ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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五七五という限られた詩形の中に、切り取られた一瞬一瞬を、季語を中心に表現するという俳句に魅せられて、これまで続けてきました。

9月11日(水)  旧暦8月9日


五七五という限られた詩形の中に、切り取られた一瞬一瞬を、季語を中心に表現するという俳句に魅せられて、これまで続けてきました。_f0071480_16134998.jpg
木肌に日がさしていた。

よく見ると文字のようにも絵のようにもみえる。

わたしへの伝言?
っておもって足をとめた。



五七五という限られた詩形の中に、切り取られた一瞬一瞬を、季語を中心に表現するという俳句に魅せられて、これまで続けてきました。_f0071480_16135211.jpg
そんなわけないか。。。。





今日は平畑靜塔の忌日である。1997年9月11日に亡くなった。27年経つ。

五島高資著『平畑靜塔の百句』より、百番目の句。

 金星の大き松山虫小声   平畑靜塔

『竹柏』平成6年より。
この句が詠まれた平成六年は、十月二日に宵の明星がマイナス四・七九等級という最大光度となり、月に次ぐ明るい天体として輝いたと記録されている。静塔は、西にある松山の上にそれを眺めたのだろう。陰暦では八月二十七日にあたる。金星の明るさに圧倒されて、虫の声も小さく聞こえたのかもしれない。
この年は、アメリカ航空宇宙局が打ち上げた金星探査機マゼランがその地表の地形を明らかにした後に、金星大気に突入して任務を終えている。改めて深大なる宇宙を実感させられると、虫の声と同じく人間世界の大事も些細に感じられる。


米不足が心配されている。
スタッフのPさんは、秋田に住んでいる友人からお米を直接購入している。
「玄米」を買っているらしいけど、すごく美味しいらしい。
友人Tちゃんは中学時代の悪友であるが、秋田に行って米作りをしている。
わたしもTちゃんのお米を買うことにした。





新刊紹介をしたい。

田中京句集『十一月の光(じゅういちがつのひかり)』



五七五という限られた詩形の中に、切り取られた一瞬一瞬を、季語を中心に表現するという俳句に魅せられて、これまで続けてきました。_f0071480_16140333.jpg
四六判ハードカバー装帯有り 268頁 二句組


著者の田中京(たなか・きょう)さんは、1949年東京生まれ、現在や東京・世田谷区在住。1968年に東京女子大の俳句研究会に入会し、山口青邨の指導をうける。1975年「夏草」入会。1988年、青邨没後「夏草」終刊、その後「屋根」「藍生」に入会。2008年「藍生」退会。2013年「未来図」に入会、鍵和田秞子に師事。20919年「未来図」同人。2020年「未来図」終刊、2021年「閏」創刊同人。俳人協会会員。本句集は第1句集であり、守屋明俊「閏」代表が序文を寄せている。
守屋明俊代表は、50年にもおよぶ田中京さんの俳句人生を丹念に紹介しながら序文を記している。「自然と真っ直ぐに向き合い季節の中の一瞬を描き取ることを句作の信条として、今日に至っている。」と、はじめに語る。懇切にかかれた序文より一部のみ抜粋して紹介したい。

 暗渠より出でて光の冬の川
 けものみち多き世田谷名草の芽
 春や銀輪風にプリーツひるがへる
 天高しタオル干すにも色に順
 シンボルの一樹湖畔の山毛欅黄葉

以上、「閏」誌から引用した。句の素材が多様で、自然詠、身辺詠、境涯的な句を問わず、きちんと対象と向き合い、よく観察しよく感じ取っている。モ
ノを見せ、モノに語らせているのが強い。季語の用い方も自然で、読んでいて心地よい。

本句集のはじめの方に〈確かなる胎動ありて秋高し〉という句がおかれ、〈孫七人どの子にも会ふ夏休み〉という句がおしまいの方にあって、この句集がやどす歳月の長さに驚くのである。そうして生活のいとなみのなかで俳句を作りつづけてこられた、ということにも驚く。

