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4月21日(月) 葭始生(あしはじめてしょうず)
今朝の八重桜。 今日はでかけるまぎわにピアスを変えた。このところよくつけている涙のかたちの真珠のといってもまがい物の真珠のピアスをはずし、トルコブルーの大きな硝子細工のピアスにした。こうすれば白と紺のボーダーのシャツによく映える。 そして白いコートを羽織った。 もう気分はすっかり初夏…だ。 家の近所のはたけを椋鳥たちがのんきにたむろして、さかんにはたけの中に嘴をつっこんで餌をあさっている。 ウン! わるくない朝だ。 藤城良子さんの句集『赤星山(あかぼし)』が出来上がってくる。俳誌「青山」(山崎ひさを主宰)の同人の方である。まず出来上がりをみて、その句集の色合いの美しさにほれぼれした。 「きれいにできたわねえ」と担当の愛さんにおもわず、言ってしまったほど。 「ええ、これご本人の絵なんです。装画としてお使いになりたいということで…」 ふらんす堂の本は、白い本がどちらかというと多いのだが、その白い本のなかでひときわ鮮やかさが目をひく。通常、ご本人の書いたものを装幀につかうというのは、なかなかむずかしい。絵それ自体が自己主張をしすぎて意味をもってしまい、どうしても野暮ったくなってしまうのであるが、今回はそれがスマートに成功している。デザインを担当した君嶋真理子さんの手腕もあって、用紙選びもうまくいき、非常に発色のよいものになった。出来上がれば、それが当然のように本はみえるのであるが、この色、この風合い、この用紙などなど、君嶋さんも担当の愛さんもそれはいろいろと苦心するのである。出来上がりをご本人の藤城さんも喜んで下さった。 山崎ひさを氏のご序文によると藤城さんは絵画だけでなく、卓球もお得意であるということ。「ラケットの素振百回初稽古」という句も本文中にあるくらいだ。お正月から素振を百回なんてずいぶん気合いがはいってますねえ。集名の「赤星山(あかぼし)」は、「故郷の山、朝夕に仰ぎて育ちました懐かしい山の名をつけました」と「あとがき」にある。 「故郷の赤星山遠し雉子の声」 俳人の後藤比奈夫氏に、序文のご催促のお電話をする。「ときどき電話で催促してください」という氏のお言葉にすなおにしたがってのこと。電話でのやりとりのなかで、 今週は誕生日をむかえられ、九一歳におなりになるという。「ぼくみたいに、こんな歳になって、仕事をしてるなんてねえ。みんなもっとゆっくりしてますよねえ」と笑いながらおっしゃるので、「いいえっ。先生、お仕事ができるのは素晴しいことですっ。ご序文、よろしくおねがいしますっ」って、わたし、ハッパをかけちゃった。「ハイ、ハイ、わかりました」と笑いながらお電話を切られたが、いやいや、今週また電話をするつもり。 讀売新聞の長谷川櫂さんによる「四季」に加瀬美代子さん(「朝」同人)の句集『赤松』から「真直(ます)ぐとは真蒼なりけり菖蒲の芽」がとりあげられる。電話で加瀬さんの喜びの声を聞く。 すこし前になるが、やはりおなじく「四季」で、大川ゆかりさんの句集『炎帝』の作品が紹介される。「猫の子の跳び出して来し紙袋」。猫の句がとりあげられるなんて、猫好きの大川さん、やりましたね! その讀売新聞の今日、「枝折」に秋山巳之流さんの句集『花西行』が紹介されている。「俳句」「短歌」の元編集長の最終句集としてつぎの一句が。 「花西行いできて散るを惜しみけり」 「船団」ホームページ「今日の一句」では、内田美紗さんによって、桑原三郎さんの句集『不断』の句集より次の一句が取り上げられて鑑賞されている。 「困ることひとつもなくて蠅生まる」。 内田さんは、北原白秋の詩を引用しながら、この俳句における「て」の深い意味をさぐる。
by fragie777
| 2008-04-21 19:15
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