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10月25日(水) 霜始降(しもはじめてふる) 旧暦9月11日
蜘蛛の巣に秋日が差し込んでいた。 とても美しかった。。 光がえがくものにしばし見とれてしまった。。 森を歩いていると思いもかけないものに出くわす。 この日、天道虫がいた。 まったき天道虫! と思ったのだが、 かなり弱っていた。 今日も読み合わせ。 たいへんはかどったのであるが、スタッフは声をからしていた。 蛍光ペンを三本使い切った。 午後にお客さまが三人みえる。 俳誌「炎環」の石寒太主宰と、「炎環」の同人の一ノ木文子さんと折島光江さんである。 この度、折島光江さんが第一句集を上梓されることになった。 その打ち合わせである。 一ノ木文子さんは、10年まえにふらんす堂より第1句集『遊びの途中』を上梓しておられる。 折島光江さんとはお親しい間柄であり、わたしは一ノ木さんにつねづね第2句集の上梓をおすすめしている。 担当はスタッフのPさん。 折島光江さんはいろんな資料本を御覧になって、造本や装釘のイメージを決められたのだった。 折島さんは、俳句をはじめたきっかけは、石寒太氏の「漱石の俳句」と題した講義を聴講に行ったのがきっかけであるということ。 それが27年前で、「いつの間にか俳句をつくるようになっていました」と。 この度の句集は27年間の句を精選したものである。 「句集をつくるなんて夢にも思っていませんでしたが、夫がすすめてくれたのがきっかけで決心しました」という。 ご夫君は、俳句はおつくりにならないけれど、よき読者のひとりであって叱咤激励もしてくれるという。 句集名は決まっていて「助手席の犬」 犬がたいへんお好きであり、10年前に死んだ愛犬を詠んだ句も収録してある。 亡くなったときは「ペットロス」になられたということである。 発行日は、亡き犬の誕生日2月8日になさりたいということ。 スタッフのPさんは頑張る予定である。 左より一ノ木文子さん、石寒太主宰、折島光江さん。 一ノ木さんの前には、句集『遊びの途中』、石寒太さんの前には第1句集『あるき神』の復刻版、折島さんの前には句稿が置かれている。 石寒太さんは、今日はその復刻版を持ってきてくださった。 「初版本『あるき神』が刊行されて四十三年が経った」とこの復刻版の「あとがき」に記されていて驚いた。 ええっ、もうそんなに年月が経ったのかって。 傘寿記念として復刻版を出版されたのでる。 石寒太さんを存じ上げたのは、まだ寒太さんが30代だった。 わたしはこの第1句集をよく知っている。 出版社勤務時代に送られてきて、出版記念会にも呼ばれてうかがったのである。 題簽・序句/加藤楸邨 川田幹の型染を装画として用い、跋は大岡信、塚本邦雄、清岡卓行、吉村昭、筑紫磐井、という華やかな顔ぶれ。川崎展宏さんもいらしたかしら。 出版記念会には、大岡さんたちのほか安東次男、渋澤孝輔などもおられ、それはそれは賑やかだった。 今日石寒太さんにうかがえば、「七百句くらいのなかから安東次男さんが全部選らんだもの」だという。 かろき子は月にあづけむ肩車 この句がとても印象的だった。 今回は復刻するにあたって、栞を市ノ瀬遥さんと西川火尖さんが書いている。それがいい。 なかを開けば、一頁一句組、 ああ、そうだった、と思い出した。 これも安東次男さんのはからいによるのだろうか。 出版のお祝いの会で、石寒太さんは終始ニコニコしていて多くを語らず、まわりの大岡さんをはじめ発起人のひとたちがすごく楽しそうに興奮しておられたのが印象的だった。 それはまるで昨日のことのようにあざやか。 これからがこがらしの世ぞあるき神 加藤楸邨
by fragie777
| 2023-10-25 19:52
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