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5月19日(土)
写真は柿の花。雨にぬれた柿若葉はうつくしく透きとおっていて、柿の花が咲いていた。地面に落ちた柿の花をひろってみると思っていた以上に硬かった。 柿の木は、わたしの郷里の庭にもあったのであるが、柿の花を意識したことがなく、柿には実はなっても、花が咲くということははずかしいことに最近まで金輪際知らなかった。(実のあるものにはすべて花が咲くというシンプルな道理を知らないという驚くべき無知…柿というものはつねにわたしの中で実として存在し、花としてあるということがなかったのである。)わたしの郷里の家にあった柿の木は「B29」というどこかで聞いたようなちょっとブッソウな名前で、しかし柿の実は綺麗な深い朱色をしていて小ぶりながらたいそう甘く十分にみずみずしかった。あのB29という新種の柿の木もこんなかわいくて渋い花を咲かせたのかしらん、郷里の庭にはもうその柿の木はなく、わたしのなかですでにまぼろしの柿の木となってしまったのである。
by fragie777
| 2007-05-19 23:53
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