カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
5月20日(土) 旧暦4月1日
雨降りではじまる休日。 国立・谷保天神より歩く。 天神に隣接する梅林は暗く、雨の匂いがする。 氷旗が孤独にひるがえっていた。 かつてここを闊歩していた鶏たちが姿を消して久しい。 したたかに雨に濡れた青梅。 ほれぼれするようなまったき球形。 口のなかにこのまま放り込みたくなるが、絶対食べてはいけない。 こちらは桜の実。 この赤いやつはまだ食べられない。 黒ずんだのは食べられる。 ということで今日は友人たちと黒いのを狙って食べっこをした。 わたしは二粒ほどを口に入れたのだが、味はサクランボと同じ。 「サクランボだ、サクランボだ」ってみんなで言い合った。 野に遊ぶ楽しみはこういうところにある。 蛇苺もたくさんあった。 「蛇苺は食べるもんじゃないよ」って皆が言う。 「まじまずいから」って。 しかし勇気ある婦人がいた。 一つを口に放り込んだ。 わたしは絶対食べないけど。 「どう?」って聞くと、 「ぜんぜん味がない。美味しくないですね」って。 やはりそうなのか。 「でもさ、どうして蛇苺っていうんだろ」って誰かが言った。 「蛇が好んで食べるから?」 「そうじゃないだろ」 「じゃ、どうしてよ」 「うーん、きっと蛇のいそうなところに生えるからだよ」 「ああ、確かに!」 その回答にわたしたちは全員納得したのだった。 もう一つ、今日は新しい「イチゴ」の仲間を教えてもらった。 それが、これ。 「苗代苺(なわしろいちご)」 はじめてみた。 苺の花はおおかた白いが、これは美しい紅色をしている。 葉を見るとやはり苺の葉である。 苗代をつくる頃に、小さな赤い実をつける。 透明でルビーのような赤である。 自然を歩いているとその草花の種類の多さに気づかされる。 歩くたびに発見がある。 これおまけ。 大きな柏の木の股のところ、 木耳(きくらげ) が生えていた。 わたしは絶対気づかないけど、友人がじいっと上を見上げている。 「なに?」って聞いたところ、指さして教えてくれたのだった。 昼すぎには雨もあがって、緑がいっそう目にしみる。 薫風に吹かれながら五月の休日を楽しんだのだった。 鳩踏む地かたくすこやか聖五月 平畑静塔
by fragie777
| 2023-05-20 21:46
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||