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5月13日(月) 旧暦4月6日
これは何の花だろう。 よき芳香を放っている。 神代植物園にて。 小さな花だ。 看板があった。 「カラタネオガタマ」とあり、「モクレン科」と。 たしかに低木ではあるが、木蓮の葉の感じと佇まいが似ている。 「中国南部(福建省及び広東省)を原産とするモクレン科の常緑樹。日本へ渡来したのは江戸時代中期~明治初期で、暖地の庭園や神社に植栽される。」 とあり、バナナに近いよき匂いがする。 「からたね」は「唐種」ということらしい。 なかなか雰囲気のある花である。 朴の木や泰山木のような花弁の固さを感じる。 野趣はない。 小振りなので手入れのいきとどいた日当たりのいい家の庭などに似合いそうだ。 ドキドキしながら、待っていたものである。 (おお、出来上がったか。。。)とまず胸にヒシと抱く。 それから、オソルオソル頁をめくる。 最終確認を何度かしたはずであるが、やはり、アレを落としたのではないか、あそこは大丈夫だろうか、などなど、いろいろと心がざわついて待っていたので、 ひとつづつ確認をしておおかた大丈夫ということで、ホッとする。 「栞」俳句会の松岡隆子主宰に、2冊の見本をお送りしてある。 お電話もいただき、メールもいただいた。 「実は包装を解く前からドキドキして、今もまだ胸が高鳴っています。 装幀、帯文を始め、西村和子氏、長谷川櫂氏の「栞」、写真も色紙も申し分ございません。 収録作品4352句とエッセイ4篇を含め、483頁の重みに感動しています。 初句索引、季語索引を大いに活用させていただき、改めて眸俳句を勉強してまいりたいと思っています。 最高の贈り物をありがとうございました。」 ああ、良かった。 ホッとした。 そして、もうひとり大事な方に送るべく手配をする。生前の岡本眸先生が信頼をされ、この全句集のことを特に心にかけられていた野路斉子さんである。 ご不在の留守電にいれておいたので、お電話をいただいた。喜びの声が伝わってくる。 そのお声を聞いて、心の底から安堵する。 17日(金)に出来上がってくる。 お待たせいたしました。 この全句集については、またあらためて紹介したい。 今日の午前中には、「夏目漱石の百句」の執筆者である井上泰至さんがご来社くださる。 装釘の打ち合わせ、ゲラの最終確認、代送とうのご相談でお仕事のついでに立ち寄ってくださった。 装釘の装画であるが、漱石の場合、朝顔の句が多い。 それはそれである理由があるのだが、(本書をよめばわかる)、今回なかなかいい朝顔の絵がみつからなかった。 いろいろとラフイメージを用意したが、 おのずと「菊」と「菫」に絞られた。 どちらも漱石の代表句となる季語である。 で、決まった。 どっちになったかは、お楽しみに。。。 井上泰至さんのお話はすこぶる楽しい。 豊富な情報と深い教養にもとづくお話しがつぎからつぎへと湧き出て、よどみなく語られる。 そのお話は面白くてつい熱中してしまう。 そしてドキッとするのは、あるひとつの言葉が発せられたとき、その言葉は単独であるわけではなく、長い時間のなかで発酵熟成していまここにあるのだということ、そのことに気づかされる。つまりいかに日本の詩歌の伝統をふまえて言葉をみつめるか、わたしなどそのヘンが一番欠落しているところかもしれない。 と、お話をうかがいながら思ったのである。 イタリアの映画監督・ベルトルッチの話ではおおいに話がはずみましたけれど。。。 ほんと好きだわ。「暗殺の森」、そしてドミニク・サンダ。。。 そして午後二時には、お客さまがふたりご来社。 髙田正子さんと、俳誌「青麗」に所属しておられる佐治よし子さん。 第1句集を上梓されるご予定があり、その相談に見えられたのだった。 佐治さんは、学生時代に「東大ホトトギス会」で、山口青邨の教えをうけた方である。 年齢的には髙田正子さんの先輩にあたられる方である。 卒業後、俳句から遠ざかったが、俳誌「天為」より俳句へのお誘いをうけたことにより、俳句を再開された。 その後、黒田杏子主宰の「藍生」にはいり、それより熱心に俳句をつくってこられた。 そしてこの度、いままでの句稿を整理編集されて1冊にして上梓することを決められたのだった。 山形にお住まいの佐治よし子さんであるが、「青麗」の会のために上京され、仙川のふらんす堂にも足をのばしてくださった。 今日は、いろんな句集の見本をご覧になられて、担当の文己さんと打ち合わせをされたのだった。 佐治よし子さん(左)と髙田正子さん。 佐治よし子さんは、伺えば学生時代は、フランス文学を専攻されたということ。 「ええっ、誰ですか?」と、俄然興味をもつ。 「多分、ほとんどの方が知らない作家です。カトリック作家です」と佐治さん。 「ええっ!!」さらにわたしは興味をもつ。(ひょっとしたら……)の思い。。。 「フランソワ・モオリアック」 「ひゃあ、わたしの卒論もそれです!!」と申し上げると、今度は佐治さんが驚かれる。 佐治さんは、モオリアックの代表小説「テレーズ・デスケイルウ」を高校生のときに読んで、大学の卒論に選んだということ。 そうか、それは早熟である。 夫の殺人未遂の容疑で裁判にかけられたことからはじまるテレーズの話である。 わたしもモオリアックの小説のなかで一番すきな1冊だ。 今読もうとおもっても多分古本でしか読めないだろう。 だいだい、読む人いるか。。。 遠藤周作も訳しており、三島由紀夫や武田泰淳が触れてもいる作家ではあるけれど、、、 「まあ、それは珍しい、奇遇ですね」と思わず笑いあったのだった。 わたしが感激してしまったのは、この度の句集に「悼・モオリアック」としての一句が収録されていることだ。 佐治さんが大学2年生のときにモオリアックは亡くなった。 「その翌年に三島由紀夫が自殺したんです」と佐治さん。 そう、わたしも大学生だった。 その衝撃はいまでもよく憶えている。 同じ時代の風景を共有してきた方の句集をおつくりできることもうれしいことである。 初夏の鴉。
by fragie777
| 2024-05-13 19:55
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