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8月4日(金) 旧暦6月18日
今日も猛暑である。 今朝の仙川駅前。 暑さにうなだれる人たち。 わたしもうなだれて仕事場にむかう。 こちららは昨夕の駐車場。 仕事をおえてこれから車に乗って家にかえる。 昨日は比較的仕事をはやくきりあげることができた。 こんなに明るい夕暮れに家にかえることができるのはうれしい。 これから日が短くなっていき、明るいうちに家に帰ることはますますないだろう。 めちゃくちゃ仕事人間なので仕事は大好きなのだけれど、いろいろと家にかえってやりたいこともあったりぐうたらもしたいし、一日36時間欲しい。。 「週刊新潮」8月10日号が送られてきた。 付箋が貼ってあって、作家の北村薫さんが、小社の本を紹介してくださったようだ。 「読書会の付箋 今日この一冊を読む」という欄で、メインは田中登著『コレクション日本歌人選005 紀貫之』なのだが、「これに続いて、ふらんす堂から刊行中の」とあり、「歌人入門シリーズ」の二冊をとりあげておられる。その二冊とは、梶原さい子著『落合直文の百首』と、松平盟子著『与謝野晶子の百首』 梶原さい子の『⑦落合直文の百首』では、「名もしれぬちひさき星をたづねゆきて住まばやと思ふ夜半もありけり」、松平盟子の『⑧与謝野晶子の百首』では、「秋と云ふ生(いき)ものの牙夕風の中より見えて淋しかりけり」などに出会えます。 新刊紹介をしたい。 A5判変型ソフトカバー装グラシン巻 80頁 片桐英彦(かたぎり・ひでひこ)さんの前詩集『南仏紀行』につぐ第18詩集である。 医業のかたわらずっと詩を書き続けておられる方だ。既刊詩集では詩集『物のかたち』で第36回福岡市文学賞を、詩集『ただいま診察中』では第46回福岡県詩人賞を受賞しておられる。もう23年のおつきあいになるけれど、まだ一度もお目にかかったことはない。が、何冊もの詩集をとおしてよく存じ上げているような気がしている。日々、何を大切にして過ごされているか、どんなことに心をとめられるか、詩をかくことをどのように思っておられるか、あるいはご自身のお仕事についてなどなど。そして新しい詩集をおつくりし、それを読ませてもらうごとに新しい発見がある。新しい片桐英彦を新詩集のなかに見出すのだ。そういう詩集である。 で、この詩集の担当は、前詩集にひきつづき文己さん。 まずは、文己さんの好きな詩を紹介したい。 「琥珀」が好きです 琥珀に閉じ込められた小さな虫が、やけに印象に残るのは自分だけではないと思うとなんだかちょっと嬉しかったです。 「丸いもの」もとても好きでした。いくらでも挙げられそうです。 文己さんは、たくさん好きな詩がありそうである。 琥珀 川岸を歩いた恐竜の足跡が 化石になって残っている 樹液に閉じ込められた 一匹の蚊が それを見ていた 短い詩なので、「丸いもの」も紹介したい。 丸いもの ヤマモモの実 ヤマボウシの実 ふとった仙人 ダルマさん かすれたピリオド 校正スタッフの幸香さんは、「『立会人の夜』に特に惹かれました。」と。 立会人の夜 夜になると 長いプラットホームを歩いて端っこにとまっている 何時もの電車に乗る 深い緑色のモケットから立ちのぼる ほこりの匂いのする座席に座り カバンを膝の上にのせ 足をそろえて行儀よく発車を待つ 仕事が終わると またあの電車に乗って帰途につく 来た時と同じように カバンを膝の上にのせて 行儀よく だが来た時とは何かが違っている それは シャツに染みた 仕事場の血の匂いでも あたりに漂う羊水の かすかな硫黄の匂いでもなく 一つの命が誕生する その瞬間に立ち会えた喜びと 二度とこの命に関わる事のできない 立会人としての冷たい現実と この命の幸せをになう 責任感とでもいうものを カバンいっぱいに詰めた疲れだ 動き始めた電車の中で 僕は目を閉じて 真昼の草原を駆ける 一頭の黒い雄牛の夢を見る この詩篇は、産婦人科医としての片桐さんの横顔を感じさせる詩である。 最後の詩行の「黒い雄牛」がこの詩の残像としていつまでもこころに残る、そんな詩篇である。 わたしも好きな詩である。 本詩集の装丁は、和兎さん。 グラシンが蒔かれているのですこしぼけてしまっているが、タイトルの文字は金箔押し。 裏に蜂が一匹いる。 この蜂は、実はいろんなところに出没する。 表紙はあざやかなレモン色で、隅っこに蜂がいる。 カバーの両袖にも蜂がいる。 タイトルとなった「風とベリーとレモンの木」は、本詩集の一篇の詩からくる。 そこに登場するのが蜂である。 2022年2月24日 日没までのひと時 世界は この小さなハチに委ねられている という詩行があり、蜂はおろそかにできないのである。 レモン色が差し色として美しい一冊となった。 もう一篇、詩の作品を紹介したい。 熟れる 熟れたキイチゴの実は 触ると 手の上にホロホロと落ち 熟れたヤマモモの実は 風に吹かれ ボトボトと地面を打つ 人はどんな音を立てて 逝くのだろう 秋になると 朝露に濡れた雑草の上に 熟れたフェジョアの実が落ちている 人知れず落ちるその音を 僕はまだ知らない 今朝、製本屋のAさんに緊急の電話をしなくてはいけなくて、携帯より電話をしたところ、どう間違えたのか、四ッ谷龍さんのところにかけてしまった。 「まあ、ごめんなさい、製本屋さんに電話したつもりだったのに」とお詫びをしたのだが、四ッ谷さんは明るい声で「いいですよ」と。 緊急事態であったので、ゆっくりとお話もできなかったのだが、最近はお目にかかる機会も減ってしまって、でもお元気そうでなによりでした。「仙川に遊びにいらしてください」って電話を切るとき申しあげたのだが、きっと社交辞令って思われたかもしれないな。 社交辞令じゃありませんよー。四ッ谷さん。
by fragie777
| 2023-08-04 19:20
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