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2月20日(火) 土脈潤起 (つちのしょううるおいおこる) 旧暦1月11日
百舌鳥(♀) 神代植物園にて。 嘴の先が曲がっているのが特徴。(鷹などの猛禽類のように) 昨年はここで♂の百舌鳥もいたのだけど、今回は会えず。。。 今日はとりわけあたたかな一日である。 朝のミーティングで「あったかいわねえ」と言ったら、「夕方にはものすごく寒くなるそうです」と言われ、ダウンコートをはおらずに腕にかかえて仕事場にむかう。 あまり寒くならないうちに帰りたいな。 去る2月16日に武蔵野大学7号館で行われた「武蔵野大学国文学会」について、出席したスタッフPさんのレポートを紹介したい。 特別対談があって、俳人の井上弘美さんとお笑い芸人の桃沢健輔さん(金の国)によるもの。 桃沢健輔さんの俳句は、この度出版となった井上弘美編『発信――武蔵野大学俳句アンソロジー』にも3句収載されている。 以下、Pさんのレポート。 * * * 2024年2月16日に武蔵野大学国文学会が武蔵野大学7号館にて開かれました。 最後に「桃沢健輔(・金の国)と井上弘美(武蔵野大学客員教授)の「一回性の醍醐味」という特別対談が開かれました。 桃沢さんはワタナベエンターテイメントに所属するお笑い芸人で、渡部おにぎりさんと「金の国」というコンビを組んでいます。 武蔵野大学の卒業生で、井上弘美先生の俳句の授業を2期受講されました。 その後も俳句を作り続け、2022年に井上弘美先生が講師を務めるEテレの「NHK俳句」にゲストとして出演されるという御縁があります。 お笑い芸人としての舞台に立つ身体表現から俳句という言語表現の一回性ということを対談でお話しされました。 詳しくは「俳句四季」5月号に掲載予定ですので、興味がある方はご覧になってみて下さい! 井上弘美先生は2024年3月をもって、19年間勤められた武蔵野大学客員教授をお辞めになります。 俳句の授業をされた19年間の歩みを『発信――武蔵野大学俳句アンソロジー』としてまとめられました。これには授業を引き継がれた現講師の堀切克洋さんのクラスのひとたちの作品も収められ、合計20年間の歩みとなっています。 対談風景 井上弘美さんと堀切克洋さん。 * * * この新刊の井上弘美編『発信――武蔵野大学俳句アンソロジー』について、今日は紹介したい。 A5判変形ソフトカバー装帯有り 200頁 五句組 本著は約20年におよぶ武蔵野大学で俳句を学んだ学生たちの俳句のアンソロジーである。全体を四季別に分け、800句を収録している。 編者は、武蔵野大学の客員教授であった俳人の井上弘美さん。 まずは井上弘美さんによる序より抜粋して紹介したい。 武蔵野大学は東京都西東京市にあって、自然環境に恵まれ、武蔵野の面影をのこす木立に覆われている。(略)二〇〇五年から俳句創作の授業を担当してきた。京都の市立高校を休職して早稲田大学の大学院で芭蕉の研究をしていた時期で、学生たちに俳句を語ったり創作の手ほどきをする授業はこの上なく楽しかった。 当初は受講する学生も少なかったので、頻繁にキャンパスを吟行し句会を行った。(略)藤が咲くと藤棚の下で柏餅を食べながら句会をしたり、夏には近くの喫茶店の窓に咲く時計草を見に行ったり、黄落の季節には大木の下で降り続く銀杏に圧倒されながら句会をしたりなど、忘れがたい。(略)。ここに収めたのは、約二十年間の授業内の句会で誕生した作品である。 二〇二二年に着任された、堀切克洋さんの授業で誕生した作品も加えての、およそ八百句が織りなす武蔵野大学俳句アンソロジーである。