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5月23日(金)
![]() 今日はちがう道を通って仕事場へ。 やっぱり薔薇がきれいでついつい立ち止まってしまう。 ![]() ![]() 薔薇園にある薔薇もそりゃ豪勢だけど、花屋さんに売られている薔薇も差し上げたり、貰ったりするとそれはそれで優雅な気持になるっていうものだけど、わたしは、こんな風によその家の人が育てている薔薇がいちばん好きだ。咲ききって凋落への翳りに満ち満ちている薔薇が、あどけない蕾といっしょに咲いている様子などは、人工的ではない薔薇の風情があって、いいなあ…ってもうグッときてしまう。 薔薇が香りをはなちながら、しおれていくさまは、ヨーロッパ貴族の老婦人を思わせ、円熟した優美な頽廃がある。 このときが、薔薇の花のいちばん好きなときかもしれない。 青森県十和田市で詩を書き続けておられる詩人の小笠原眞さんより、新詩集の草稿をおくっていただく。ふらんす堂で刊行させていただくのはこれで三番目の詩集となる。一番目は、詩集『あいうえお氏ノ徘徊』で、「青森県詩人連盟賞」を受賞された詩集である。二番目は、詩集『48歳のソネット』。そして今度の詩集のタイトルは、「極楽とんぼのバラード」。いつも詩集は定型詩であり、巧みな仕掛けがあって、楽しい言葉遊びにみちていて、意表をついてくる。わたしは楽しみながら、編集作業をすすめることになる。第2詩集の『48歳のソネット』は小笠原さんが48歳になったのを記念(?)して、48篇の文字通りソネット形式(14行詩)で書かれた詩を収録したものであるが、視覚や聴覚を動員しながら読みすすむ面白さがある。第一詩集の『あいうえお氏の徘徊』は、面白い意欲的なこころみに満ち満ちていた。 まず、目次から「あの氏」「いたずら氏」「う氏」とはじまり全部で「あ」から「ん」まで、51の詩篇があり、すべての詩行が17行であり、その書く詩行の最初のことばを、縦にならべると、俳句らしきものになる。それが51篇あるのだから、その遊戯感覚も徹底している。 そのうちの一篇を紹介してみたい。 ねこだま氏 猫科の君が好きだった 仔猫のようにあどけなく 野良猫のようにふてぶてしく 雌猫特有の媚びた肢体を持ち 憎憎しいほどの猫かぶり たまには君の好きな鰹節やら またたびなんかもちらつかせたが 所詮猫に小判に過ぎなかった いつも猫背で立ち去る僕達 濡れ鼠の悲哀が満ち満ちている かたちの良い唇とピンクの猫舌 怜悧な眼差しは変幻自在だ 何故かいつも猫騙し ついつい猫撫で声に翻弄され 近づいてはねだる猫可愛がり かけがえのない君はキャッツアイ 性懲りも無く春でもないのに猫の恋 猫の眼に魂抜かれ夏近し いま、わたしの目の前には第三詩集「極楽とんぼのバラード」がある。 こんどはどんな仕掛けと言葉あそびによって、わたしを面白がらせてくれるか…、楽しみである。 明日は、「詩歌文学館賞」の授賞式のため、北上にいく予定である。
by fragie777
| 2008-05-23 19:33
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Comments(2)
定型詩集三冊目もお世話になることになり、とても楽しみにいたしております。今回はバラッド詩集ですが、前二詩集のような仕掛けはないのですが、根っから詩が好きなんだなという私の気持ちが伝わってくれればそれでいいかなと思っております。前詩集の御紹介誠にありがとうございました。今後とも宜しく御願いいたします。
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