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10月4日(土)
秋気のなかでは芋虫もすべからく美しい。 (すべからくって思いたって使ってみたんだけど、こういう使い方でよかったかしらん…) 今日はひさしぶりに「岸本尚毅さんの句会」をたずねた。ときどきおたずねして、その指導の様子を「実践俳句講座」として、掲載させていただいているのだが、ここんとこ、なかなかうかがえず、メールやら、直接やらで「どうして新しくアップされないんですか?」って尋ねられ「す、すみません」と謝るばかりだった。今日は秋日和の一日となった。席題は、秋日和、野菊、数珠玉。写真のような「芋虫」を詠んだ方もいて、岸本選に入っていた。 さきほどその句会状況をテープ起こしして、レポートし、岸本さんにメールでおくったところ。そのあと、このブログを書いているわたしって、ちょっと働きすぎじゃなくて…。まあ、あとひとふんばり、ブログを書いてしまおう。 今週はもう一冊本が出来上がってきた。 境野勝詩集『告知』である。境野勝さんは、知る人ぞ知る俳人の境野大波さんである。ふらんす堂からすでに彼は、句集『赤子』と句集『一羽』を刊行され、俳人としての評価を受けている人だ。一方、詩人でもあり、いや詩人歴のほうがずっとながく、第一詩集『海峡』(土曜美術社刊)を1994年に出版しているれっきとした詩人なのである。しかし、今回の『告知』をもって、詩を書くことをやめ、俳句に専念すると宣言しておられる。奥さまのさかいのこなみさんの遺句歌集『草冠花冠』もふらんす堂で刊行させていただいた。この度の詩集『告知』は、七年前に甲状腺のガンで亡くなられたこなみさんとのことを記したものだ。「あとがき」には、境野さんの詩を読むことを好んだこなみさんを思い、「彼女が旅立つ前後のあれこれや当時の心象風景を詩のかたちで書き留めてきたものをまとめ、小さな詩集を編むことを思い立った」とある。「いつか彼女にめぐり会った時に、今度はこんなものが出来たよ、とさりげなく手渡せればいいなと思う」と。 詩人の新井豊美さんが帯文を寄せておられる。「……愛する人とともに在った一瞬がこれほど哀切に、しかも明晰な深度を持って語られた言葉を私は知らない」と。 日頃友人のように親しくさせていただいている境野さんからこの詩集の原稿をいただいたときに、「どう?」って聞かれた。わたしは、「息子さんを詠んだ詩がツライ、でも一番好きな詩」と答えた。 境野さんには、(彼はあまりそのことを語らないが)自閉症の息子さんがいる。(わたしは告別式のときにお目にかかっている…)その息子さんが 「仕事が休みになると/彼はいそいそと出かけていく/二十年以上前に住んでいた世田谷の/学校の界隈を歩きまわる/誰に会うでもなく」 そして 「ゆうべもお母さんが夢に出て来たよ/夢に出た/出た/出た」 ………… 「濁りのない彼ひとりの時間/そこでは夢も谺している」 と。
by fragie777
| 2008-10-04 20:49
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