4月4日(水)
花冷えの一日となる。今日は4月4日の水曜日、こえに出してよむと、「しがつよっかのすいようび」、耳から聞くとなにかとても美しいひびきで、雨にうたれて花が散ってゆくのにふさわしい日っておもってしまう……。ちょっと考えすぎかなあ……。
つね日頃親しくさせていただいている方に詩人の杉本徹さんがいる。杉本さんは、俳句をよむこともお好きであり、永田耕衣や、高柳重信の作品などよく読まれるということ、最近では仁藤さくらさんの『光の伽藍』について、「現代詩手帖」に優れた評を書いて下さったりもしている。そんなご縁で、小冊子「ふらんす堂通信」に「詩人のよむ俳句」というテーマで連載をお願いしたのである。いま編集作業をすすめている112号よりの連載で、今日の朝メールにてお原稿をいただいた。いただいた原稿は、わたしは散文という文芸のジャンルがあることを思うのであるが、まさに美しい散文に、高柳重信の俳句が点綴され、お互いが拮抗し協奏しながらひとつの世界を展開していくといったさまのもので、重信の俳句の鑑賞や解説ではなく、それは作品を深く読むことでありながら、その作品がまた新しい扉をあけて新しい光を呼びいれている、こんな風に作品が語られることはこれまであまりなく、わたしはちょっとゾクゾクしている。杉本徹でなくては書けないものであり、これからどんな連載が展開していくかと思うといまからとても楽しみである。