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6月5日(月) 旧暦4月17日
野萱草。 この一叢のみが咲いていた。 今日は俳人・後藤比奈夫の忌日である。 2020年の今日、亡くなられた。 103歳だった。 お電話のやさしいお声をときどきおもい出す。 今日は99歳で上梓された句集『白寿』より。 麦酒と書けばビールの味違ふ 落蟬になく空蟬に命見ゆ 大福にオリーブオイルつけて秋 かく雪の日なりき二・二六の日も 丸顔の雛を見すぎてしまひたる 象の背を何と思つて蝿止る 白寿まで来て未だ鳴く亀に会はず 5月8日付けの京都新聞に神野紗希さんが「俳句はいま」で書いている記事を抜粋して紹介したい。 池田澄子著『三橋敏雄の百句』を紹介されている。タイトルは「『言いたいこと』を貫く」 池田澄子は、師の作品を語る「三橋敏雄の百句」(ふらんす堂)の副題に「少数派としての矜持」を据えた。戦時に反戦を詠み弾圧を受けた新興俳句を出自とする敏雄は「僕は少数派というところに思いがゆく人間」と語ったらしい。 〈少年ありピカソの青のなかに病む〉は昭和12年、敏雄16歳ごろの作。澄子は「世界恐慌の煽りを多分に受けていた絹の町・八王子の暮らしの中での、少年・敏雄の哀しみ」がそれとなく「少年あり」に重ねられていると書き、「我と言わず我をも描き、我は敏雄個人ではなく世界中の『我』と、俳句の主体の在り方に言及する。俳句は一人称の文芸と言われるが、俳句における私は、作者の感情を重ねつつ個を離れ、世界中の「私」として普遍性をもつのだ。(略)〈戦争にたかる無数の蝿しづか〉〈箸置や危かり憲法第九条〉〈人類憐愍令あれ天の川〉。言いたいことを貫いた敏雄の句に、いまも普遍の魂が宿る。 6月3日付けの讀賣新聞夕刊に仁平勝さんが、「俳句とことば」に『現代俳句文庫金子敦句集』をとりあげておられる。 こちらも抜粋して紹介をしておきたい。タイトルは「ストーリー生む 省略・受け身」 新刊句集の井出野浩貴句集『孤島』(朔出版)と一緒にとりあげておられる。 『金子敦句集』(ふらんす堂)も、言葉が読者の想像力を引き出すように働いている。 〈明日逢ふ噴水のまへ通りけり〉は、「明日逢ふ」という省略が効いているが、そこで人と待ち合わせるのである。その場所を、前日に確認している。この念の入れ方からすると、どうやら初デートのようだ。(略) 〈二次会にマスクの人のあらはるる〉は、「マスクの人」が決め手。(コロナ禍のマスクではない)。一次会は何の会かというと、思うに誰かの送別会のようだ。「マスクの人」は、風邪を引いたという理由で会を欠席したのだが、どうしても別れを述べたくて「二次会」に出てきたのだ。そんなストーリーはどうだろうか。 そして昨日の日付の讀賣新聞の「枝折」には岩田奎句集『膚』が紹介されている。 岩田奎句集『膚(はだえ)』「群青」所属の第1句集。1999年生まれ、開成高校俳句部出身。世界に触れる身体感覚はどこかほの暗い。田中裕明賞受賞。〈耳打のさうして洗ひ髪と知る〉 いま、スタッフの文己さんが「お先に失礼します」って帰っていった。 もうみんな帰ってしまってわたし一人である。 どうしようかな。 もう少し仕事をしていくかな、 それとも帰るかな、 ちょっと揺れ動いている。 昨日も一日遅くまで仕事をしていたし、もう帰ってもいいと思うよ、ってわたしがわたしに囁く。 ああ、でも税理士さんに送る資料もまだ送ってないしな、、 どうしようかなあ、 そういえば夕方に高橋睦郎さんからお電話をもらったこと思い出した。 梶原さい子さんの『落合直文の百首』がとても良かったと言ってくださった。 「ぼくは、落合直文という歌人を再認識しました。いい歌人ですね」 と。 これはうれしい、 わたしも良き一冊だとおもっているので。 高橋睦郎さんがそうおっしゃっていたので、 今日はもう帰ろう。 ええっ! いったいどんな関連性があるのかって、 ふふ、 ないわよ。 でも、なんとなく帰ってもいい気分になった。。。。。 では、皆さま、お疲れさまでございました。
by fragie777
| 2023-06-05 19:12
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