|
カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
10月24日(木) 旧暦9月22日
秋海棠(しゅうかいどう) ひっそりとしたところに咲く花であるが、色はまことに鮮やか。 よくみると愛らしい花である。 秋海棠といふ名も母に教はりし 石田郷子 髙柳克弘著『芭蕉の一句』8月20日付けのものより。 秋海棠(しうかいだう)西瓜(すいくわ)の色に咲きにけり 松尾芭蕉 『東西夜話』 秋海棠の花の淡いピンク色は、西瓜の実の色を思わせる、という句意。秋海棠と西瓜、一見何の関わりもない二つが、色合いの似ていることをきっかけに結びつき、初秋の清らかな季節感を演出している。秋海棠の原産は中国で、日本へは寛永年間に長崎に渡来、西瓜もほぼ同時期に舶来しており、新奇な素材ふたつを取合せた清新さも見所である。『東西夜話』によれば、芭蕉は秋海棠があまり句に詠まれないものであることを指摘しつつ、「誠に花の色は洗はば落ぬべき也」とその風情を評したという。季語=秋海棠(秋) 「糸がみえるんですけど」と、本の製本のことでよく尋ねられることがあります。 で、製本についてすこし説明をさせていただきます。 ふらんす堂の場合、ハードカバー装(上製本)は、基本的にかがり製本となっています。 かがり製本とは、 「本の背の部分を糸を用いて綴じていく製本方法です。 糸で綴じた後下固めとして接着剤が塗布されます。 用紙の種類、連量、判型、束厚などによって、最適な綴じ糸の太さや糸質を選択することで仕上りを丈夫にすることができるので、長い期間繰り返し使う辞書や教本などページ数が多いハードカバーの書籍に多く用いられます。」 とあるように、丁寧につくられた丈夫な製本なのです。 帳合によって時に糸がみえることもありますが、それはかがり製本ゆえの味(?)としてわたしは好ましく思っております。 ただ、かがり製本は、あじろ製本や無線とじにくらべて手間暇がかかるゆえに製本費用もコスト高なのです。 そういうことから最近はアジロ製本の上製本もよく見られるようになりましたが、かがり製本にくらべて本の開きがやばり悪いです。 (これは気づかない人の方が多いかもしれません。本作りをする人間にとっては気になります) 製本知識については、多くのお客さまが詳しいことはご存じないので、よく「糸が見える」とか「開きすぎ」とかの苦情をいただくことがあるのですが、それはかがり製本という丁寧な製本ゆえのこととして、わかっていただくようにしております。 最近つくった本で、仮フランス装のカバー掛けの本があるのですが、本の開きがよいようにそして丈夫な仕上がりとなるようにかがり製本にしてもらいました。 この本の開きについては、「本がパタンと閉じてしまわなくて良い」というお客さまが多かったのですが、「本が開きすぎる」というお客さまもおられて、正直驚いたのでした。本はすっきりと開いてこそ、という思いがあってこれまで本作りをしてきましたたので、そういうご意見もあるのかと思ったのでした。 ただ、分かっていただきたいのは、かがり製本は丈夫な耐久性のある製本であること。だから本が開きやすいこともメリットであるということです。 本をつくる側にとっては常識であることも、そうではないことを知り、もっと本について分かっていただくことが大事なんだということをおもった次第です。。 実は今日は、貴族社会(?)の女性が着るようなブラウス、刺繍やらビーズやらレースやらがほどこされ、袖はえらくふくらんで、裾はレース遣いのふわーっとひらいて、いったいドンダケーっていうそういうブラウスを着て仕事場へやってきた。 このブラウス着るのが2回目。(ずっとクローゼットにぶら下がっていて、手に取ってはやめたりして) yamaoka ご乱心!って思われるようなヤツなんだけど、下はジーンズにして軽やかに仕上げた(と自分では思っている) 白い木綿なので、ひらひらと乙女チックであるが、ゴージャスまではいかない。 それを着てすまして仕事をしていた。 「可愛いブラウス着てますね」ってスタッフに言われた。 「あら、そう! うれしい。ちょっと勇気がいったんだけど」 「可愛いですよ」と他のスタッフも言う。 やったね。 すげー、気をよくしたyamaokaであった。 (よく考えればブラウスが可愛いのであって……まっ、いいか) ブローチもつけた。 薔薇のやつ。 実は、何十年もむかし、川崎展宏先生からいただいたもの。 句集『観音』(1982年・牧羊社刊)の担当編集者だったとき、このときわたしは第二子がお腹にいて、しかも切迫流産で二週間くらい絶対安静で、展宏先生にはご迷惑をおかけしたのである。そんな情況であったにもかかわらず、本は無事に刊行することができ、その御礼にと(ご迷惑をおかけしたのに)、いただいたもの。 「女房と娘に買ったときについでに…」と恥ずかしそうにおっしゃってくださったのだが、そういう文脈のブローチであるということもうれしかった。 一年に一度か二度はかならずつけるようにしている。 その度に展宏先生のことを思う。 秋海棠の花ことごとく雨雫 川崎展宏 紹介しちゃった。 ブローチはもうすこし明るいピンク色。 ブラウスによく合っているでしょ。、 (わたしの顔は想像しないで欲しいけど)
by fragie777
| 2024-10-24 18:21
|
Comments(0)
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||