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10月27日(日) 旧暦9月25日
深大寺のガマズミの実。 秋晴れの気持ちの良い一日となった。 今日は深大寺にて、「鶴」主宰の鈴木しげを氏の句碑の除幕式が午前9時半より行われる。 深大寺は家から歩いていける近さである。 わたしは自転車にのってむかう。 深大寺正門。 深大寺には、虚子、草田男、爽雨をはじめたくさんの句碑がたてられているが、深大寺奥の開山堂の一角には、石田波郷、星野麦丘人の句碑が並んで建てられている。 波郷のお墓も深大寺にある。 開山堂は深大寺の境内のなかでも奥まったところの静かなところである。 石田波郷の句碑。 向かって右奥に星野麥丘人の句碑がある。 波郷の句碑の後方に白い布がかぶせられているのが、鈴木しげを氏の句碑。 師弟句碑としての紹介がある。 吹き起る秋風鶴を歩ましむ 石田波郷 草や木や十一月の深大寺 星野麥丘人 みそさざい天平よりの湧き水に 鈴木しげを 今日は「鶴」に所属されている俳人の方々やご来賓の方々がたくさん見えられていた。 幕を除くまえに、深大寺のご住職よりのお経と法話がある。 そのお経のなかに、「鶴」の俳句精神が読み込められていたのに驚く。 花鳥諷詠にあらず、境涯俳句をめざし、韻文精神に徹する、という内容がお経としてあげられたのだった。 いよいよ除幕である。 除幕をする方々は、鈴木しげを氏のご長男、ご長女、お孫さんの三人のお方。 句碑が現れた。 ご挨拶をされる鈴木しげを氏。 皆さまへの感謝と、深大寺ご住職への感謝をされつつ、 「20歳より俳句をつくってきました。60年経ちましたが、そのご褒美としての句碑の建立と思います。わたしの句は「みそさざい」を詠んでいますが、漢字で「三十三才」と書きます。冬の鳥です。いつまでの三十三才の心意気でこれからも励んでいきたいと思います。」とご挨拶をされたのだった。 句碑のかたわらに立つ鈴木しげを氏。 俳誌「鶴」は、この八月号をもって創刊950号を迎えられたという。 その記念としての句碑の建立でもある。 鈴木しげを主宰、「鶴」の皆さま。 「鶴」創刊950号、そして主宰の句碑建立、まことにおめでとうございます。 こころよりお祝いをもうしあげます。 今日の朝日新聞の岸本尚毅さんによる「俳句時評」は、「二人の超ベテラン」と題して、宇多喜代子句集『雨の日』と矢島渚男句集『何をしに』をとりあげている。抜粋して紹介したい。 宇多喜代子句集『雨の日』より。 (略)一九三五年の作者は句歴七十年。〈杖一歩わが脚一歩薫風裡〉からも察せられるが、「体調を崩してしまい、存分な心身で句作に向かうことがむつかしくなりました」(あとがき)という。そんな状態から生まれる作品は平淡でありつつ、生の深淵を見せてくれる。 冬日和この世の老婆溶けさうに 自身のことを「この世の老婆」と詠んだ。「日向ぼこ」だと甘いが、「冬日和」だと突き放した感じがする。(略) 宇多と同年生の矢島渚男の「何をしに」にこんな句があった。 人類は涼しきコンピューター遺す 句に添えて、完璧なAIが人類を滅ぼす可能性があるとのホーキング博士の言葉を引いている。人類が滅びたとき、その遺産は「涼しきコンピューター」なのだ。「涼し」という季語は、〈涼しさやほの三か月の羽黒山 芭蕉〉のように使われる。風雅の極みである「涼し」を、AIの進化がもたらす荒涼とした未来像にあてはめたのは、強烈な皮肉か。 宇多の透徹した日常吟と、矢島のしたたかな俳諧精神。両者とも超ベテラン俳人である。両者とも超ベテラン俳人である。 今日は、昨年詩集『『輾転反側する鱏たちへの挽歌のために』を刊行された詩人の高柳誠さんのイベントがあり、担当編集者だった文己さんがお手伝いに行っている。 「満員御礼」と先ほど文己さんから連絡が入った。 明日はそのイベントについても紹介をたい。
by fragie777
| 2024-10-27 19:50
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