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3月29日(土) 旧暦3月1日
今日は花冷えの一日となった。 わたしは革ジャンを着込んで首にはマフラーを巻いて、あっちこっちと忙しくうごきまわる一日となった。 咲いているらしい桜を見る余裕もなく、遠くにみた野良猫のあとをおいかけることもできず、はじめて会う方にお別れの挨拶をしたりして、ちょっと複雑な気持ちになったりもしたのだった。 ささやかな幸せといえば、美味しいアップルパイを買って帰ったことぐらいだろうか。 今日の雨はことさらに冷たく思われた一日だった。 今日は奥坂まや著『飯島晴子の百句』より。 寂しいは寂しいですと春霰 飯島晴子 平成三年の作。前年末の検査で脳動脈瘤が見つかった晴子は、年頭に入院してクリッピング手術を受けた。手術は成功したものの、以後、亡くなるまで、後遺症が疑われる視覚の不調に悩まされることになる。物が幾つにもダブって見えると晴子から聞いた。 『儚々』の帯文にも、「相変らず興味のあるのは、〝見る〟ことと〝言葉〟」とあるが、見るのが思うに任せない事態は、さぞ不本意であったろう。「寂しいは寂しいです」は写真家の入江泰吉の言葉だと自解にあるが、これはそのまま晴子の心境でもあったと思う。(『儚々』)
by fragie777
| 2025-03-29 19:58
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