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12月12日(金) 熊蟄穴(くまあなにこもる) 旧暦10月23日
大根が干してあった。 おっ、大根干しだ。 「大根干す」は立派な(?)季語である。 こんな風に目にすることはあまりない。 うまそうな大根がひしめいている。 ややっ、 先頭の大根は、なんというか。。。 うむ。。 すこし笑える。 懸大根昨日掛けたる今日の色 松尾隆信 12月20日づけの図書新聞が送られてきた。 「25年下半期読書アンケート」が掲載されている。 そこの書き手のおひとり、アメリカ文学者の巽孝之さんがベスト3の一冊に遠藤容代句集『明日の鞄』をあげておられる。 新進の俳人・遠藤の第一句集は、何気ない日常を思わぬ角度から切り取るセンスが光る名句ぞろい。たとえばこの一句。 海を向く鯨の標本春立ちぬ このアンケートには、沢山の方が答えているのだが、みわたしたところ句集はこの一冊だけだった。 「現代詩年鑑」12月号(思潮社)は、「現代詩年鑑」となっている。 やはり、「今年度の収穫」と題して、詩人のかたがアンケートに答えている。 目をとおすと、この一年間にどんな詩集が刊行されたのか、そしてどのように読まれたのか、みえてくる一冊である。 ふらんす堂刊行のものも、取り上げられているが、ここでは、蜂飼耳、中尾太一、青野暦の方々の座談による「二〇二五年展望」の記事をまず抜粋して紹介しておきたい。 以下紹介するのは、一部抜粋であるので、本書にあたって読み直していただくのがいちばん。 手塚敦史詩集『気化』について、 中尾 手塚さんの仕事じだいが自分たちの世代のある極を、ある豊かさを代表し続けていて、彼の誌を読んでこらうことは自分たちの世代の一部を読んでもらうような歓びなんです。だからもっと若い人に手塚さんの詩を読んでもらいたいし、その韻律のありよう、行分けのしかたとかを感じてもらえるならば、ぼくとしてはこれほど嬉しいことはないんです。 杉本徹詩集『逆光地図』について 中尾 杉本さんについては「詩人の詩人」という表現がぼくにはしっくりくるんです。手塚さんと同じで、杉本さんの詩集のなかで今回は言葉がいちばん細かく乱反射していると思う。詩集のなかにあまりにも焦点が多すぎるのでこれはそろそろ折り返し地点なんだろうかとも思いました。杉本さんもここからまた違う詩の生成の時間を迎えると思います。 また、上記の二冊については、「展望2025」で杉本真維子さんが、とりあげて評している。 どのように書いているのか。見当もつかない。あらゆるものが意味を結ぶ前に気化して消える。言葉の洞をとてもよく知っているのだろう。 その絶景に心が嗽がれる。空を「店の青い封書」とし、ペーパーナイフで切り裂いてゆくとはーー。これほどまでに美しいイメージで青空を描いた詩人はいただろうか。 小峰慎也さんによる「詩書展望」では、詩集『逆光地図』にふれ、 この詩集は、光景が常に半身で何か別の微妙なもの(記憶と接続する何かか)になろうとしてなりきらない、そういう状態をとらえようとしている。 また、「詩論展望」においては、添田馨さんが、高橋修宏さんの評論集『暗闇の目玉ー鈴木六林男を語る』をとりあげている。 本書は鈴木六林男の戦後俳句論であり、詩人(俳人)論と呼べるものだが、単なる詩人(俳人)論の枠をこえた広い意味での”戦後詩学”とも呼びたいような普遍的地平に通じる世界を私たちに開示してくれた点で、印象に残った仕事だった。 なお、高橋修宏さんは、本年、詩集『Echo Island』を思潮社より上梓されており、たいへん好評である。 今週いらっしゃったのだが、紹介しそびれてしまったお客さまが二名。 翻訳者の木村文さんと装丁家の三橋光太郎さん。 来春にむけて、リトアニアの若い作家であるイエヴァ・マリヤ・ソコロヴァイテさんの小説『デッサンモデル』の刊行を予定している。 リトアニアで今年刊行されたものを、木村文さんが邦訳して、ふらんす堂で刊行しようというもの。 なんと、海外で翻訳されて刊行されるのは日本がはじめてであり、その版元がかくも小さなふらんす堂なのである。 Vという女性が日記形式(純然たる日記ではない)で書いていくものであるが、時間は遡行したりして、複雑である。 ストーリーも入り組んでおり、一筋縄ではいかないものがある。 およそ日本ではこのような小説はまだ書かれていないのではないか。 木村さんの邦訳を読んで、三橋光太郎さんに装丁をお願いすることにしたのだった。 お二人の都合のよい時にということで、今週のはじめにご来社ねがったのだった。 事前に三橋さんにはこの小説を読んでもらっておいた。 「読んでみていかがでした?」とまず伺ったところ、 「面白かったです」という答え。 三橋さんはテキストとじっくり向き合う装丁家だ。 「ああ、それは良かったわ」とyamaoka。 少し遅れて木村文さんがやってきた。 おふたりはもちろん初対面であるが、ほぼ同世代ということがわかった。 すでに三橋さんにはブックデザインの構想がある。 まずはそれを披露してもらったのだった。 丁寧に説明をする三橋光太郎さんと、じっくりとそれを聴く木村文さん。 「デッサンモデル」は、わたしには難解な部分がある。 それを木村さんに言うと、 「この小説のおもしろさは、一度読んだ終わりからまた最初に戻って読ませる、という仕掛けがあるんです。そうすると最初読んだときにわからなかった意味がわかったり、ということなんです。」 そうなのか。。 本書には画家が登場するのだが、その画家のモデルとなった人物がいて、その人物はもちろん画家であって、来年の3月に西洋国立美術館で展覧会が催されるのである。 できればそれに間に合わせたい。 そんな打合せをして、その日は盛り上がったのだった。 打合せをおえて、三橋光太郎さんと木村文さん。 どんな本作りとなるのだろう。 どんな風に売っていこうか。 いろいろと心がおどる。
by fragie777
| 2025-12-12 20:27
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Comments(2)
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シナモンさま
いつも応援をしていただきありがとうございます。 謝! 謝! (yamaoka)
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