|
カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
3月11日(火) 旧暦2月12日
百舌鳥(モズ)♀。 国立・谷保にて。 うつくしい百舌鳥だった。 今日は東日本大震災の日である。 すでに14年目となる。 東日本大震災忌狼声す 高野ムツオ 当時のことはいまもなおよく覚えていて、仕事中であったわたしたちは仕事場を飛び出してしばらく駐車場に身をひそめていた。 あのときより、わたしはお風呂場の水をぬかないようにしている。 今日の毎日新聞の坪内稔典さんの「季語刻々」は、涼野海音句集『虹』より。 写真家の大きなリュック水温む 涼野海音 「この句の水辺の写真家は何を撮ろうとしているのだろうか」と坪内さん。今の時期はアマチュアの写真家によく会う、とも書かれている。思うに、今の時期は渡ってきた鳥たちの姿を写すのにその時季の最後のチャンスとなる。写真の百舌鳥にしてもそう。まだ落葉樹にとまる鳥の姿がよくみえる季節である。わたしもカメラをぶら下げながら、いつも空をみている。ああ、でもこの句は、水辺である。オタマジャクシや水辺の鳥たちを写すんだろうか。水辺の鳥たちも多くは帰ってしまう。。涼野海音さんは、「修士論文の高野素十論をボクのゼミで書いた」ともあり、坪内さんとそんなご縁もあったことを新鮮に読んだ。 「俳句」3月号で、恩田侑布子さんが、『岡本瞳全句集』をとりあげて下さっている。 タイトルは「死者と照応する愛」。たくさんの句をあげながら、情熱をもって懇切に論じておられる。 ほんのすこしだけ、抜粋をしたい。(「俳句」3月号を読まれたく) 夫愛すはうれん草の紅愛す 白玉や子のなき夫をひとり占め わが十指われにかしづく寒の入 柚子湯出て夫の遺影の前通る 雲の峰一人の家を一人発ち 抱かねば水仙の揺れやまざるよ 汗拭いて身を帆船とおもふかな 生きものに眠るあはれや竜の玉 (略)このたび、『全句集』を読了して、俳句表現史上に刻まれるべき岡本眸のピークは、最愛の夫に死なれた四十八歳から六十代後半までであることを再認識し、ある種の感動を覚えました。人間として成熟し脂の乗り切った二十年間に作品の豊穣期が重なるのは、この人らしい自然なことに思われてきたのです。(略)『岡本眸全句集』を読み進めるとき、底知れぬ感動に襲われるのは、作者が死者である夫に胸奥を照らされ励まされながら、一句一句を渾身の力で脱皮してゆくからです。そのひたすらな軌跡に胸が熱くなるのです。それは世紀を跨いで書き継がれた愛の奇蹟です。 論の最後には、恩田侑布子さん選による「岡本眸 百一句」が収録されている。そのなかで、秀句50句、名句20句に印をつけてあるのも、恩田さんの岡本眸という俳人への思いの深さがみえてくるというものである。 わたしにとっても『岡本眸全句集』を刊行することは、ひとつの夢であった。 とても好きな俳人である。 岡本眸はエッセイの名手でもあった。 『全句集』には数編のエッセイが収録されている。 それも同時に味わっていただきたい。 家のちかくの畑を闊歩していた。 もうすぐこの鶫も帰ってしまう。
by fragie777
| 2025-03-11 18:42
|
Comments(0)
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||