本句集の担当は、Pさん。好きな句をあげてもらった。

 朝市の赤き棗に人の声
 新茶来る空のゆたかにあをき時
 翡翠の向きを変ふれば冬の色
 梅雨の森降り初め土の匂ひ出す
 ひと回りして夕顔の実のほとり
 日々ひとつ良きこと見つけ草の花
 小綬鶏に呼ばれ明るき林へと


 朝市の赤き棗に人の声

田中京さんが、青邨指導の「白塔会」に出席し、青邨選にはじめてはいった句である。学生のときの初心の句であるとおもうが、わたしも好きな句である。はじめからセンスがおありだったのか、上手な句だと思う。朝市の風景であるが、棗の赤に焦点をしぼり、そして下五に「人の声」をおいた。「人の声」とおくことで、朝市を飛び買う人間の声がみえてくる。視覚から聴覚へのはこびも巧みである。賑やかとか説明はなにもしていないけれど溌剌とした朝市の風景がみえてくる一句だ。「朝市」と「赤き棗」のア音の頭韻が、読手のこころを明るくひろげてくれるようだ。

 ひと回りして夕顔の実のほとり

作者の田中京さんも自選に選んでおられる一句である。「夕顔の実」を詠んだ一句であるが、どう詠んだかといえば、その周りを一周したということを詠んだのみである。なんとも説明がむづかしい一句で、しかしとてもわかりやすい一句だ。散歩にでも行ったのか、ともかくひと回りしたのである。そのことについては、何の説明もない。そして、戻ったところが「夕顔の実」の「ほとり」であったということ。「ほとり」と記すことで、「夕顔の実」の磁場を感じさせ、その存在感の大きさをも思わせる。人間はうごきまわるだけで、「夕顔の実」は重力をもって動かざるものとして存在している。つまりは、「夕顔の実」へのオマージュであるのだ。〈朝顔のひとつひらきて満ち足りぬ〉という句もあって、植物と作者との関係性がみえてきて面白い。

 立春に降りしもの雪とみどりごと

驚いた一句である。守屋代表も序文で鑑賞をしておられ、「「雪とみどりご」が立春に降ったことを愛でたいと詠む」と。わたしは、自身の子どもをさずかったことを「降りしもの」と詠んだことに新鮮な驚きをおぼえた。立春の雪も驚きであるが、それ以上にみどりごを得たことのよろこびが立春の雪とひびきあって、祝福の音楽がきこえてくるようだ。校正スタッフのみおさんも好きな一句としてあげている。「清らかな色彩が句にあふれていて、一生に一度しか詠めない句だなあと感じました」ほんとうに、清らかな色彩。

 子供らに楽しき箱や冷蔵庫

季語「冷蔵庫」を詠んだ一句だ。この句のまえに〈吾子三人並びて眠る寝茣蓙かな〉という句があって、この子供らはきっと三人のお子さんのことだろう。入れ替わり立ち替わりやってきては、冷蔵庫のなかを覗いていく。子どもたちにとっては美味しくてわくわくするようなものが並んでいる素晴らしい冷蔵庫だったのだろう。幸せな子どもたち。大人であるわたしは、冷蔵庫を「楽しき箱」とはちょっと思わない、すぐれた機能性にみちた箱ではあるが。掲句はまさに子育てを楽しんでいる親ならではの一句だろう。こんな風な角度から冷蔵庫を詠めるのも余裕である。そして、冷蔵庫も自身の魅力をもっと自覚してもいいかもしれない。

 秋蝶のよく訪ふ町のせんたく屋

メルヘンチックな一句である。好きだな、こういう句。この句、春の「蝶」でも「夏蝶」でもダメ、やはり秋蝶でなくては、と思った。どうしてだろう。せんたく屋さんのまっしろなシーツが目にうかんだりする。そんな清潔なせんたく屋さんに、爽やかな大気をぬって秋蝶がおどずれる。守屋代表は「リーニング店に現れた秋蝶に対しても近しく接している心のゆとり。」と鑑賞されている。そう、作者には「心のゆとり」があるのだ。秋蝶がせんたく屋さんに現れたことを「よく訪ふ」と叙する想像性、物語のなかを生きているような「ゆとり」、その「ゆとり」がこの句集を一貫して流れているのだ。だから、このような一句もうまれる。

