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8月23日(土) 処暑
霧のたちこめた初秋の山。 俳人の三上冬華さんが亡くなったことを、境野大波さんのブログ大波俳諧雑貨店で知る。 三上冬華さんは、2006年の11月にふらんす堂から句集『松前帰る』を刊行されている。この風変わりな句集名は「黒々と松前帰る日の礁」の作品による。「松前」は地名であり、主宰の辻桃子さんが帯文を寄せておられる。 「三上冬華が書きとめようとしたのは、自己の原風景への果てしない旅だ。北海道渡島半島の松前の今は失われてしまった景を限りない愛と憧憬をこめて描きだす。」(帯文より) 1942年のお生まれであるから66歳の死ということになる。病気と闘っておられたらしい。 句集のためにご来社されたときの三上さんは、すらりとして物静かな中にどこかに強い意志を持っている、そんなかたとお見受けした。 あとがきに「自分史のような句集もまたいいかなと思っている」とあるが、この句集の刊行のときはすでにご病気とむきあっていたのかもしれない。 その魂はきっと郷里の松前に帰られたことだろう…。 ご冥福をお祈りしたい。 八月の飲食に手をあはせたる 冬華 昨日手にした俳句総合誌「俳句」九月号の「現代俳句時評」で、藤原龍一郎さんが二つの句集をとりあげて言及している。それぞれの句集の作品より同じ素材のものをとりあげながら、比較し検討するという批評をしている。一冊目は、金子敦さんの句集『冬夕焼』、もう一冊は、佐藤文香さんの句集『海藻標本』、どちらもふらんす堂で今年刊行され、話題を呼んでいる句集である。 性別も世代もちがう俳人が、同じ素材(それは季語であったり物やことがらであったり)をどう詠んでいるか、あるいはその評者がどう比較し検証するか、興味のあるところだ。 わたしも、「色」を詠んでいるお二人の作品を紹介しましょう。 青に触れ紫に触れ日記買ふ 文香 夏休みマーブルチョコの赤青黄 敦
by fragie777
| 2008-08-23 20:19
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