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7月5日(水) 旧暦5月18日
所沢市東所沢にある「角川武蔵野ミュージアム」 昨日、ここにおいて第57回蛇笏賞・迢空賞、第68回角川俳句賞・角川短歌賞の贈呈式が行われたのである。 今日はこのブログで、贈呈式にいたるまでの時間を写真をあげながら、わたしたちが経験した楽しさをすこしでも共有してもたいたいと思ってます。 ほとんど、キャプションなして写真をあげていきます。 スタッフのPさんとともに東所沢の駅でおりて、ミュージアムまで炎天下をあるくことにした。(あとで聞いたところによると皆さん、タクシーで来られたらしいが) そりゃそうかも、すごく暑かった。 途中の小さな森をぬける。 ここがあって良かった!! こんな道をとおっていけるのも一興である。 目の前にひろがるモダンな建物。 ここで贈呈式が行われるのである。 その前に、現在ミュージアムが開催されている「体感型古代エジプト展 ツタンカーメンの青春」を学芸員の方の説明つきでご案内くださるという。 待っておられる馬場あき子さんと高野公彦さん。(お二人は迢空賞の選者である) いよいよはじまる。 一挙に別世界へ。 映像がつぎからつぎへと変わっていく。 わたしたちはツタンカーメンの青春の場へと導かれていく。 すべてがレプリカなのだが、きわめて精巧で美しく、そしてとても身近にある。 黄金の鳥と、水原紫苑さんが召しておられるワンピースの柄の青が響き合っている。 美しいフォルム。 熱心に見入る高橋睦郎さんと馬場あき子さん。 黄金の柩の空間。 東直子さんのお姿も。 人影。 多神教と一信教の部屋。 これは多神教の神々。 その仲でも最高位にある神がこれ。 ツタンカーメンの父親は、多神教から一神教へと無理な改宗をし、それを息子にも強要したらしい。 その後、ツタンカーメンは、一信教の神(アテン)から伝統的な多神教の神(アメン)の信仰を復活させということである。 こちらが一神教の神。 高野公彦さん、まぶしがっておられる。 光をはなつもの。 小川軽舟さんと一神の神(アテン)。 写真はほんの一部である。 不思議な時空にわたしたちは巻き込まれていくのである。 すばらしい展示空間によって「古代エジプト文明」を体感するのである。 是非に行って楽しまれることをおすすめしたい。 そして、もう一つ、更に →「はじめてのBL展」を開催。 こちらも、愛好者にとっては胸がうちふるえる展示である。 このコーナーにずらりと並んだコミックをみて、スタッフのPさん、 「わたし、これほとんど読んでる」と。 わたしもこのポスターを見て、感動しないわけには行かなかった。 わたしの青春の一部である。 高野ムツオさんが一所懸命写真を撮っている。 「あらまあ、意外でした」と申しあげると、 「文学において、BLははずせませんよ。川端康成しかり、三島しかり」と高野さん。 (まさに!) ほんの一部のみを紹介。 ここはちょっと、あらためて遊びにきて興奮したいところである。 そして、 書店さんのお祭りのような部屋を通っていく。 本の匂いが快感。 よいなあ、紙の本は。、。 ここもまた心浮き立つ空間である。 最後に贈呈式がおこなわれる部屋へと導かれる。 やや、なんと! おもわず息をのむ。 贈呈式がはじまる。 「胡瓜サンド」で角川俳句賞を受賞された西生ゆかり(さいしょうゆかり)さん。 「今回の受賞の知らせを受け、ああ、私は私の俳句を書いて行けばいいんだな、と心底安堵しました。それと同時に、ああ、私は私の俳句を書いて行かなければならない、という強い緊張にも襲われました。」(「受賞のことば」より抜粋。) 「injusutices」で角川短歌賞を受賞された工藤貴響(くどうたかなり)さん。 「海外に暮らすと、日本語は母語であるとともに、異邦のことばでもあった。周囲からそう見られるだけでなく、たえず異国語となって、身体の内側から溢れ出ようとする。