくださったのは嬉しいです。 実はわたしが、君嶋さんにこの用紙をつかいたいと切望したのでした。全体が涼やかにできあがっていますので、どこかに熱気球の温度を加えたいとおもい、この用紙に行き当たったのです。 ひそかに、それが成功したのではないかと、自己満足をしていたところでした。 さすが、松本さん! そのことに気付いてくださって、とても嬉しいです。 (yamaoka)
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