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10月8日(火) 旧暦9月6日
今日は雨降りだったけれど、あえて歩いて仕事場へ。 二つの選択肢がある場合、わたしは楽でない方を選ぶことにしている。(エッヘン) というのは、真っ赤な嘘で、いつも楽な方ばかりをえらんでしまうのね。 あえてシンドイ方をえらぶこともまま気が向けばあるけど、めったにない。 今日は、きっと気が向いたんだろう。。。 雨雫の美しさにしばしウットリ。(歩くとこういう良きこともある) 仕事場についたときはすぶ濡れ。 仕事場ではバランスボールに空気を入れた。 ちょっとへたった感じだったのだけれど、空気をいれたらけっこうシャンとした。 (yamaokaも頑張れよな…)ってピョンと乗って自分に気合いをいれる。 新刊紹介をしたい。 四六判ソフトカバー装帯有り 226頁 二句組 著者の遠藤勲(えんどう・いさお)さんは、1940年東京台東区生まれ、現在は国分寺市在住。工学博士でいらっしゃって立派な略歴をお持ちの方であるが、ここでは、句歴を紹介したい。2008年6月「天為」(有馬朗人主宰)東京例会に入会、2012年4月学士会「草樹会」入会、2013年9月「天為」同人。2021年「天晴」(津久井紀代代表)入会。現在「天晴れ」同人。本句集は第1句集であり、津久井紀代代表が序文を寄せている。抜粋して紹介したい。 フレームの中でくつろぐ冬の蝶 遠藤さんの代表句である。 この中には遠藤さんのすべてが描かれていると思う。 冬の蝶はさしずめ遠藤さん自身であろう。「くつろぐ」という措辞には来し方の「思い」がいっぱい詰まっているのである。(略) 『助六』は遠藤勲さんの第一句集である。二〇〇八年から二〇二四年までの三百八十五句が収められている。(略) 遠藤さんは浅草生まれ、浅草育ちの江戸っ子である。 どこか粋で、スマートで、紳士で、「男に二言なし」というタイプである。それでいてどこか人懐っこくて、朗らかで頓智が面白くて、我々の句会を盛り上げてくれている。 友達と集ふ浅草花満開 浅草や人の壁なす酉の市 熊手市屋台に匂ふアセチレン 羽子板の助六がゆく花川戸 題名を「助六」としたことも宜なるかなである。遠藤さんの俳句には一貫してこの幼年期を過ごした下町の風景が根っこにある。 俳句をはじめられたのは、有馬朗人氏との出会いによるものであり、有馬氏にすすめられ、その「天為」の句会で津久井紀代氏とお会いし、現在は「天晴」で学ばれておられる遠藤勲さんである。 本句集の担当は文己さん。 道草をすぐに覚えて新入生 風船を持ちて寝る子の重さかな 海老天をさくと食べれば天高し 豆撒きの声が街角まがりけり 道草をすぐに覚えて新入生 序文で津久井紀代代表も触れている一句である。「子供の句に佳句が多い」と書かれ、その一句にあげている。この「新入生」は多分小学生だろうか、ランドセルを背負ってあれこれとダラダラ歩きながら、面白いことへ興味津々である。しかし、こんな光景が詠めるのは平和な社会であるからこそ、犯罪が多い国などは、学校までの送り迎えを親が車でする。少子化へと向かっている日本においても、こういう長閑な風景は失われていくのかもしれない。子どもたちが道草しながら冒険ができる世の中ではありたいと思う。道草といえば、わたしは小学校のとき、途上にある農業高校へ寄って、豚や羊の子どもたちを眺め給食のパンの残りをやったりした覚えがある。すごい匂いがして、いまでも甦ってくるくらい。新入生ならずとも「道草」っていろんな局面で素敵だとわたしは思う。今朝、わたしも雨粒をうっとり眺めたりして道草をしたわ。効率ばかりを最優先したら、息苦しくなってしまう。そうは思いません? 海老天をさくと食べれば天高し とても気持ちの良い句。そしてなんて美味しそうな「海老天」なんだろう。この句にふれて「海老天」を食べたくなった。この「さく」という音、衣がからっと揚がって、海老本体はプチッと歯ごたえがあって、噛みしめればほんわか甘い、ああ、美味しそう。