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5月24日(水) 旧暦4月5日
今年の5月のはじめに咲いていた朴の花。 今日は俳人・能村登四郎の忌日である。 2001年(平成13)の今日亡くなられた。 能村登四郎は、家の庭に朴の木を植えていたほどに朴を愛した俳人である。 句集にも朴を読んだ句が多い。 朴を詠んだたくさんの俳句のうちから数句のみ紹介したい。 その朝の雫はじめは朴若葉 能村登四郎 合掌は祈りのかたち朴の花 〃 朴咲けり不壊の宝珠の朴咲けり 〃 我が家の庭にある朴の木の青葉が美しく光沢を放ちながら風に揺れていた。 五月二十四日、父は九十歳で亡くなった。長く患うこともなく、ぎりぎりまで俳句に心を燃焼しつづけ、自らの余命というものを悟りつくし、いのちのあかりを少しずつ吹き消すようにこの世から去っていった。(句集『羽化』の「あとがき」能村研三より。) 内に黄をひそめて朴の開きけり 能村登四郎 朴を愛する俳人は多い。 藤田湘子もそのひとり。自身の家を朴下亭(ぼっかてい)と呼んだ。 朴咲くや飛騨は豪雨の白ふすま 藤田湘子 朴若葉蟻りんりんと渡りけり 〃 また去る4月28日に亡くなった大石悦子さんの家の庭には大きな朴の木があった。 お電話で朴の木のことをよく語ってくださった。 大石さんが病気で伏せっているときに、俳人の藤本安騎生さんがそっと植えて帰られたのだという。それが大木となったのだと。 ご夫君が入院されており、大石悦子さん逝きしあとの朴の木はどうしているだろうかと、ときどき思う。 月光のはぐくむ朴の青蕾 大石悦子 自死もまた生くることなり朴咲きぬ 〃
by fragie777
| 2023-05-24 19:49
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