カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
6月23日(月)
23歳の俳人・佐藤文香さんの句集『海藻標本』がなかなか評判がいい。 今日の朝日新聞「風信」で、さっそくに紹介された。「逆光の汽船を夏と見しことも」。 23歳で句作10年目ってあるから、13歳のときから俳句を作ってたっていうことにあらためて驚く。 「自力で編んだ第一句集」と書いてあるが、この「自力」っていう言葉がすごい。 「じ・り・き」って発音するとおもわず丹田にこうぐっと力がはいるような…。 共同通信発信の地方新聞に小川軽舟さんもとりあげてくださった。「少女みな紺の水 着を絞りけり」「牡蠣噛めば窓なき部屋のごときかな」「七月の防空壕にさいころが」 などの句を評して、「したたかな新人の登場である」と結んでいる。まさに! 増殖する歳時記は、21日は、今井肖子さんによって、山田弘子さんの句集『草蝉』紹介されている。 「しんしんと離島の蝉は草に鳴く」 「離島」とは「沖縄・宮古島」のことであり、「草蝉」とは、「草むらに棲息する蝉」のことであるという。「しんしんとが深い情感をあたえている」と。 沖縄は昨秋遊びに行ったのだが、楽しかったなあ…。ちゅら海水族館の海亀のことはときどき思い出す。もっともわたしが思い出すようには、海亀たちがわたしのことを思い出すっていうことはないと思うけど…。 そしておなじく増殖する歳時記の今日は、清水哲男さんによって、金子敦さんの 句集『冬夕焼』より。お手元にきっと届いたばかりのこの句集について、敏速な反応がすばらしいですね、清水さん。 「いつせいに子らゐなくなる夏座敷」。 「この句実は大人も同時に解放された気分が隠し味になっているのであって、そこらへんが巧みに詠まれている」とある。 いままでいた子どもたちがさあっとどこかに遊びにいってしまったあとの風通しのよい爽快感って確かにある。しかしながら、清水さんが書かれているように、「少子化」によって、こういう情景もお目にかかれなくなる、ってこともあるかもしれないと思うとなんだかぞっとしてしまう。 21世紀のどこらへんかで、いっせいに子らいなくなる風景がやってくるんじゃないかって、かなりリアルにそう思っている。 「船団」ホームページ「今日の一句」は、20日が奥坂まやさんの句集『縄文』、21日が須田保子さんの句集『方寸』が内田美紗さんによって紹介されている。 句集『縄文』より。「ぐつたりと百合ありテレビより歓声」。 句集『方寸』は、「明易の保冷車が水零しけり」。 夕方、後藤比奈夫先生に、序文のご催促の電話をいれる。 「きっと電話があると思ってました」って、後藤先生。 わたしは、実は宿題を後藤先生にお出ししているのだ。 「いついつまでに、序文と題簽をお書きにならなくては行けません。」っていう宿題を。 でも、なかなかその宿題の約束は果たされず、その度に、わたしは、「いけませんね!」と先生を叱るのである。 電話のこちら側からきわめてやさしく(と自分ではおもっている)…。 今日は比奈夫先生、電話の向こうで笑いながら 「どうも、いけません。昔みたいにいっぺんにいろんなことができなくて…。歳でしょ うか?」っておっしゃるので、思わずわたし、 「ああら、先生! わたしなんて、今日帯を4本しあげるつもりが、たったの1本しかできませんでしたあ」 と、自慢そうに言うと、 「ああ、あなたでもそうですか…」 と嬉しそうに笑っておられる。 イカンイカン、催促なのに、できないことを自慢してどうなる…。 もうお馬鹿なわたしめ! じゃ、深呼吸して、息をととのえて、 「では、先生、今週末まで宿題を待ちましょう。」ってえらそうに申し上げると、 「はい、はい、わかりました。また電話してください!」と、 笑いながら電話を切られた比奈夫先生。……。 ウーム、貰えるかな?…。甘くみられてるかもしれない。 よし、こんどお忘れになったら、廊下にたってもらいましょうか…、比奈夫先生! 『昼寝の国の人」がアップされる。 詩人の佐原怜さんによって、「水」をテーマに、裕明作品が読まれている。 「田中裕明の世界は水気が多い。 たっぷりと量のある水ではない。その多くはつかの間ものを濡らすくらいがせいぜいの、ささやかな量の水だ」 という考察が面白い。 水の豊かな季節に、裕明俳句における「水」をみつめる… ああ、わたしも実は雨に打たれながら、自転車をとばして帰ってきたところだ。 水にぬれて、わたしはなんだか生き生きしている…
by fragie777
| 2008-06-23 20:21
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||