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5月29日(木)
![]() 姨捨の棚田ちかくの風にそよぐ葭(よし)。 教えてもらって、草笛をつくってはじめて吹いてみた。 やわらかくすこしさびしい音色だ…。 草笛に草の名前のありにけり 文 香 出来上がってきた佐藤文香(さとう・あやか)さんの第一句集『海藻標本』のなかにある作品である。わたしの好きな句だ。文香さんは、まだ二十代の若々しい俳人であるが、どの作品もすっきりと、若さを脱ぎ捨てた完成度をもって読み手にとどく。「大変なライバルの出現」と序文を書いた池田澄子をしてそう言わしめるほどの才のある人だ。それでいて、池田さんの序文はこの若き俳人にたいしてあたたかく、懇切な思いにあふれている。装幀の落ちついた仕上がりが語るがごとく、ここに収められている作品の一句一句はゆるぎなく、しずかにそこにある…。そういう力を感じさせる句集である。 多くの人に読んでほしい一冊である。 「自転車の冷えてをりけり葛の花」「青に触れ紫に触れ日記買ふ」 ひよどりはゆやけの山へ帰りけり 基 吉 今日は大磯のホテルで、俳誌「日矢」の皆さんが中心となって「清水基吉さんをしのぶ会」おこなわれた。清水さんの最後の句集『惜別』もどうにかお間に合わせすることができた。ご自身の句集のできあがるのを待ち望みながら、桜の咲き満ちる日に逝かれてしまわれた。あとがきの「今、惜別の思いしきりです。よって句集名としました」ということばが、死を前にした俳人のさびしい覚悟をおもわせる。 「生身魂しつかりせよといはれても」「足はよろよろ魚氷に上る頃とかや」 松本秀一さんのエッセイ集『ペーパーウェイト』ができあがり、やっと送ることできた。 「田んぼの泥のついた顔とメガネを洗って、手にとりました。」とメールをいただく。いいですね、農作業にいそしむ松本さんの生活が見えます。松本さんは愛媛県の宇和島市で、農業をするかたわらエッチングの製作にいそしみ、そして俳句や短歌もよくする。まさにスローライフな豊かな日々を送っておられるのだ。その暮しの風景が一冊の本となった。エッチング作家としての作品も何点かおさめてある。肩がこらず、楽しく読める一冊である。その松本さんより、この本のための画廊におくチラシをつくってほしいということで、さっそくつくってみた。 といっても、スタッフのカトさんが、魔法をつかってあっという間につくりあげ、松本さんにFAXしたところ「とてもいいですね!」と感激された。わたしはおもわず、(どんなもんよ)と胸をそらせたのだが、いつものようにわたしは、本を手渡して、「チラシを作ってちょうだい」と言っただけで、あとは「いいのができたわねえ」とニコニコとしただけである。 そんなわけで、(いったいどんなわけ!)今日も一件落着というところかな…
by fragie777
| 2008-05-29 20:13
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Comments(2)
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