10月30日(月)
今日は大越智のぶ枝さんの句集『小夜の雨』の代送があり、ふらんす堂は本と送り袋と人間とこもごもでごった返していたのであるが、そのいろんなものがひしめくなかでふっと目にはいってきたのが、写真のハサミ(下のもの)である。ふらんす堂内にあるハサミの情報についてはおおかたは知っているので、こんな様相のハサミがあるとは知らず、「あら、きれいなハサミ、どうしたの?」思わず聞くと、松田聡子が「あ、それ、この間ハラジマ(近くの文房具屋さん)のサービス券がたまったのでそれで買ったんです」と言う。「へえー、こんな美しいハサミを売ってたの?」と、わたしはつくづくと見入ってしまう。どうでしょう? 美しさが写真で分かります? このハサミのシャープにしてエレガントな様相を…。取っ手のところは透き通っていて、まんなかのねじにあたる部分にとうめいな紫色のまるいカバーがかけられていて、あとは銀色のステンレスがつつましやかな光をはなち、手にもつと優しい手ごたえでとても軽い。重さというものを極力感じさせないようなしつらえで、机のうえに置かれたこのハサミは今にも飛び立ちそうというのはいささかオーバーではあるが、刃先の部分がながくたいへんスマート。「どこが有名なところのつくりらしいです」と松田が言うので、先の部分を目をこらしてみると「J.A.HENCKELS」と彫られている、(まあ、ヘンケルじゃない!)「これいくらだったの?」ときけば、「600円」とのこと。しかもサービス券で買ったので、お金はかかっていないのである。やったね!松田さん!思わず私も欲しい…っておもったが、わが愛用のハサミは200円の小学生の図画工作用のもの(上のもの)。これが重宝しているので、わたしはこれで我慢…。
今日はもう一人の新しい学生バイトさんがやってきた。名前は松浦由里子さん、20歳とのこと。仙川にある白百合女子大学の学生さんで、加藤泰子とおなじ京王線の国領に住んでいる。しかし、やはり若い! 自転車で急坂を上ってやってきた。「何分かかったの?」と聞けば、「28分です」と大きな目をキラキラさせて答えたのだった。