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8月27日(水) 旧暦7月5日
白木槿。 今日は朝から郵便局へ行ったり銀行へ行ったりとせわしなかった。 ふらんす堂と銀行の距離は、仙川商店凱のはじまりと終わりに位置しており、あるいてほぼ7,8分の距離というところであるが、この残暑である。 いままではそれほど気にならなかったのであるが、今年は歩くのがシンドイ。 これはわたしの寄る年波によるものであるのか、それとも、厳しい暑さ故であるのか、 そりゃ、やっぱり暑さ故と思いたい。 銀行は冷房によって冷え冷えとし、ひとたび外にでれば灼熱の暑さ、 おそるべき寒暖差に耐える身体をもたねば、とおもいつつ、もはや気合いや丹田力ではどうにもならない。 まあ、クタバルまで頑張るか。。。。 新刊紹介をしたい。 四六判ハードカバー装 338頁 俳人・澤好摩(1944~2023)の既刊句集5冊(『最後の勝者』『印象』『風影』『光源』『返照』)に『返照』以後をふくむ俳句集成である。ほかに年譜、初句索引、季語索引を付す。編者は山田耕司。栞は小林恭二、高山れおなのお二人。 ふらんす堂と澤好摩さんのご縁は、2009年に『現代俳句文庫 澤好摩句集』を刊行させていただいたご縁はあるが、そして、ふらんす堂のために校正のお手伝いをしていただいたこともあるが、俳人としての澤好摩さんは、どちらかというと遠い存在であった。こちら側は尊敬の念をいだきつつも、澤好摩さんにとっては距離のある版元だったのではないかと思う。だから、この度、山田耕司さんとのご縁によって、澤好摩さんの全句集ともいうべき俳句集成を刊行することができたのは、わたし個人としてもとても嬉しい。2023年の秋だったろうか、山田耕司さん、高山れおなさん、佐藤文香さんが、全句集をつくるべくご相談にみえられたとき、わたしは良き一冊となるように頑張ろうって心に決めたのだった。 澤好摩さんはどこか懐かしい思いをいだかせる人である。 その作品もまたしかり、である。 そんな思いをいだきつつ、編者の山田耕司さんと刊行にむけてやりとりをしたことは楽しかった。 編者は山田耕司さんであるが、そのむこうに山田さんをささえる人たちがいた。 横山康夫さん、今泉康弘さん、おふたりとも俳句同人誌「円錐」の仲間であり、澤好摩をこころから敬愛する俳人である。 そういう人たちの思いによって、この度の『澤好摩俳句集成』は完成の運びとなったのだった。 わたしは、澤好摩さんにはじめてまみえるごとくその作品を拝読した。 澤さんの作品はこれまでもいろいろと語られており、名鑑賞もあるのだが、そしてこれからも語られていくことになると思うが、ここではわたしの好きな句をあげるのみにとどめたい。 と言っても好きな句はあまりにもたくさんあったので、それよりのほんのわずかな抜粋である。 信じること難し冬の水を飲む 『最後の走者』 ネガを日に透かしてみるや原爆忌 白シャツが月光を浴び少し蒼し 木枯しの橋を最後の走者過ぐ 日傘の中の母好き 歩幅をあわせて行く 曇天へ馬駆け込めり桃の花 『印象』 ものかげの永き授乳や日本海 夕月は舐めて甘しや水馬 百日紅ひとりでをるは深傷(ふかで)負ふ 飛白着てこの身は杳(とほ)し天の河 桃色の山たてかけて尿(いばり)しぬ 水桶のきさらぎにわが旅路あり 炎天やまたもしづかに手が振られ 青空に長き片手は遊べりき 鳥渡る棒高跳びの棒残り 馬の眸の中にひまはり折れてゐる 『風影』 燃えながら日はつめたけれ凧 犬黑く霜の鐵路を外れ行けり 深井あり一輪插しの寂しさに 讀みかけの本を出てゆく螢かな 高跳びの助走みじかし雲の峰 蘆刈ると天が重荷となるかなあ 友がみな歸つて月の机かな 身じろがぬ冬蝶にまた夜が来る 春惜しむ兎の耳の冷たさに 『光源』 春闌けてピアノの前に椅子がない 峰といふ峰巌なり藤の花 いづこにも流れぬ水や天の川 追ひ払ふ蠅の団扇にあたる音 我つねに我を置き去る薔薇の門 想ふとき故人はありぬ遠白波 渡り鳥わたしひとりの晩ごはん 春眠を苔のむすまで召されませ 『返照』 硝子戸に守宮をつたか居りなさい 浮世絵の空はくれなゐ梅の花 『返照』以後 桔梗や暮れゆく河は去り難く 斧の柄の太きに映る焚火かな 十一面観音立像蝶の昼 犬が来て我あふぎ見る大晦日 澤好摩さんの句って、レトリックがカッコよく、グッとくる句が多い。 ことばに習熟しているのでことばの斡旋に無理がなく、人の心にすっとおさまる。 そうして読むと気づくのであるが、読者の心にたっぷりとした余情を生み出す。 『返照』以後に好きな句がかなりあった。 掲句は、句集成のなかのほんの数句である。 是非にこの「俳句集成」を開いて読んでいただきたいと思う。 澤好摩は人に愛された俳人である。 そのことは、小林恭二、高山れおなのおふたりによる栞文を読んでもよくわかる。 装釘は和兎さん。 兎のカットを拝した。 どこか澤さんを感じさせる優しさがあって、和兎さんは、「澤うさぎ」って呼んでいた。 兎のカットを配してほしいって頼んだのはyamaokaである。 好きな句があったのだ。 春惜しむ兎の耳の冷たさに 山田耕司さんも、この兎を気に入ってくださった。 表紙にも。 栞にも。 本文。 「澤好摩の作品集を作る」。澤好摩を偲ぶ会(二〇二三年十一月・東京)の席上で山田は来訪者の方々に、そう宣言した。 本書は、多くの読者の方々が澤好摩の作品に接することができるようにという願いから生まれたものである。最後のメール、その書かれていない本文の内容を汲み取りながら行動した結果でもある。 本書を刊行するにあたり、多くの方々からの応援の声をいただいたことへあらためて感謝申し上げたい。俳句同人誌「円錐」の仲間からのサポートもありがたいものであった。横山康夫・今泉康弘両氏は、作品および年譜の編集・校正において力を尽くしてくれた。小林恭二氏、高山れおな氏に栞文を寄せていただいたことは大きな喜びである。 澤好摩は、この書籍の中で、生きている。今は、その姿が多くの読者に届くことを祈るばかりである。 山田耕司さんの「あとがき」を抜粋して紹介した。 なお、この『澤好摩俳句集成』はふらんす堂からも購入できますが、以下のサイトからも是非ご注文ください。 有明の空蝉は木を離れしか 澤 好摩 『塚本邦雄の百首』を執筆してくださった林和清さんからご連絡をいただいた。 先日、いつも講義の資料画像などを依頼しているユニットが、インタビュー画像を作成してくれました。 「塚本邦雄の百首」について、20分ほど語っています。 もしお時間があれば、ご視聴いただければ幸いです。 9月5日に行われる梅田蔦屋書店イベント「塚本邦雄・岡井隆・寺山修司の前衛短歌運動を語る」もたくさんの申し込みをいただいているようである。 担当のPさんもさきほど、「この三冊はもう一度読み直して、イベントにのぞもう」と気合いをいれていた。 そうそう実現できるイベントじゃないから、大いに学んできてほしい。
by fragie777
| 2025-08-27 18:38
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