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6月20日(金)
![]() これは大家さんのとこの紫陽花ではなくて、通りがかりに咲いていたもの。 今日は、夕方五時より東京会館にて蛇笏賞、迢空賞の授賞式があってスタッフの愛さんとおもむく。 ![]() 写真は、蛇笏賞を受賞された鷹羽狩行氏(右側)と、迢空賞受賞の伊藤一彦氏。 おふたりの写真を撮ってふりむくと俳人の片山由美子さんと櫂未知子さんがニコニコと並んで立ってらした。 櫂さん、おもむろにわたしに近づいて、片山さんにそっと身をそわせ 「ウフフフ、わたしたち叶姉妹よ!」 !!!!!!!! わたし、おもわず声をふるわせながら、艶然と微笑むお二人の顏を見あげ、 「いいえ! 叶姉妹も顔負けの美しさ!!」って申し上げましたっ。 それから、ひさしぶりに会った大井恒行さんと、「老人性鬱病」について「もうひとごとじゃないよ」って話す。大井さんに言わせると、わたしみたいな元気なのがヤバイんですって。「どうしよう!」って言うと、「花とか草とか写真に撮って楽しんでるからいいんじゃない…」なんて笑いながらはげましてくれた。 まっ、いいかっ… いま仕事場にもどって、机の横のバッグのなかにこっそりしのばせていたバナナを半分たべながら、このブログを書いている。(お行儀悪くてごめんなさい。だって何もたべておらず、お腹ペコペコなんだもの…) 金子敦さんの句集『冬夕焼』が出来上がってくる。精鋭俳句叢書の一環の「serie de la lune (月のシリーズ)」の一冊としての刊行となった。金子さんは、俳誌「新樹」同人で、『冬夕焼』は第三句集となる。1997年に「俳壇賞」を受賞されている。かつて第一句集の『猫』をふらんす堂で刊行させていただいたというご縁のある方である。栞は、鈴木茂雄さん。句集名ともなった「吸い飲みに残りし水や冬夕焼」について「巧みな心象風景の句であるが、ここには小手先の技巧は微塵も感じられない」とある。 三年前に最愛のお母さまを亡くされ、この度の句集はその鎮魂の句集となった。カバーにはお母さまが好きだったという石蕗の花をあしらい、冬夕焼けの朱の色が深い陰影をあたえている。 「囀りの一樹祈りの木となりぬ」「冬の虹母の義足を干しに出て」「冬晴の富士へ押し出す車椅子」「いま母を詠まむ風花消えぬ間に」。 この句集を読み進むと、父母への思いもふかく、繊細で傷つきやすい魂をもったひとりの孤独な青年の風貌が立ち現われてくる。歳をとること(成熟すること)を止めてしまったかのような…。あのポーランドを舞台にした映画「ブリキの太鼓」の、三歳にしてみずからの成長をとめてしまった少年オスカルのように…。 「春愁のたとえば0で割るごとし」「夕立に睫毛の先を打たれけり」「ぺんぎんの仰ぎ見てゐる渡り鳥」「ひとつぶのビーズを拾ふ雛の部屋」「吾が立てし指に蜻蛉のとまらざる」「永遠に消えない虹を分かちあふ」 しかし、「江ノ電が来るよ木の芽を揺らしつつ」などの弾むような俳句に出会ってホッとするわたしがいる。
by fragie777
| 2008-06-20 22:53
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