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4月13日(木) 旧閏暦2月23日
井の頭公園の山毛欅の芽吹き。 芽吹きのころの緑は生き生きとした優しさがある。 今日は先ほどまで、詩人の高柳誠さんとスタッフの文己さんをまじえて、詩集刊行のお祝いをしていた。 高柳誠さんの詩集『輾転反側する鱏たちへの挽歌のために』が出来上がり、今日は本に書名をするために、高柳さんにご来社いただいたのだった。 サインをしておられる高柳氏。 見返しが紺の色なのでシルバーのインクでサインをお願いしたのだった。 その後は、仙川の街をご案内。 武者小路実篤公園をご案内した。 高柳さんは、神奈川県平塚にお住まいである。 仙川の街をこうして御覧になるのははじめてであるということ。 武者小路実篤の庭を歩きながら、「東京の町中にまだこういうところがあるのですねえ」とその庭の大きさと自然な風景に驚かれていた。 巨木がお好きで、巨木巡りをされるという。 「先日は、鎌倉・建長寺の柏槇(びゃくしん)を見てきました」ということ。 実篤公園にも巨木はないが、たくさんの樹木がある。 そして、安藤タウンにもご案内。 その後の担当スタッフの文己さんをまじえた話はとてもおもしろかった。 詩集については、またあらためて紹介をしたいが、 中世ドイツの彫刻家ティルマン・リーメンシュナイダーとの出会いについてのお話はとびきりおもしろかった。 リーメンシュナイダーの彫刻の鑿のあと、それが詩人の我に語りかけるもの、その衝撃にたちすくんだという。 この彫刻を求めた旅のいきさつなど、たいへん興味ふかく伺ったのだった。 お話をうかがいながら、わたしはドイツに行って、是非にリーメンシュナイダーの彫刻を見てみたいとおもった。 それについては、著書も上梓されている。『リーメンシュナイダー 中世最後の彫刻家』(五柳書院・1999年刊) また、わたしが愛読していた伊達得夫さんの『ユリイカ抄』に登場してくる詩人たちのお話など、興味はつきないことばかり。 ほぼ同世代ということもあって、共通認識のようなものがあり、思わず笑ってしまうことも。 「僕たちは、歳をとれない、成熟できない世代ですよね。」と高柳さん。 (うん、うん、そうそう。)とうなずく。 「朝ね、鏡のなかの自分をみて、これってほんとにオレか!って思っちゃうんだよね」 「あははは。まさに!」とわたしは大笑いをしたのだった。 その傍らで、20代の文己さんはおもしろそうにクックッって笑っている。 「戦後の詩人たちがこれからどれだけ読まれていくのだろうか。」 と、ふっと真面目な顔をされて呟かれた高柳さんだった。 お仕事を退職された今は、午前中は詩作、午後は畑仕事に励んでおられるという。 お米いがいは自給自足であるという。 得意はジャムづくり。 畑でとれたラズベリー、ブルーベリー、苺等々、それは美味しいらしい。 「充実された生活ですね」と申しあげると、大きく頷かれたのだった。 担当の文己さんは、大学の教え子。 今回の詩集は、文己さんが誠心誠意、心を込めて、編集担当したものである。 そのことにも高柳誠さんは喜んでくださったのだった。 かいつぶり。
by fragie777
| 2023-04-13 21:38
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