大学内外の方に広くお読み頂くことで、作品に新たないのちが吹き込まれることを祈っている。 巻末には人名索引をもうけ、 自分の句がどこに収載されているかすぐにわかるようになっている。参加した学生たちにとっても自身の作品にであえる記念すべき一冊だろう。500名に近い参加者によるアンソロジーである。 多くの方の作品を紹介したいが、ここでは帯の井上弘美抄出の15句にとどめる。 春愁や草に座れば草匂ふ 加瀬 渉 透き通るほどの黒板若葉風 齋藤里桜 ひとしづく金魚の落とすあかい影 赤荻 愛 姉もまた着て恋をした古浴衣 豊嶋麻美 過ぎた日の君はアイドル青写真 木村真緒 まるで恋してゐたみたい西日落つ 金田実奈 絶海の退艦命令油照り 土斐崎種忠 名月や大地を影絵めくわれら 森貞 茜 ヒガンバナカンパリソーダオトナイロ 板橋麻衣 登高や雲あふれゐて翳ゆたか 加藤柊介 雁渡しボランティアに行く夜行バス 伊藤明香里 二人きりコンビニで聞く除夜の鐘 森 隼人 元日や祖父の二十歳は兵として 桃沢健輔 振袖にマスクで祖母と面会す 川原 都 成人式綺麗になった友に会う 越阪部依子 本書の装幀は和兎さん。 実は和兎さんおすすめのものは(yamaokaもそう)、別のラフイメージだったのだが、井上さんが選ばれたのはこれだった。 ちょっと地味かしら、などと言っていたのだが、 出来上がってきて、とてもいい本になって驚いたのだった。 まさに「発信」というタイトルにぴったり。 大勢の声がここに集まっているという感じがある。 差し色のオレンジが若々しく元気である。 春夏秋冬のそれぞれの扉に写真を配した。 本文は読みやすい。 編者の井上弘美さんは、「あとがき」で、作品をとりあげ作品との出会いを思い出を込めながら丁寧に語っている。 一部のみ抜粋して紹介をしたい。 夏空の光とびこむ虫眼鏡 向 奈津子 約束の日はまだ遠し洗い髪 中村麻衣 夕暮れの加速止まらぬ祭笛 竹下奈都子 二〇〇五年、授業が始まった最初の年に提出された忘れられない作品である。春に始まった授業はたちまち夏を迎え、教室の窓に新緑が溢れた。句会を重ねるうちに、学生たちはいろいろな句材を見つけ出した。とりわけ「虫眼鏡」の句には驚いた。「よくこんな発想が出来たね」と言うと、彼女ははにかむように「理科の実験を思い出して詠みました」と語った。「約束」の待ち遠しい時は髪を洗うたびに増し、「祭笛」に乗ってたちまち祭の夜はやって来る。学生たちは季語があることで、自分自身の中にどんな気持ちや表現力があるか、気付いていった。(略) 透き通るほどの黒板若葉風 齋藤里桜 名月や大地を影絵めくわれら 森貞 茜 葬儀場の集合写真油照 川原 都 登高や雲あふれゐて翳ゆたか 加藤柊介 二〇二二年の第30回武蔵野文学賞の準賞、佳作(三十句)を受賞した作品から、一句ずつ抽出した。二〇二三年には俳句研究会創設の準備も進んでいる。 きっと武蔵野大学から、新しい俳句の風が吹くだろう。学生たち一人ひとりの心の発信が仲間に届き、やがて、大学からの発信ともなるように祈りたい。 「発信」という名のアンソロジーにこめた井上弘美さんの願いが、やがて実のなるものとなりますように心よりお祈り申し上げております。 井上弘美さんの熱意とご尽力がなかったらこのような形にならなかったとのではないだろうか。 Pさんにお話をいただいてより数年の月日が流れたのだった。 こうして一冊になったことがあらためて嬉しい。 鳥って写真に撮っていると、必ずといってよいほど目をあわせてくる。 そういう時はドキドキする。
by fragie777
| 2024-02-20 18:30
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