ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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贅沢ということ。

6月4日(水)

贅沢ということ。_f0071480_19471619.jpg


昨夕、仕事を終えたわたしは、いつもながらのスーパーマーケットに立ち寄る。さっさっと買い物をしてレジへ。レジの可愛らしい女性が品物をたくみにさばいて、「ハイッ、○○○円でーす。」ええっ、ちょっと高いな…、それほどのものを買ったかな…、まっ、仕方ないなどなど思いながら支払いをする。
そして、今日。昼休みに買い物をすませてしまおうと、同じスーパーへ。みまわして、あら美味そうと、いまが旬な鰹のお刺し身を買う。そして、納豆と、お野菜と…、昼休みが終わってしまわないうちにと、急いでレジへ。「○○○円です」(あれっ、高いな…)いつもとそう変わらないものを買っているのに…。
合点がいかないまま買い物袋をさげて、仕事場へいそぐ途中に(!!!!)はたと得心した。
いまって、ありとあらゆるものの物価高だっていうことを。
(気づくのが遅い!って、ホントにそうですね)

その物価高でいちばんの打撃が、紙の値段が急騰したこと。これは出版社にとって痛い。お野菜どころではない。あらゆる紙の値段が15%上がるのである。
用紙に贅沢なものを用いるふらんす堂にとっては大打撃なのである。
ふらんす堂の本造りは人の手を介在させながら、用紙に贅沢なものをつかい、(紙屋さんがおどろき感激してメーカーからワインを送ってきたことがあったり、紙屋さんに用紙を使った書籍の見本を求められたりしたことがある。)物の手ざわりと風合いを大切にしているので、一般的かつ当世風なコンピュータグラッフィックを駆使した色を中心とした本造りとはちがい、パソコン上に掲載したときに、とてもその良さが表現しえない。たとえば、フランス装の本などは、グラシンという薄紙ですべてを覆ってしまうので、(このフランス装のできる製本屋さんがもうほとんど無いのである)パソコン上にアップした時など、すこしボケてしまうキライがある。そのうえ、用紙の風合いや手ざわりなどはパソコンの画面ではいっさいわからない。したがって、パソコンの画面でふらんす堂の書籍を見て、ご来社くださったお客さまが、実際の書籍を手にされてその違いにおどろかれることが多い。また、本造りのことをよくご存じの方は、その本の造本の凝り方におどろかれる。ふらんす堂の目玉商品のふらんす堂文庫がいかに贅沢な本であるか、ということがわかるあなた、あなたはいいセンスしてらっしゃる。本というものをよく分かっておられる。
かつて作家の中村真一郎さんが、ご自身の著書を愛蔵版としてふらんす堂文庫にしてほしいと言われたとき、「僕はね、ふつうの文庫本のように読んだらすぐに捨てられてしまうような本はつくりたくないんだ。いつまでも大切に持っていたいという本をつくって欲しい」と力をこめておっしゃったことがある。そして、『古韻余響1』、『古韻余響2』、『私の履歴書』、『滞欧日録』、『読書日記』などふらんす堂で刊行した中村真一郎の書籍は、すべてフランス装である。

そんなふうにして頑張ってきたのに、紙の値段があがるとは……。

ふらんす堂の本造りはやはり贅沢なものを使いたい。
贅沢なものとは、そこにかけられた人間の時間と技なのであるから、それを惜しむということは、わたしたちの日常がますます痩せていくことにほかならないのだ。
安ければいい、という安易さをどこかでふんばりたい、と思っているのだが…。
by fragie777 | 2008-06-04 19:53 | Comments(0)


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