1月30日(火)

最近ふらんす堂では「くらげ堂」が流行っている。一日に一回は、誰かが「くらげ堂」っていう言葉を口にする。「中井さあん、くらげ堂ってさあ」とか、「来週にはくらげ堂に行こうと思って…いまから楽しみ」とは川口。加藤泰子は、火曜日は定休日なのであるが、じつは今日はこっそり仙川に来ていて「くらげ堂」に行っているはずと中井がいう。ああ、そういえば昨日から加藤さん、「くらげ堂」「くらげ堂」って言っていた…。松田聡子も「まだ行ったことがないんです。これから行ってみようと思って…」フーン…。わたしはといえばすっかり蚊帳のそと。会話についていけないのだ。どうやら渡邊真紀も「くらげ堂」とはご縁がないらしい。
その「くらげ堂」とは、すご腕ぞろいのマッサージ屋さんということである。仙川商店街には足裏マッサージから整体、中国式マッサージなどのお店がいたるところにあり、それはおどろくほど。肩凝り三姉妹を自認する中井愛、川口、加藤泰子にとって肩凝りから開放されることは、彼女たちをとりまく世界の色がすっかり変わるほどらしい。中井は仙川にあるマッサージ屋さんを数多くおとずれ、この「くらげ堂」に行きついたということである。若いのに腰痛持ちの松田聡子にとってもこの「くらげ堂」は希望の星となっているのだ。肩凝りということから生まれてこのかた無縁のわたしは、彼女たちが夕方「お先に失礼をしまーす」と言って会社を辞したあと、仙川のある場所で身体を横たえてそんな甘美な時間を過ごしているとはまったく知らなかった。中井にいわせると「それはもう、あまりの心地よさに熟睡してしまい、いつも自分の寝言で目が覚める」って言うほど。「くらげ堂」仲間に加われないわたしは、みんなのめくるめく心地よさ体験をきくたびに、ちょっと羨ましく、なんだかずるいって思ってしまうのであるが、そんなことを言ったら、「山岡さん!!」ってみんなに叱られそう…。