カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
4月30日(日) 牡丹華咲(ぼたんはなさく) 旧暦3月11日
![]() 夏に向かうざまざまな緑の木々。 これは山毛欅のみどり。 神代植物園にあるわたしの山毛欅の木である。 「ふらんす堂通信176号」が出来上がってきた。 明日の発送にとなるので、手元にとどくのははやければ明後日、おそいところは連休あとになるかもしれない。 すこしお待ちくださいませ。 ここまでは仕事場で書いた。 いまは家でパソコンに向かっている。 ここから先は何を書こうって、ふと本棚に目をやった。 誰かがわすれていった吉本隆明の「現代詩文庫」があった。 これはわたしのものか。 いやそうではない、そのとなりの富岡多恵子はわたしのものだ。 その吉本隆明の詩集より。 眼のある季節 やがてわたしたちを捕獲するために 時が鉄格子を備えた空と吹き抜ける風をもってくる わたしたちの監禁はもう決定されてゐる わたしたちの慾してゐるのは眼だ 何処からも見渡してつらぬくことのできる眼なのだ 眼のある季節を待望するとき 天を焼きつくす夏がちがづいてくる 戦火のつづいてゐる処からもやっぱり夏の近い報知がとどく 死人の腐敗も極まる 晒された骨がくづれる わたしたちの風が遥かの高層圏をとぶ 金属製の野獣もとほる 死に目にあえない速度が時代を支配する わたしたちこそはまさしく自らの影に遇えずに時を貢ぐものだ たとへ視るといふことが罰せられる季節がきても わたしたちは限りなく視たいと考へる わたしたちは眼のある季節についてわたしたちの構想をふくらませる 今日の朝日新聞の「俳句時評」は、阪西敦子さんによって句集批評である。タイトルは「句集という格闘」。 小川軽舟句集『無辺』、岸本尚毅句集『雲は友』、星野高士句集『渾沌』(深夜叢書)、恩田侑布子句集『はだかむし』(角川書店)、中原道夫句集『橋』(書肆アルス)の4冊についてふれている。受賞は『無辺』に決まったが、今回の蛇笏賞の候補となった句集である。 それぞれの句集から句を引用して鑑賞している。 ここでは句のみ紹介しておきたい。 風鈴や降るぞ降るぞと暗くなる 小川軽舟 緑蔭やものを食ふ顔よく動き 岸本尚毅 通り抜けても緑蔭の広さあり 星野高士 蝙蝠にしはくちやの夜の始まりぬ 恩田侑布子 花喰鳥どすんと暮るる音のする 中原道夫 いずれも主宰や選者として人を導き、作句の実績やスタイル、またそのファンも確立された俳人たちだ。だが、それでもなお、自分の方向性を進めゆくための格闘がみえる句集たち。 と坂西敦子さん。 一階におりてゆくことがすこし辛そうになった愛猫・日向子のために 二階に水をいれた容器をおく。
by fragie777
| 2023-04-30 21:23
|
Comments(2)
![]()
おかげさまで神代植物園でオオタカを見ることができました。
オスとメスが確認できました。 ありがとうございます! (ちょっと書き直しました😅)
0
![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
|
ファン申請 |
||