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9月17日(火) 玄長去(つばめさる) 十五夜 旧暦8月15日
松宵草(まつよいぐさ) お知らせがひとつ。 「ふらんす堂通信」が電子書籍になりました! ふらんす堂通信電子書籍(Amazon Kindle)のリンクです。 その他サイトでも多数配信中です! 9月14日(土)に行われた「篠創刊40周年」(辻村麻乃主宰)のお祝いの会について、紹介をしておきたい。 出席したスタッフPさんのレポートです。 * 9月14日土曜日11時30分より、新宿京王プラザホテル南館4階扇の間にて、「篠」創刊四十周年祈念祝賀会が華やかに開催されました。 この日の記念として、またご来賓の方々のお土産として、『岡田史乃の百句』を弊社で刊行させて頂きました。 ご挨拶をされる辻村麻乃主宰 暑さが残るなか、お集まりいただいてありがとうございます。 岡田史乃が存命中のころには5年ごとくらいには祝賀会を催して参りましたが、晩年は入退院を繰り返していたのでなかなかできないままに、5年前に他界してしまいました。 そのため、こういった会は15年振りになります。 母の意思を継いで主宰を継承してからは5年が経ちました。会員のみなさまや家族の協力があってこそだと感謝しております。 命は有限で悲しい別れもありますけれど、俳句は生きている瞬間を十七音に残すことができるものだと信じております。 昔の句を詠んでも鑑賞によってリアリティのある映像に蘇って参ります。 みなさまの瞬間を詠み込んだ俳句に真摯に向き合うとともに、自らも今を刻んでいきたいと思います。 まだまだ力不足な点がありますが、これからも来賓のみなさまからのご指導ご鞭撻、「篠」一同ともに、精進していく所存です。どうか「篠」をこれからもよろしくお願いいたします。
ご来賓の一部の方々とのお写真 『岡田史乃の百句』については、14日づけのブログ「編集日記」でもすこしご紹介をした。 美しい一冊をもう少しご紹介をしておきたい。 装釘は君嶋真理子さん。 四六判変形ソフトカバー装クータバインディング製本 218頁 帯は高橋睦郎氏。 「生きることは悲しく、そのゆえにこそ美しい、、と改めて教えられる史乃さんの句であり、麻乃さんの読みだ」と。 こうして、四冊を改めて紐解いてみると(母娘癒着型であったので)母の句を読むことは自分を読み解くことにも繋がるとわかった。これからはここから飛翔して、この想像力を様々な方の句の鑑賞に生かして行きたいと思う。 「あとがき」を紹介した。 本書より、 去年今年詩人籠れる鍵の内 『浮いてこい』 その詩人、美術評論家、大学教授でもあった岡田隆彦は夜型で、部屋にこもって原稿を書いていた。ピアノを弾けるのは、父が起きている時間のみ。父はFENを聴きながら、ウイスキーと氷砂糖を横に軍手の指を切ったものを嵌め、専用の原稿用紙に万年筆という執筆スタイル。父自身の気分転換の時間に全米トップチャートのロックを教えてくれたり、自作の本の栞に猫の絵を描いて、私の部屋のドアの隙間から差し込んできたりするお茶目な面もあった。当たられることが多かった母は、私と父が仲良くすると機嫌を損ねることもあった。全ては懐かしい思い出である。去年今年が二年分の振り返りではなく去年から今年に変わる時のことだと岡田史乃が力説していたことは会員の皆さんの記憶に残っているだろう。 スプーンをくもらせてゆく春苺 『弥勒』 私は一人っ子だったせいか、食も細くいつものろのろと食事をしていた。なのでスプーンを凝視することも多く、この句は本当に共感できた。冷蔵庫に入れてあったのか、買った苺は冷たい。それをスプーンで潰そうとしたときに曇っていく瞬間を詠んだのであろう。果物が大好きだったので、私は練乳をかけるのが嫌で手で摘んでいた。しかし、母や祖母は苺には練乳、グレープフルーツには砂糖と必ずスプーンを使っていた。こう書いていると祖母宅でメロンなど色々な果物を出されたあの空間を思い出す。俳句はまさに瞬間を封じ込めるものだと言える。 金魚売突然大きな顔となる 『弥勒』 子ども部屋で金魚を飼っていた記憶があるので、お祭りだけでなく当時の赤坂に来ていた金魚屋さんからも購入していたのかもしれない。私の記憶では軽トラの荷台をお店のようにして風鈴や金魚玉などガラス製品を売りながら、ゆっくり移動していたと思う。「いらっしゃい」と言いながら金魚鉢越しに見てくるおじさんの顔がレンズの効果で大きくなって見えたのだろう。それをこういう十七音にすると恐ろしいような魔法の言葉となって蘇る。こんな句が詠めたらと今でも願う。 人間の子供のやうな芋の露 『ピカソの壺』 『ピカソの壺』が上梓された後に新聞に取り上げて頂いた句である。芋の葉の露は丸くころんとして光を孕む。それを「人間の子供」に喩えたところに作者の手柄がある。簡明な表現ながら、なんとなく嬉しい気持ちにさせてくれる句である。 本書は、初句索引、季語索引付きである。 俳人・岡田史乃の魅力ある俳句に出会える「岡田史乃の百句』となった。 辻村麻乃さま、篠のみなさま、40周年まことにおめでとうございます。 さらに50年60年へむけて、ご健吟・ご発展をお祈り申し上げます。 十五夜に一旦帰京いたします 岡田史乃 今日は仲秋の名月ということで、董振華さんが、月餅をもってご来社くださった。 共同通信発信の新聞にインタビュー記事が掲載されたこともお知らせくださった。 「日中友好に心血注ぐ」という見出しで董さんの写真があり、これまでの刊行書籍4冊の書影がある。 ふらんす堂から上梓した句集『聊楽』 『静涵』とともに『語りたい兜太、伝えたい兜太』、『語りたい龍太、伝えたい龍太』の二冊。いまは「語りたい俳人」と題してのインタビューをいろんな俳人に試みている。いずれ一冊になる予定である。 金子(兜太)さんと黒田(杏子)さんの俳句を翻訳して中国で出版し、自身の句集には中国語訳も載せた。中国や日本の友人たちとの通信句会「聊楽句会」も運営。日中を結ぶその営みは、俳句界で異彩を放つ。「『俳句による日中友好は君にしかできない』という金子先生の言葉を裏切ることはできません」 という記事でしめられている。 董振華さん 実はわたし、今日が仲秋の名月だってこと、知らなかった。 董振華さんからおみやげの「月餅」をいただいて、スタッフのPさんが、「おお、仲秋の名月ですね!」って言って、 おお、そうか!とあらためて。 帰りにはお月さまをみながら帰ろう。 知らなかったわりには、 今日のわたしは、なんというか、 黄色の麻シャツを着ている。 満月にもまけないくらいの黄色なのね。 ちょっとお見せしちゃうわ。。。 あはっ。。。
by fragie777
| 2024-09-17 19:22
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Comments(2)
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