11月8日(水)
写真は月に一度は会う犬。なんだか切ない顔をしていて、どうしても声をかけてしまう。
私は小学生のときに、朝礼の校庭で犬に追いかけられたことがあり、それも全校生徒の前で!それ以来犬が苦手。家でも犬を飼っていたけれど怖くて触れなかった。そのときは泣きながら一人で校庭を逃げまどったのであるが、誰も助けてくれなかった。校舎に飛び込んでどうにか犬があきらめたのだ。こっちは必死だったが、犬はじゃれているつもりだったらしい。みんな笑ってた。兄も友達と笑ってた…。ゆ、ゆるせない…。その後ヒドイいじめにあったけれど、私はそれを乗り越えて強く明るく生きてきましたのよ、オホホホッ、というのは嘘です。全校生徒の前でそんな屈辱的なことがあったにもかかわらず、その後はべつにいじめにも会わなかった。呑気でそこそこ楽しい小学生生活をおくったのだった。保健室のベッドで一時間ほどやすんで、あとは教室にもどり、先生に「大丈夫?」て聞かれ「はい」って返事をしてそれでおしまい。いい時代だったのかもしれない。あるいは何かあったのかもしれないが、持ち前の能天気さで何も感じなかったのかも…。(そ、その方がコワイ?…)
最近の小社の新刊に『狐の顔(フォックスフェイス)』という詩集がある。名古屋在住の滝沢和枝さんという女性の詩人である。突然電話をいただいて詩集をおつくりすることになった。聞けば、俳人の武馬久仁裕氏よりの紹介であるという。武馬さんは坪内稔典さんが代表をつとめる「船団」に所属しておられ、ずっとむかし一度だけお会いしたことのある方だ。「ふらんす堂がいいと思う」と推薦してくださったのである。どんなお顔の方かも忘れていたほど、お目にかかったのはずっとむかしのこと。でも、そんなお気持ちが嬉しくないわけはない。ええもちろん、頑張って良い詩集にさせていただきました。その武馬さんに突然お目にかかる機会があった。少し前の「摂津幸彦さんの会」でのことである。あちらから声をかけてきて下さった。(あら、こんなジェントルマンだったのね)と思いながら再会を喜んだのである。その武馬さんが「船団」ホームページの「週間ブックレヴュー」で『狐の顔』をとりあげて下さっている。
e船団のホームページ
装丁家の北見俊一氏に今度は句集の装丁を依頼した。「海程」(金子兜太主宰)同人の三井絹枝さんの句集である。句集名は『狐に礼』。明日その装丁がとどくことになった。すごくワクワク、そしてちょっぴりドキドキしている。