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2月4日(水) 立春 旧暦12月17日
いよいよ春となった。 とはいえ、昨日とそれほど変わったところはない。 仕事場に行くのに手袋をわすれたことぐらいか。 しかし、わたしたちは春という季節のなかに確実に足を踏み入れたのである。 新刊紹介をしたい。 46判変型ソフトカバー装帯あり 124頁 詩人・糸田ともよ(いとだ・ともよ)さんの第2詩集である。糸田ともよさんは、北海道札幌市生まれ。詩集のほか、歌集を二冊刊行している。及川恒平の楽曲に詩を提供、音楽ユニット六文銭でも歌われている、美術家、写真家との共作も多数。幅ひろく活躍しておられる方である。 本詩集は、すべて四行詩である。 ふゆ、 ふゆのあとさき… 透きとおった月の鱗片がふるような 四行詩のささやき 帯にしるされたことばであるが、まさに透明感のあることばのささやきである。 正方形にちかい、版面のなかに余白をたっぷりとって、一頁にひとつの詩がおかれている。 森のなみま おぼろげな 窓灯りは すだまのコハク この四行詩をしずかに声にだして読むと、この余白に声の余韻がひろがっていくようである。 うすやみに ふでをしめらせ しろつめくさを 近景に 言葉の響きのみならず、視覚的にも考えられた一冊である。 カバーと各章に画家・瀬川葉子さんの絵を装画として用いている。 色の仕上がりなど装幀には思いを凝らされたものとなった。 タイトルの「幽光」とは、かすかな光のこと。 つや消し銀の箔押。 なきがら ことり。 そらいろの こまく 「幽冥のくし」と題された第一章のとびら。 このモノクロの絵がすごくいいのだ。 冷えてくる石 すあし 水草をすく 幽冥のくし 第2章は、「かくしえの禽」 夜をぬいで 深夜を着る 星の釦が 新しい 落下する 天球儀 書物の崖から 星ふりこぼし 第3章は、「すだまのコハク」 本文には3点のみが装画としてこのようにあしらわている。 この装画が、この詩集の世界をつくりだしている、と言っても過言でないくらいの存在感がある。 木の芽どきに とどく手紙の ふかんぜんな ふうかん 胎内できいた しおさいーーー はぎしりーーー ふくらむむてき カバーをとった表紙。 扉も透明感のあるもの。 扉をとおして次の頁がすけてみえる。 白昼 光ってみる ほ、 ほうたるのさそい これらの小詩が読者の想像力の小窓となり、それぞれの感性が手がける絵や音楽や、ふくよかな物語へと色づき展けていくことがありましたら幸せです。(後記より) 本詩集は、一行詩でもなく四行詩であることによって、四行におかれた言葉が、声をだしてよまれることによって、音楽的なひびきをもって立ち上がってくるのと同時に、紙面の詩のまわりの余白へとその言葉がしみ通っていくような感触がある。余白を侵食していく、この四行詩にとって、この余白はひつようなのだとわたしは思った。これがたとえば、一行詩や、俳句の一句であったらどうだろう。言葉は余白へひろがるよりも求心的に屹立していく、そんな手応えではないだろうか。 上梓後の糸田ともよさんのお気持ちを伺った。 (1)本が出来上がってお手元に届いたときのお気持ちはいかがでしたか? 思いがかたちになった喜びと、造本に関する私の細かいこだわりをやさしく受けとめながら制作を進めてくださった皆さんへの感謝の気持ちで、胸がいっぱいになりました。 (2)この詩集に籠めたお気持ちがあればお聞かせ下さい わずか31音の短歌ですら、その一行の長さに息が足りなくなることがあり、独自の呼吸法で詩を書くようになりました。体力がなくても遠くまで行ける想像力の醍醐味を、読者の方とも共有できたらいいな、という気持ちです。 そう、遠くまで行ける、という空間を獲得しているのが、この『幽光』という詩集なのだとわたしはおもったのだった。 白い頁から 白い頁へ 余光のような いのりをあるく
by fragie777
| 2026-02-04 18:57
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