11月2日(金)
美(ちゅ)ら海水族館のうつくしいさかな。詳しいなまえがわからないが、たぶん河豚の一種ではないかと…。
今日は「短歌日記」の著者東(ひがし)直子さんがふらんす堂へ遊びにいらして下さった。東さんのファンだという詩人の手塚敦史さんをお誘いして、仙川をちょっとご案内する。すこしまえに、東さんは仙川に立ち寄られたことがあったということで、「いい町ですねえ」とメールをくださったので、その言葉に気をよくした私は、建築家安藤忠雄の設計による町づくりがすすんでいるいっかくにお二人をご案内したのだった。コンクリートのうちっぱなしのマンション、美術館、保育園などがならびたっており、ひさしぶりに来たわたしもその様変わりのはやさに驚いてしまう。読売新聞に「『安藤忠雄の粋』集まる街」と大きく報じられたこともあって、東さんも興味深くながめてらしたが、実はわたしたち仙川住民は案外しらないのである。生活のエネルギイの渦巻く商店街とはうってかわってあまりにも整然と瀟洒な感じはちょっと異次元に来た感がある。
その一角で記念撮影。おふたり、なかなかさまになっているでしょう。東さんとわたしのツウショットも手塚さんが撮ってくれたのであるが、あとでそれをみてもうガーン、ショックである。まるで美女と野獣(わたし)。すぐに削除しようとおもったが、おしとどまった。(これは手塚さんの写真の腕前の問題ではなく、まごうことなくわたしの現実である…、であるからして、ときどきこれを眺め己の実態を知るべきである)と一瞬のうちの判断したのである。まっ、つらいけれどしかたがない…。ふらんす堂へおふたりを案内して、そこでお話しをうかがう。なんと東さんはいま月に4本も小説をかかえておられるという多忙さ。ほとんど家を出ないで執筆の日々であるということ、また信じられないことに大学生の男の子と高校生の女の子のお母さんでもあるとのこと、母親業もやりながらの執筆であるということであるが、「短歌日記も大変ですよ」とサラリと言われてしまった。こんなに忙しいのによく引き受けてくださったと改めて御礼を申し上げる。手塚さんは、大きなバックに東さんの資料をたくさんつめて来て、一所懸命お話しを聞いている。ものすごく緊張している手塚さん、ほほえましいなあ。
さて、お二人がかえったあとのふらんす堂。「東さんがあんまり美しいのでびっくりしましたあ」「手塚さんはあいかわらすお姫さまのごとく楚々としてましたねえ」「うん、そうだよ、やっぱ姫だね、そしてわたしたちは野武士さ…」などなど東さんが持ってきてくださった大きなパイをみんなで食べながら、にぎやかなことこのうえない…。