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6月22日(木) 乃東枯(なつかれぐさかるる) 旧暦5月5日
昨夕は、待ち合わせの時間までまだ間があったので、御成門ははじめてというスタッフの文己さんを待ち合わせ場所ちかくの愛宕神社まで案内した。 この階段は有名である。 梅雨の愛宕神社。 「yamaokaさん、もしかしたら野良猫がいるかもしれませんよ」って文己さん。 「ああ、そうかもねー。白猫に会えたらいいなあ」なんて日向子のことを思いながら、おしゃべりをして歩いていく。 すると、 ややっ、 いるじゃない! 白猫が! これは出来すぎている。 嘘でしょ。 最初は置物かと思うくらい動かなかった。 が、 本物の猫である。 文己さんがそっと手をのばす。 平然としている。 この神社を守るように、落ち着いてかまえている。 わたしたちが立ち去ろうとすると、 やおら、身をおこし 伸びをして、 ゆっくりとうつぶせの猫スタイルとなったのだった。 思いもかけず白の野良猫に会えたということ。 わたしってよっぽど日頃の行いがいいのかしらん。←(おめでたいやつなのよ、yamaokaは…) なんて思いながら待ち合わせの場所にむかったのだ。 昨夕は、句集『むかごの貌』を刊行された小谷迪靖氏より句集のお祝いの会にお招きいただいた。 とびきり美味しいお料理をいただきながらの楽しいひとときとなった。 著者の小谷迪靖氏(右)と、帯文をよせられた矢野景一氏。 句集へのいろいろなご反響などをうかがうことができたのだった。 寿ぎの箸は雷除け一位の木 小谷迪靖 お料理の箸は一位の木のもの。 一位の木は雷が落ちないという。 飛騨の一位の木は有名でその木でつくられた箸だった。 わたしたちはつかったその箸をおみやげに貰ったのである。 6月19日付けの京都新聞の彌榮浩樹さんによる「詩歌の本棚」の記事を紹介したい。 千葉皓史句集『家族』、福田敏子句集『懐郷」、仁平勝句集『デルボーの人』の三冊をとりあげて評しておられる。 抜粋で紹介したい。 『家族』(ふらんす堂)は、千葉皓史の第二句集。 幼子の遊びくらせる二月かな いちにちを母老いたまふ春の雨 卯の花や子供がつかふ風呂の音 太い描線による、平穏な日常の生のありようのさりげなく精妙なスケッチ。十七音の言語空間の中に、それぞれの人間の息遣いが生き生きと感じられ、愛しさが湧きあがってくる。(略) ぎつしりと鷗が波に青蜜柑 空部屋の灯りてをりし霰かな 現実世界の軽やかな描写が、季語「青蜜柑」「霰」との意外な組み合わせによって、清冽な詩的情景へと昇華する。 昭和22年生まれ、東京在住。 『懐郷』(ふらんす堂)は、福田敏子の第三句集。 ものの芽に雨本降りとなりにけり 冬ざくら山里はやも昏れてきし 初萩や有るか無きかの風に揺れ 時の揺らぎ、自然の表情のゆらめき。季語「ものの芽」「冬ざくら」「初萩」の凛とした存在感を、天空が分厚く取り囲む。質感の重奏。(略) 壺選ぶ美男かづらを活けむとて 早起きの蟻一匹に出逢ひけり 蠟梅と同じ日差しを浴びてをり 作者自身と自然との風物との積極的な交歓。「美男かづら」「蟻」「蠟梅」と真面目に対峙する精神の真率さに、優しい視線が折り込まれていて、読者の僕も励まされる。昭和10年生まれ。所沢市在住。 『デルボーの人』(ふらんす堂)は、仁平勝の第四句集。 いくつもの青を泳いできたといふ 新しき芥も浮いて水温む 湯上がりのマチス湯ざめのモジリアニ 俳句らしい可笑しみと仄かな抒情を湛えたスタイリッシュな作品群。独自の句風でありながら、普遍的な懐かしさを感じさせる深みがある。(略) 松茸を不味さう描く子供かな 風船を家まで持つてきたものの 炎昼の鳩を集めて老いてをり 微苦笑を誘う惚けた味わいの句群。これこそが作者の本領だろう。「炎昼」「松茸」「風船」それぞれの質感が、市井に生きる人間の独自固有な存在の機微を、個性的・印象的に描き出している。昭和24年、東京生まれ。「件」「トイ」所属。 今日はお二人のお客さまがあった。 浅井敏子さんと名取里美さん。 浅井敏子さんの第二句集の打ち合わせにご来社されたのだった。 浅井敏子さんはふらんす堂より第1句集『幼なじみ』(2015)を上梓されている。 このときは黒田杏子さんが序文をよせておられた。 「藍生」に所属されていたのである。 この度は、名取里美さんがご序文を書かれる。 28年間のおつきあいであるという。 第1句集『幼なじみ』をとても気にいってくださっている浅井敏子さん。 第2句集もまったく同じ造本でおすすめすることになったのだった。 浅井敏子さん(左)と名取里美さん。 浅井敏子さんは、今年86歳になられるという。 晴れやかでとてもお元気そうである。 名取里美さんは、目下新しい俳誌「あかり」創刊にむけてご準備をされているということ。 「まあ、それはいいですね! 是非に頑張ってくださいませ」と申しあげたのだった。 愛猫・日向子のためにいただいたお花である。 「日向子ちゃんに会いたかったわ」と浅井敏子さん。 レースフラワーとエノコログサとブラックベリー。 とても涼しげである。
by fragie777
| 2023-06-22 19:18
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