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3月25日(月) 桜始開(さくらはじめてひらく) 社日 旧暦2月16日
![]() 神代植物園にて。 ![]() 思いもよらぬ春の寒さで、桜の開花がおくれているようだ。 手紙などに「桜が待たれます」と冒頭の挨拶に書いたりするのだが、実はあんまり待ってはいない。 桜の咲く季節はなんとなく慌ただしい思いがして、うーんと好き、というわけでもない。 ずっとむかし、俳人の川崎展宏氏からいただいたお葉書の冒頭に、「桜が待たれます」って書かれてあり、桜の季節を心待ちにしている展宏先生のことをおもって、それはなんだか素敵なことのように思えたのだった。 いまみたいにメールがない時代のこと。 川崎展宏先生は、わたしのような駆け出しのチンピラ編集者の葉書や手紙にいつもきちんとお葉書を下さったのだった。 一枚くらいとっておけば良かったのだが、手許には一枚もない。 いつも俳人としての正直なお気持ちを吐露されていて、清潔な心持ちが伝わってきたのだった。 自分が書く冒頭の挨拶に「桜が待たれます」って書くとき、いつも展宏先生のことを思い出す。 高遠の桜をおもふ眉のうへ 川崎展宏 悲しいお知らせをいただいた。 昨年の夏に句集『風の譜』を上梓された堀かをるさんが亡くなられた。 堀かをるさんが所属する「羅ra」の飯島ユキ代表がご連絡をくださったのだった。 堀かをるさんは、成城の老舗の菓子店「成城凮月堂」の店主であり、昨年は句集のことでわたしはお訪ねしたのだった。 その時はやや弱られてはいたもののまだお元気のご様子だった。 ご子息の夫人である堀澄子さんが、お義母さまのことを助けながら句集上梓へむけて頑張られたのだった。 成城のお店の甘味処はとびきり美味しく、わたしは成城にいくたびに立ち寄るお店である。 そしてその店の階上におられる堀かをるさんのことを思った。 椿がお好きで「椿」の表紙で句集を上梓された堀かをるさんである。 亡くなられたのも、椿咲く季節となった。 そして、 桜を待たれつつ。 ご冥福をこころよりお祈りもうします。 花冷の暮れてひとりの紅茶かな 堀 かをる
by fragie777
| 2024-03-25 19:02
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