二つの言葉の部屋をすいすい移動するようには行かず、実際は、複数の言葉が混り合う中を、もがいてばかりいる。 そんな日々のなか、うたを通じて、身の周りのものに耳を傾けようとした。それは、日本語の錘を下ろすことに違いないが、母国語の韻律に託すというよりも、自分や他者が抱える異邦性を見つめるためだったと思う。相手の話を聞きとれない寂しさや憤りなどの、言葉の境界で味わう感情を忘れずに、フランス語の街の生の体験を残したいと思った。」(「受賞のことば」より抜粋) 句集『無辺』で蛇笏賞を受賞された小川軽舟さん。 「鷹」の主宰になったのが44歳の時でした。ちょうどその頃は政府系の金融機関に勤めておりまして仕事も大変忙しい時期でしたので、確かにきついはきつかったんですけれど、その頃、いろんな俳人に会うたびに「まだ、カラリーマンやってるのか、辞めないのか」ということをよく言われました。それでも辞めなかったのは、なぜかというと、一つはその危険を察知した家族が辞めてくれるなと言ったこともあるんですけれど、それ以外にもやはり私自身にも理由があったんだと思います。私自身、俳人でしかなくなるということに不安を感じたんですね。実社会に生身をさらしていてこそ、私の作る俳句が現代の詩であり続けられるのではないかと、現代の詩として生きづくのではないかとそんなことを思っていたと思います。(ご挨拶より抜粋) 背景はこんな感じ!である。 歌集『快樂(けらく)』で、迢空賞を受賞された水原紫苑さん。 若い頃、君の歌は外国人が作ったみたいだねって言われたことがあって、おもしろいこと言うなと思ったんですけど、なんか日本語のうまい外国人みたいだねって言われたんですね。それとは別に私、日本語が完璧にしゃべれるのにどうも話が通じないことが多いんですね。日本人と喋ってておかしいなと思ったんですけど、どうも頭のしくみがちょっとずれてるんですよね。ずっとそれでいろんなトラブルを起こしてきて、どうも困ったなと思っていたんですが、若い頃フランスに行ってちょっとだけ行ったんですけども、それでまた去年の秋と今年の春と行ったんですね。そしたらフランスに行くと言葉が通じませんからとてもいいんです。自分の言いたいことはなんとか言えるんですけど、ネイティブが喋ってたら何言ってるかわからないんですよね。そうすると、自分が人間ではないものになったような気がして、とても心地いいんですね。ここが私のいる場だなって思いまして、どれくらいいられるかわかりませんけれどもこれからパリを中心に歌を作っていきたいと思います。(ご挨拶より抜粋) 蛇笏賞・超空賞の選者の方たちと記念撮影。 選者の方は、蛇笏賞は、高橋睦郎、高野ムツオ、中村和弘の各氏。(正木ゆう子氏は欠席) 超空賞は、馬場あき子、高野公彦の各氏(佐佐木幸綱氏、永田和弘氏は欠席) 角川俳句賞、角川短歌賞の選者の方たちとの記念撮影。 選者は角川俳句賞は、小澤實、対馬康子、仁平勝の各氏。(岸本尚毅氏は欠席) 角川短歌賞は、松平盟子、坂井修一、俵万智、藪内亮輔の各氏。 着席の懇親会がレストランで行われる。 司会の石川一郎「俳句」編集長。 この日、八面六臂のご活躍だった。(大変でいらしたと思う) 受賞者と選者の方たちはともにおなじテーブルで。 小島ゆかりさん、川野里子さんのお姿もある。 穂村弘さんもいらしてた。 そして、 小澤實さんとあらためて乾杯をされる小川軽舟さん。 今日の贈呈式には、小川軽舟さんは、夫人とお嬢さんを伴って出席されたのだった。 ご受賞された皆さま、 おめでとうございました。 こころよりお祝いを申し上げます。 帰りももちろん歩くことに。 ミュージアムの周辺をすこし探索。 ふたたび、森を通って帰ることに。 夕風が気持よい。 振り返って後ろをみたら、歌人の皆さまが。。。 華やかなご一行である。 この耳、 好きだなあ。
by fragie777
| 2023-07-05 19:37
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