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1月27日(月) 旧暦12月28日
深大寺の無患子(むくろじ)の実。 この色の渋さがいい。 本堂の前に大きな無患子の木がある。 昨年この木に梟の子がとまっていた。 昨日の日付の毎日新聞の坪内稔典さんによる「季語刻々」は、中戸川由実句集『プリズムⅡ』より。 樹木医の大きな鞄日脚伸ぶ 中戸川由実 「一般的な国語事典には『日脚』はあるが、『日脚伸ぶ』はない。『伸ぶ』が文語なので現代語の国語事典にはないのか」と坪内さん。 「樹木医」というのも聞き慣れない言葉であるが、深大寺のまわりの林などを歩いていると、治療中(?)の樹木に出くわすこともある。「樹木医」と聞くと、聴診器を木肌にあてている白衣の人を想像してしまうけど、実際はちがうんだろうなあ。大きな鞄をもっているんだ、ということをこの一句で知る。 おなじく毎日新聞の坪内稔典さんによる今日の「季語刻々」は、『綾部仁喜全句集』より。 こころまづ動きて日脚伸びにけり 綾部仁喜 坪内さん、この句でも「日脚伸ぶ」の文語表記に拘っておられる。「日脚伸びる」に変えてもいいのではないか。と記し、綾部仁喜のこの一句を現代語に変えられた。「こころまず動き日脚も伸びてきた」と。う~む。どうだろうか。。 綾部先生、これを知ったらびっくされるだろうなあ、石田波郷の韻文精神を命とされた方だから。 『自句自解ベスト100 西村和子』の再版が出来上がる。 著者である西村和子さんのご要望もあってこの度再版をした。 電子書籍でも売られているのだが、やはり初心者の人にすすめるのに紙の本がよろしいということで。 初心者の方には、人気のシリーズである。 一句のみ紹介してみたい。 寒禽の取り付く小枝あやまたず 真冬の京都植物園。見るべき花もない季節なので人影はまばら。曇天の梢を眺めていると、四、五羽の雀が狙い定めたかのように、吸い着けられたように、ぱぱぱっと一つの枝に止まった。一分の狂いも揺れもない敏速な動きにびっくりした。「こうした句、自然に厳しい目をむけている花鳥諷詠派でないと理解できないかも知れない」と先生の評。少しの理解者を得れば救われる。 (『かりそめならず』平成二年) ここで記されている「先生」は、俳人・清崎敏郎のこと。 初学時代より、師・清崎敏郎のみをみつめて一途に俳句をつくって来られた西村和子さんである。 「少しの理解者を得れば救われる」の言葉は重い。 今日はお客さまがお二人いらっしゃった。 田口風子(ふうこ)さんと田口茉於さんである。 田口風子さんは、茉於さんのお母さまである。 俳句結社「若竹」(加古宗也主宰)の副主宰であり、ご自身でも「風のサロン」というご指導の場をおもちである。 今日は第三句集の句稿をご持参くださった。 第二句集『朱泥の笛』を上梓されたのが、2007年であるので、すでに17年以上が経っている。 つい最近のことのようであるが、もうそんなに時間が経ってしまったとは。 昨年お目にかかったとき、わたしが、「次の句集をご上梓なさってみては」と申し上げたことが、肩をおすかたちになったということである。 風子さんも句集をそろそろと思っていた矢先のことだったのである。 (思い切って申し上げてみて良かった)とわたしはそのお話をうかがって思ったのだった。 茉於さんは、すこし前といっても2022年に第二句集『付箋』を刊行された俳人である。 出版関係におつとめの茉於さんなので、今日はお母さまをエスコートしてこられた。 担当は文己さん。 たくさんのご本をご覧になって、二つの造本のものをお選びになった。 どちらかにすこし時間をかけてお決めになられるご様子である。 風子さんの傍らで終始ニコニコとして適宜アドバイスをされる茉於さんである。 一ヶ月に一度はあってともに俳句をつくられるという。 田口風子さん(右)と茉於さん。 今回の句集のタイトルは「雀色どき」。 素敵な句集名である。 思うに、前句集の「朱泥の笛」といい、今回「雀色どき」といい、色を感じさせるタイトルである。 しかも深い味わいのある色を呼び起こす。
by fragie777
| 2025-01-27 19:07
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