ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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孤独な墓。

9月12日(金)

孤独な墓。_f0071480_19494512.jpg


写真は花芙蓉。

新刊句集が一冊が出来上がってくる。横井遥(はるか)さんの句集『男坐り』。句集名がインパクトがあって、はじめて聞いたときはなぜかドキドキしてしまった。俳誌「鴻」同人で、主宰の増成栗人氏が序文を寄せておられる。「将来を嘱望されながら四十六歳の若さで逝った猪口節子さんの数少ない遺弟子の一人」という一文を読んで、個性的な句集名も納得でき、またそれゆえに今後の俳人としての横井さんに期待するものがいかに大きいか、「猪口節子さんは執念の作家であった。持ち前の感性と情熱を思うさま十七音のカンバスにぶつけ、己のが俳句の確立に短い生涯を貫き通した作家であった。いまその実作者としての面影を、私は横井遥という作家に見詰め続けている」と増成氏は記す。本文のレイアウトから装丁までを「鴻」の同人である後藤兼志が引き受け、師や先輩の熱い応援をうけて句集『男坐り』は世に生み出された。
 平凡な乳房がふたつ夕桜
 芒原横顔ばかり通しけり
 あたたかや歩幅で計る舟の丈
 遊船に灯を入れ男座りかな
「あとがき」に、俳句をはじめたことによって、いままで嫌いだった「虫」と「冬」が好きになり、そして「お酒」も好きになったと。結果、世界がいきいきとひろがり、それゆえに「男坐り」という集名にしたと。……そうだったのですか!


今日は、句集『子の翼』を刊行された仙田洋子さんがふらんす堂に遊びにいらしてくださった。わたしはずっと前から仙田さんのことは存じ上げていて、はじめてお会いしたのはまだ結婚するまえの20代の仙田さんだったと思う。結婚をされ、お子さんをうみ、そして子育て…。その子育ての俳句が『子の翼』という生命の光溢れる詩情にみちた一冊となった。
今日の仙田さんは花柄のワンピースを召して、いっそうはなやかだ。来社されるや開口一番、
「わたし、yamaokaさんにはじめてお会いしたときに、『独立してひとりで仕事をします』って言われて、『いやあ、カッコいいなあ…』っておもったんですよ。」と。
「ええっ、わったしそんなこと言いました? カッコいいもなにもこうして自転車操業の日々であくせくしてます」とまったくもって恥ずかしい。
「子育てのこと」「俳句のこと」「仕事のこと」などなど楽しくおしゃべりをしながらも、それらすべて現役の仙田さんは充実していて眩しいほどの輝きがある。
八月にご家族でヨーロッパを旅行されたときの写真をみせてくださったのだが、実はわたしはどうしても見せてもらいたい写真があったのだ。
それは、フランスの作家、アルベール・カミュのお墓である。
アルベール・カミュ。1960年、自動車事故で死去。46歳だった。作家としてまさに充実しているその最中のことだった。サルトル、カミュ、カフカなどの実存主義が席巻しているときに学生時代だったわたしは、そのなかでもとりわけカミュが好きだった。
仙田さんはわたしよりずっと若いのだが、やはりカミュが好きで、この夏の旅行で、プロヴァンス地方にあるルールマランという小村をたずねたのだ。そこはカミュが晩年をすごした村でそこに彼のお墓もある。その墓をおとずれたのだ。
「それが、最初はどれがカミュのお墓かわからなかったんです。やっと見つけてそのみすぼらしさに驚いたんです」
たずねる人もなく草ぼうぼうのなかに埋もれるようにしてあったというカミュの墓。
仙田さん同様、そのことがひどくショックだったのだが、ぜひ見てみたいと思ったのだ。

孤独な墓。_f0071480_2054571.jpg
孤独な墓。_f0071480_20574364.jpg


名前も風化してしまって判別しにくいほどだ。
これほどまでとは……。しばし言葉に窮する。
おとずれる人もいない、取り残された墓……。
仙田さんとわたしは思わず顔を見合せてしまう。

フランスではもはやカミュは読まれなくなっているのだろうか。
ましてや日本でも…。

去年観た蜷川幸雄演出の「カリギュラ」。あれはアルベール・カミュの原作だ。

孤独は歯軋りでいっぱいだ…。

小栗旬ふんするカリギュラのセリフを思い出した。
by fragie777 | 2008-09-12 21:32 | Comments(3)
Commented at 2010-02-28 12:12
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2010-02-28 16:02
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by fragie777 at 2010-03-07 00:20
秋山さま。

コメントを拝見しました。

残念ながら私は猪口節子さまとは面識がありませんでした。

おたずねのことについては、お答えできず申し訳ありません。

どうぞよろしくご了承くださいませ。

(yamaoka)
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