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8月7日(火) 旧暦6月21日
今年の夏は今日で最後。 明日は立秋である。 この暑さで信じられます? 灸花(やいとばな)。 昨日の矢川緑地に咲いていた。 「これって別名、ヘクソカズラっていうのよね」 「そうだね-。なんというか、おもしろい別名よね」 「きっと、あの人がつけたんだよ、あの今朝ドラでやってる、あの人さ」 「そうかも、おもしろい名をつけるからねえ」などと友人たちと云いながら、見入る。 そうなのかなあ、って思って調べたところ、やはり牧野富太郎さんが付けたようである。 「ヘクソカズラ」の名の方がよく知られているようだ。 灸花というのは、赤いところがお灸のアトのようなので、そう呼ぶらしい。 「ほら、烏瓜の赤ちゃん」って見せられたのがこれ。 「ああ、秋になると赤い色になるヤツね」とわたし。 あえて可愛らしさを分かって貰うために、こうやって抓んでもらった。(この指との比較…) ごめん、Hさん。 こちらはその烏瓜の花。 7月のはじめごろ撮ったもの。 なかなか花をこうして見ることはできない。 夜に咲き、朝にはしぼんでしまうからだ。 自然界にはいろんな草花があって、おもしろい。 そしておおかた季語になっている。 新聞の記事を紹介しておきたい。 今日の毎日新聞の櫂未知子さんによる新刊紹介に山口昭男句集『礫』がとりあげられている。 第4句集。季語の飛び方に特徴がある。水の百態を描いたともいえる作品が多くあったのは興味深い。 ゆつくりと氷の上をこほる水 水が水またぎてゆくや神の留守 水を見てほめたる人や更衣 同じく毎日新聞の坪内稔典さんの「季語刻々」は、小川軽舟句集『無辺』より。 睡蓮に日の差すやうに忘れけり 小川軽舟 「この句の忘れるようす、いいなあ」と坪内さん。「後期高齢者の忘れることへの恐怖心を持つ人」へこの句を薦めたいと。 今日は午前中にお客さまがひとりみえられた。 「鷹」俳句会の宮本素子さん。 目下第1句集の制作をおすすめしている。 担当のPさんと打ち合わせ。 お話をすこし伺うと、宮本素子さんは、最初は「ヘップバーン句会」(黛まどか代表)に所属されていた。「ヘップバーン句会」が解散となり、どこかの結社に所属したいと思った。 「どこにしようかと考えたのですが、その結社の主宰のつくる句がいいと思った結社に入ろうって決めました。それで小川軽舟主宰の句を読んだときに、ああ、この結社に入りたいって思ったんです。」 「そうなのですか。では、その時にいいとおもった軽舟主宰の句をひとつ挙げていただけますか」とお願いしたところ、 「〈マヨネーズおろおろ出づる暑さかな〉が好きです。多分最初の句集『近所』に収録されていたと思います。」 「ああ、その句わたしも知っています。軽舟主宰ご自身も自句自解でとりあげていたかもしれません」と申しあげると、 「はい、自句自解、わたし読みました。その自解によると、藤田湘子先生にダメだしをされたときの句とか」と宮本さん。 わたしは書棚から『シリーズ自句自解ベスト100小川軽舟』を取り出してきた。 そして改めて、その自解を読んでみたのだった。 ここに紹介してみたい。 マヨネーズおろおろ出づる暑さかな 編集長になった翌年、俳壇ではまだ無名の私に「俳句研究」から五十句発表という望外の機会が与えられた。発表する句を湘子に選んでもらうことになったのだが、作っても作ってもマルのつく句が五十句に届かない。結局五百句以上を湘子に見せた。 そうなると何を見ても俳句に見えてくる。この句のマヨネーズも然り。「おろおろ」はオノマトペであり擬人化でもある。身辺どこにでも詩と滑稽があることを覚えた。平成十二年作。 藤田湘子の弟子を育てようとする厳しさがわかる一句であり、小川軽舟さんのそれに応えようとする意欲が伝わってくる。若くして蛇笏賞を受賞されたのも、こういう日を通過してのことなのである。50句のために500句をつくるとは。。。 宮本素子さんは、「鷹」に入ってすでに10年以上となる。「鷹」事務局へおつとめしておられる。 先日、軽舟主宰より序文をいただいた。 刊行ももう間もなくである。 写真は苦手、ということで、お帰りになられたのだった。 今日の雲。 このところ雲がおもしろい。
by fragie777
| 2023-08-07 19:12
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Comments(2)
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