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4月11日(火) 旧閏暦2月21日
紫木蓮かと思ったら、そうではなく唐木蓮(トウモクレン)というらしい。(中国産) 紫木蓮とちがうのは、花弁の内側が白いこと、そしてやや小ぶりで、花先が全体にとがっていること。 そして、これば、 つくづくと見入る。 うすオレンジ色のものは苞鱗というようだ。 芽をつつんでいるものか。 なんとも優しい色である。 あの朴の木の芽吹きがこんなに可憐かと。 こちらは橡(とち)の木の芽吹き。 大木(たいぼく)の芽吹きはなかなか気づかずに過ごしてしまうことが多い。 肉眼でしかと見られたことが嬉しい。 木の芽吹きのエネルギーよ、わたしを充たしておくれ、って呼びかけてみた。 すこしはパワーアップしたかしら。。。 句集の校正をしていたスタッフが突然、 「俳句をつくるとね、日常を丁寧に生きられるような気がする」っていう。 「たとえばね、『林檎剥く』だってさ、ウフフ」(「林檎」、は季語である) 皮を剥くことが嫌いだから林檎を食べないというスタッフ。(剥いてもらえば食べるのだそうだ) 「それから『布団干す』も……」(「布団干す」も季語) 「布団は干すけどさ……アハハハ」 と言ってスタッフ同士で笑い合っている。 こんなおバカな会話を、 作者が聴いたら苦笑いをするかもしれないが、 たしかに、季語への認識は生きる時間を濃密にするかもしれない。。。 今日はお客さまがひとりみえられる。 俳人の舘野豊(たての・ゆたか)さん。 第三句集の句稿をもって打ち合わせに来られた。 担当の文己さんが応対する。 舘野豊さんは、第1句集『夏の岸』 、第2句集『風の木』をふらんす堂で上梓されている。 『夏の岸』はフランス装グラシン巻、『風の木』はフランス装の透明カバー巻、今度はどんな装丁にしようかと、いろいろと見本を御覧になる。 そして、やはりフランス装がお好きのようで、今度はフランス装カバー装の本ということに決まり。 フランス装はわたしも好きな製本である。 ふらんす堂でお願いをしている製本屋さんは、若い職人さんがフランス装に挑戦していると聞いている。 それが嬉しい。技術を要する製本だから、後継者が育つことが大事である。 しかし発注がなければ、腕をふるうこともできないのだ。 手作業であるので、大手の出版社では仮フランス装はあっても、本フランス装は採算的に難しいと聞く。 詩歌の本こそ、フランス装をのこしていく可能性があるのでは、とわたしは思っている。 舘野豊さん。 「雲母」時代より飯田龍太に師事し、現在は「郭公」の同人である。 ふらんす堂から評論集『地の声 風の声―形成と成熟』 も上梓されている。 また、早世した俳人・三森鉄治の句集『山稜』(第6句集+季語別全句集)を編集したのが舘野豊さんである。 前句集より10余年を経たこの度の句稿にわたしも目を通させてもらったが、畏友・三森鉄治、師・廣瀬直人、そして父を失った歳月であることを知ったのだった。 このたびの句集名「時の影」は、とてもふさわしいタイトルだとおもった。
by fragie777
| 2023-04-11 20:31
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