ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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歌人・吉川宏志さん、ご来社。

1月11日(木) 水泉動(しみずあたたかをふくむ)  旧暦12月1日


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ハノイ市の風景。

アオザイを来た少女たち。


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街のいたるところに、ホーチミン(ホーおじさん)がいる。



寒のただ中ゆえか。今日はかなり寒い。
たくさん着込んでモコモコになって自転車を漕いで、出社。






新記事を紹介したい。

小笠原眞さんの詩集『目下のところ』が二つの新聞で評されている。
それぞれを抜粋にて紹介したい。

まずはは「デーリー東北」の2023年の12月27日づけのもの。詩人の藤田晴央さんによる評。タイトルは「死生観と人情〈詩〉に昇華」

一篇一篇が「腑に落ちる」。そうか、そういうことか、なるほど。と言いたくなる心地よい理解がもたらされるのである。(略)
著者は体験から書き出し、推敲を重ね、書き出したものを〈詩〉に昇華させてゆく。それはもしかしたら、著者の職業である医師の仕事に似ているのかもしれない。まず事実が目の前にあり、経験から対処を重ねて治療を終える……。しかし、これらの詩篇に流れる体験の奥にひそむものをつかもうとする姿勢は、やはり詩人のそれだ。
「鷲の恩返し」は、三階にあるベランダに羽をけがした鷺が降り立った話である。ようやく捕獲作戦に成功し地上におろしたが、その後の処置をする間もなく、鷲は脱兎のごとく走り去ってしまう。詩篇の最後はこうだ。「詐欺にご用心/当然の恩返しは/期待してはいけないのだ」
このようにユーモアにあふれた詩集なのだが、前詩集『父の配慮』で、父の死と向かい合った著者は、今回の詩集でより大きな視点で生と詩の問題を咀嚼し詩に編み込んでいる。(略)
詩人の井川博年さんを八戸にある、氏の思い出の地に案内する「井川さんの八戸旅」をはじめ、ほろりとさせる詩篇も多い。飾らずに出来事を綴り、一見、散文的でもあるが、その底にある深い死生観と人情からほわっほわっと詩が浮かびあがってくる味わい深い詩集である。




もうひとつは、2024年1月10日付けの「東奥日報」の「郷土の一冊」に、詩人の金井雄二さんが評している。タイトルは「大きく膨らむイメージ」。

十和田市の詩人・小笠原眞さんの第7詩集『目下のところ』は多彩な詩集だ。自伝的要素の詩もあるし、父親や孫娘について書いたものもある。本職が耳鼻咽喉科のお医者さんということで、医療についての詩も書かれているという具合だ。そして、何より読んでいておもしろい。(略)
 医学は言ってみれば実の世界
 文学は虛の世界である
この2行は「医学と文学」という詩の冒頭だた、なるほど、と思い、その通りだなと納得する詩行だ。つまり〈創造された文章を/想像することが/文学の楽しみでもある〉し、それに対して医学は〈個々人で勝手に想像されては困るのだ〉という。
当然のことだが、想像で診療されてはたまらない。そしてこの詩は「医療」という現場にも文学の虚が必要になってくるのではないかと言っている。考えさせられるとともに、多くの示唆を含んでいる詩でもある。
お医者さんという職業は本当に気が休まる仕事ではないと思う。それ故、文学にむかうときは大きく羽を広げられるようだ。詩に求められる自由闊達なイメージ、そこはかなとなく漂うユーモア。小笠原眞という詩人はそれらの要素を合わせて持っている。
『目下のところ』という詩集は、大きくイメージが膨らんでくる詩集なのだ。楽しくて悲しい、人生の機微を含んだ詩を書く小笠原眞という詩人はまさしく詩をこよなく愛する人なのだろう。


歌人・吉川宏志さん、ご来社。_f0071480_17040416.jpg
定価=2200円(税込)







夕方に、歌人の吉川宏志さんがご来社くださった。

昨年の2023年の一年間の「短歌日記」に取り組んでいただいた歌人である。
吉川宏志という歌人の真率な思いがつたわってくる「短歌日記」だった。

できるだけ早くこの「短歌日記 叡電のほとり」を一冊にさせていただきたく思う。
この短歌日記を御覧になっていた方もおおく、俳人のふけとしこさんは、「終わってしまうのが残念」とメールをくださったのだった。

今日は担当のPさんとその打ち合わせをもしていだいたのだった。

吉川さんは京都にお住まいである。
目下、NHK短歌の選者もしておられ、収録に上京されることも多いようだ。
今日はその収録の日、その足でふらんす堂にお立ち寄りくださった。


歌人・吉川宏志さん、ご来社。_f0071480_23260168.jpg
吉川宏志さん


「一年間、いかがでした?」と伺ったところ、

「いや、大変でした」とつくづくとおっしゃる。

一週間分として20首以上はつくって、お連れ合いの歌人の前田康子さんに見てもらうのだそうである。
「結構ダメって言われて、残るのが5首くらいでした」と。
「そうだったのですか。それはなかなかいいお話ですね」とわたしは笑いながら申し上げたのだった。
「短歌もそうですが、文章のほうもですね。はじめに短歌をつくってそこに文章をつけるのですが、短歌といかに離すかに腐心しました。」
「パレスチナのガザの事件は衝撃でした。」と語る吉川さん。
そんな心の痛みも短歌日記を通して伝わってきた。
年末は宮崎で一人暮しをされているお父さまのところに帰郷されて過ごされた吉川さんである。


今日は少しゆっくりしていただいて、いろんなお話を伺うことができたのだった。












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by fragie777 | 2024-01-11 23:43 | Comments(0)


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