 日々ひとつ良きこと見つけ草の花
 

二十歳の頃、東京女子大学「白塔会」に出席し、初めて作った句の中の一句「朝市の赤き棗に人の声」を、故山口青邨先生が目に留めて下さいました。青邨先生は女性にも俳句を広めたいというお気持ちから、月一回白塔会にボランティアで、指導に来て下さっていました。当時白塔会は俳句研究会という同好会でしたが、学生会員より先輩の方の人数が多く、句会はピリッと引き締まった雰囲気でした。終了後、緊張したまま席を立つ私の肩にそっと触れて、「お励みなさいね」と言って下さる方もあり、青邨先生の温厚で優しいお人柄に惹かれたことと、初めて作った一句が先生の選に入るというビギナーズラックもあって、すっかり俳句が好きになってしまいました。
以来、五七五という限られた詩形の中に、切り取られた一瞬一瞬を、季語を中心に表現するという俳句に魅せられて、これまで続けてきました。 

「あとがき」の前半部分を紹介した。


本句集の装釘は、和兎さん。

装画は、田中京さんのご息女・川田真紀さん。


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秋草が美しく描かれている。


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裏にも秋草が配されて、
優しい表情の1冊となった。


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「十一月の光」という句集名。


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 小綬鶏に呼ばれ明るき林へと


句に真実があり、モノに対する好奇心はいよいよ旺盛である。余生というには余りにも若く、これからがまた楽しみな作家である。(守屋明俊/序)



ご上梓後のお気持ちをうかがった。


1) 本が届いた時のお気持ちをお聞かせください。
装丁の美しさに見とれてしまいました。娘の絵を活かして配置されていて、文字や帯も合っていて、開いた時の色、その色に合わせた中の絵がまた素敵でした。とても嬉しく思い、ふらんす堂と守屋先生に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

2)初めての句集にこめたお気持ちは?
俳句歴は長いですが、あっという間の50年とも思え、ちょうど結婚して50年の年でもあるので、沢山の句を纏めて句集を編んでみようと思いました。

3)今後の句作への思いは?
今まで自然体で詠んで来ましたので、そのままに少しずつでも進歩して行かれたらと願っています。
句集をお読み下さった方達からの反響は、予想以上に大きく温かいお心のこもったお手紙やメールを沢山いただきました。
あまりにも沢山でご紹介しきれないのですが、少し引用させていただきます。
「一読して私の持っている田中京さんの印象と理解がこんなにも一致することがあるのかと驚きました。つまりジグゾーパズルに手持ちの一片一片がパチンとはまり、‘らしくない’句が1作もないのです。どんな状況においても貴女は素直に自分を表現できる才能のある方で、しかも感性の幅が広い。守屋氏が(きちんと対象と向き合い、モノを見せ、モノに語らせているのが強い)と仰っていますが、その様ななことなのですね。お嬢様の表紙絵といい、本の題、色調、全てがこの1冊を見事にまとめていますね。本当に素敵な句集です。」  
「秋の草花の美しく上品な装丁(ご長女の感性は京さん譲りですね。)に惹かれました。日々のさりげない出来事や子育て、草花や動物、身の回りの自然を丁寧に観察され深く心に留めて、素直なご自分の言葉で詠まれていて、京さんの実直なお人柄がどの句にも滲み出ているように感じました。」

いろんなご反響をお教えくださってありがとうございます。


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田中京さん(右)

今年の4月24日のご来社のときに、守屋明俊代表と。





50年を俳句とともにすこやかに生きてこられた田中京さんであることをおもいました。
美しい一冊となりましたが、
ずしりと重たい一冊でもありました。
さらなるご健吟をお祈りもうしあげております。



  川流る十一月の光溜め    田中 京







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11月の仙川。





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by fragie777 | 2024-09-11 19:39 | Comments(0)


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