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6月12日(木)
![]() 一日は、はげしい雨音からはじまった。 「ひゃあ、今日って営業代行の多田さんが来る日よお!」と叫ぶ。 いっけない! すっかり忘れていた。 これは、朝のミーティングのときに手帖をひらいたとたんのことだ。 そうしたら、どうでしょう。スタッフたちだあれも平然としている。 律子さんなんて、ニコニコと「そうですね」なんて言って余裕をかまして笑っている。見回せばみんな笑ってるの…。 ああ、そういうことね、忘れていたのはいつもながら、わたし一人って言うわけね。 そんなんで、わたしの日常はおかげさまで、驚きと発見の数々であきることがないのよっ。ってみんなに胸をはってみせる。 その多田俊彦さん、10時半すぎには、さっそうと現われた。ナイスミドルで、本の営業ひとすじに来られた方だ。韓国通で、韓国語がべらべらで、韓流ドラマの熱烈な支持者の律子さんとはとても仲良し。ときどき電話で「アニハセヨー」とか「カムサムニダー」とか、会話をしている。ジャンボ宝くじがあたったら、ふらんす堂のスタッフ全員を花の韓国旅行ツァーに連れていってくれる、と約束してくれている。絶対よ、多田さん! わかいスタッフの春奈さんに、今日は懇切なる営業指導をしてくれた。 春奈さん、ひと言も聞き漏らすまいと、メモをとりながら熱心に聞いている。 おみやげのお菓子は、「32歳以下の方が食べてくださーい」って言うんで、おやつの時間にわたしたちはみんな、(そう、おじさん一派もふくめてね)18歳の少女になってお菓子をいただきましたの。お紅茶といっしょにね、おいしかったあ…。 句集『筑波嶺』ができあがってくる。「若葉」(鈴木貞雄主宰)同人の福島百合子さんの第一句集である。俳句を始めて25年にしてのはじめての句集であるとのこと。箱入りの立派な本に仕上がった。つくづくと句集を拝見して思ったことは、時間の悠久たる流れに人間が身をそわせていることだ。だれもあくせくしていない。鈴木貞雄主宰のことばがそれを語る。「10数年間の写生の修練を積んだ作者に」「作品の幅がひろがったように思う」と言う。そして跋文を書かれた谷口忠男さんによると、ある公園の池の片隅でずううっと固まったように動かずに一点をみつめている福島さんに「何をみているのか」たずねると、「蜷」という言葉がかえってきたと。蜷という貝のうごくのをじっと見ていたのであると。あの蜷の速度をご存じですか?! あとがきには25年経ったいまも「ますます俳句に興味を覚えると同時に、その奥深さに戸惑いながらの日々でございます」と。なんと人間がみなゆったりとして呑気なんだろう。そして俳句という文学の形式に、なんとみなつつましやかなのだろう。きっとこれはひとり福島さんにかぎらず、俳句にかかわっている人たち多くに言えることなんだとおもう。こういう時間をそのふところにいれている人たちがわたしは好きだ。 「幹裂けてゐて確かなる芽吹きかな」「いつよりの時雨かあたり濡れわたり」「筑波嶺の容ち定かに恵方道」スランプに陥ると福島さんはあわてずに筑波山をあおぐ、ということである。 「船団」ホームページ「今日の一句」は、担当の内田美紗さんによって、鈴木みのりさんの句集『ブラックホール』より、「ポット沸くジューン・ブライドの控え室」。ジューン・ブライド、すなわち「六月の花嫁」。守護神ジュノーによって幸福になると言われているらしい。しかしながら、「ジューン・ブライド」とつぶやいてみる…。どうしてこうものがなしい響きになるんだろう。花嫁ってあんがい心中にえもいわれぬ物憂さをひそませているのかもしれない。(この男ほんとに大丈夫かしらん?とかね。わたしゃ、能天気だったけど…)。この俳句、「ポット沸く」という言葉で、その憂鬱さがふっと軽くなるような気がする。
by fragie777
| 2008-06-12 20:13
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