「天高し」の季語、「海老天」の「天」と「天高し」の天が一句に効果的に響き、「天高し」が飲食のいとなみを清々しく祝福してくれるようだ。 呟ける妻の背中や春浅し 序文で、「遠藤さんの俳句には家族を詠んだものが多い。特に奥さんを詠んだ句には愛情あふれるものがある」と書かれていて、掲句は〈夏来る糊のききたる割烹着〉〈秋めくやハミング聴こゆる厨かな〉などの句とともにあげておられるなかの一句。掲句は妻を見る視線が面白い。背中が呟いているというのである。呟きの内容ははっきりとは聞き取れない。しかし、呟いていることは背中が語っている。「春浅し」の季節ゆえに、妻のつぶやきもうちに籠もったようにきこえて来る。もう少し暖かくなったら、きっと妻はこちらを向いて、晴れやかに話しかけてくるかもしれない、それを待とう。そんな感触を思う一句だ。 鬼やんま中央線と競ひけり 面白い一句である。中央線は東京駅から出発して新宿をとおり八王子方面へ向かう電車だ。快速や特別快速しかない高速の電車である。その電車と速さを競うとしたら、これはもう鬼やんましかいないだろう。誰も異論を挟めない。この一句は、「鬼やんま」へのオマージュでもある。そして実景でもあるのだろう。中央線と競っているヤンマを見たのだ。「中央線」と具体的な線名を詠み込んだことによって更に効果的になった。「中央線」を知らない人もいるって? 知らなくっても、「中央線」よ、中央をつっぱしる電車である。速いことまちがいなし。鬼やんまに選ばれた中央線は光栄である。 綿虫を煙のやうに吐く民家 「綿虫」をこんな風に詠んだ句は知らない。たくさんの綿虫が飛んでいたのだろう。自然豊かなところにある民家だろうか。「煙のやうに」が面白い。綿虫であればこそわかるけれど、いやなかなかこんな風景にはお目にかからないかもしれないが、実景として納得できる一句だ。「民家」から煙のように吐かれる「綿虫」を一度見てみたいと思う。「綿虫」という季語の枠をひろげた一句とも。 スタッフの幸香さんは、〈天辺に巣のあるらしき大欅〉に特に惹かれました。 俳句を始めてから十六年が経った。有馬朗人先生が武蔵大学学園長でいらっしゃった時、先生のご推挙により二〇〇三年から五年間埼玉県産業技術総合センターの総長を務めた。 退官の折、ご挨拶に伺ったところ俳句を勧められ、俳句の道に入った。 早速、有馬先生主宰の「天為」に入り、先生の元でひたすら俳句道に邁進し、その後同人になった。 理系の学徒であった小生にとって、俳句は難解であり奥深いと感じた。ともあれ小西甚一著『俳句の世界』、加藤楸邨著『芭蕉全句』、尾形仂著『芭蕉・蕪村』等を乱読した。句会の先輩である荒尾保一氏の勧めで学士会「草樹会」に入会した。その後、有馬先生が逝去され、津久井紀代先生が主宰された「天晴」に加入した。 句集題「助六」は、好きな歌舞伎の演目であること、浅草で助六の屋号を受け継いでいる中学の同級生がいたことによるものである。 「あとがき」を抜粋して紹介した。 本句集の装釘は君嶋真理子さん。 装画は、遠藤さんのお孫さんの今村友音さんと娘さんの今村香里さんのお二人による合作のもの。 なんとも楽しい装画である。 余談であるが、俳人の大木あまりさんが電話をくださって、この「助六」をとても気に入ったということ。 「悪ガキみたいでさ、わたしこういう子どもがほしかったのよ」とあまりさん。 思わず大笑いをしてしまった。 表紙にも。 扉。 げに我は逃げ水を追ふ漢かな 滑稽句の代表である。 どこかおかしくてどこかまじめで、正直で、どこか泣けてくる、それが遠藤さんなのである。(津久井紀代/序) 遠藤勲さん。津久井紀代代表(後列右)、遠藤侑子夫人。 ことしの6月26日にご来社のときのもの。 遠藤勲さま 第一句集のご上梓おめでとうございます。 ご家族の方々の御協力によって、素敵な1冊となりました。 更なるご健勝を、そしてご健吟をお祈り申し上げております。 たたら踏み光の春を待ちにけり 遠藤 勲
by fragie777
| 2024-10-08 20:25
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