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7月25日(金)
日盛りの谷保天神の梅林。 人も猫も虫たちも息絶え絶えになりそうなほどの太陽のぎらつく午後2時に、明治神宮ちかくまで、赴く。 お二人の紳士に仕事のことで会うためである。 90歳になられる山崎剛太郎氏は、フランス語の映画翻訳などを生業としてきた方であるが、かつて、中村真一郎、福永武彦などが中心になっておこった詩の運動「マチネ・ポエティック」などで親交あり、ご自身も若き日に詩を書いてこられた方である。山崎さんとお親しい岡田夏彦さんの尽力によってその若き日の詩集の刊行が実現しそうなのである。 フランスから訪ねてこられた娘さんとお孫さんとともに軽井沢の別荘に行く前に、お目にかかりましょう、ということになった。 今日の猛暑の日、お二人の紳士は、白いジャッケットをはおり、パナマ帽をかぶりネクタイ姿もすずしく、それぞれタクシーから降り立った。 そばにいた男性がふっと道をゆずってしまうような、そんな見事なたたずまいがあった。 紳士ということばがふさわしい人間が日本にもいるんだんなあ‥‥、って私はおもい、 (ああ、今日はちょっとばかしエレガントなスカートを身にまとい、パールのネックレスをつけ、網タイツをはいてきて良かった、これで白の日傘をそえてわたしだっていっぱしの淑女っていうものよ‥)と自己満足のおもむきとなった。 今日のような一時間にも満たないような打ち合わせに、ヴィスコンティの映画に出てくるようないでたちの男性におめにかかるのは、なかなか素敵だ。それがこのたったわずかの打ち合わせであるとしても、そこに費やされた時間と意識のはからいを思い、そのことに感動する。こういうことが自然にできる豊かでせちがらさとは縁遠い時代を生きてこられたんだろう。 明治神宮の大きな古木のもとで、人も時間も過去のしずかな光にみちた木陰に息をしているようだ‥‥。 さて、さて、詩人の峯澤典子さんの詩集『水版画』を、23日(水)の毎日新聞の夕刊で、松浦寿輝(まつうら・ひさき)さんが大きく取り上げてくださった。「言葉の水面が歪むとき」と題するこの一文は、現代詩がかかえている局面にふれ、非常に示唆的である。 「若い詩人の渾身の第一詩集において、いつしか涸れてしまったかに見えていた現代詩の水脈の一つから、豊饒な詩情がこんこんと湧出しているさまを目撃することは、わたしにとって大きな喜びだ」と、『水版画』を評価する一方、三角みず紀さんの作品に書かれるような、「世界から受けた痛みと自己喪失を訴える」作品のリアリティが、「水で作られた版画の数々を『絵空事』に見せてしまう瞬間があることは否定できない」とし、峯澤さんに(いや詩人たちに)今後の課題をのこす。 詩人の北爪満喜さんが、そのブログで、『水版画』にふれてくださっている。 「Memories」 そして、今日の船団HP「日刊この一句」』は、小倉喜郎さんによって児玉硝子さんの句集『青葉同心』より。 野茂よアメリカの中のソフトクリーム 野茂英雄が引退した。 わたしにとって、メジャーリーグっていえば、イチローでもなく松井でもなく野茂だ。 近鉄時代から、応援してきた。日本の野球界の体質にあわないことがメジャーリーグへの道をつくった。 野茂がどこかで投げている、って思うと嬉しかった。 とても残念でさびしい‥‥。
by fragie777
| 2008-07-25 20:33
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Comments(2)
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seqtaxus08 at 2008-07-25 23:20
はじめまして。神宮で検索して辿り着きました。パナマ帽もホワイトジャケットも縁がございませんが、またお邪魔したいと思います。宜しくお願いします。
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fragie777 at 2008-07-26 09:06
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