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1月11日(土) 旧暦12月12日
井の頭公園の曙杉。 ひさしぶりに井之頭公園に行く。 すごい人出である。 ついでに吉祥寺で遊んできてしまう。 こちらもすごい人出であった。 よく晴れた日の井の頭公園は、いま寒木がすがすがしい。 池には、いろんな水鳥が浮かんでいた。 今日は、田中裕明・森賀まり共著『癒しの一句』より、今日の日付のもの。 田中裕明さんの鑑賞である。 浮寝鳥海風は息ながきかな 福永耕二 浮寝鳥とは水鳥のこと。鴨や鳰、鷗など水に浮かぶ鳥をこう呼ぶ。「浪高しいかに梶とり水鳥の浮寝やすべきなほや漕ぐべき」という読み人知らずの歌が万葉集にある。浮寝は「憂き寝」に通じ、水に浮かぶような不安な気持ちを表していたのだろうか。時代が下がって俳句では単純に波間に見える鴨などの姿を指すだけになった。とは言え日本語は古い記憶をまだ曳きずっていて、この句など浮寝鳥などに不安な自分の気持ちを託しているとみてよいだろう。作者は海岸で水鳥の群れが風に吹かれているのをながめて、その群れの中に自分を見い出した。古代から現代まで続く、人間の本質的な不安である。それにたいして「うみ―かぜ―はーいき―ながきーかな」というゆっくりとしたリズムが救いをもたらしている。鋭い観察と緩和のコントラストでもある。句集『踏火(とうか)』所収。昭和51年、作者三〇代後半の作。 福永耕二は昭和一三年(1938)鹿児島生まれ。新鮮な感覚と若々しい抒情を自由奔放な言葉で詠った。「新宿ははるかなる墓碑鳥渡る」などが代表句とされる。昭和五五年、42歳の若さで逝去。(浮寝鳥・冬) 田中裕明さんにも浮寝鳥の句がいろいろとある。 そのうちの一つ。 浮寝鳥会社の車帰しけり 裕 明 鳰。
by fragie777
| 2025-01-11 22:00
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