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4月6日(木) 玄鳥至(つばめきたる) 旧閏暦2月16日
山吹の花。 国立・矢川の湿原に咲いていた。 そばに近づくと眩しいほど。 この日、ある一軒の家でも山吹を咲かせていた。 わたしは写真をとったり眺めたりしてぼんやりしていたら、その家の主(あるじ)がのっそりと出てきた。 (いけない! 不審者って思われたかも…) 近づいて来たので、わたしは最高級の愛想笑いをして「すみません。あまりにも綺麗だったので写真にとらせてもらいました」って、お行儀良くみえるように言ったのだ。すると、その主さん、ニコニコと笑顔になり、いろいろとお話しをしてくださる。広い庭にはそれはもうたくさんの木と草花が植わっていて、実は友人たちととおるたびにこの家の庭をいろいろと観察しているのである。常日頃「あの木はなんの木かしら」なんて言っていたこともあり、この際聴いておこう、ということで、しばし楽しく立ち話をしたのだった。 山吹やもの思はするよべの雨 室生犀星 世の中は常なきものと我が愛づる山吹の花散りにけるかも 正岡子規 今日はお客さまが二人みえられた。 俳人の鈴木直允さんと津久井たかをさん。 津久井さんが、第2句集のご上梓の予定があって、今日はその打ち合わせにいらしたのだった。 鈴木直允さんは、津久井たかをさんの第1句集『座右』に跋分を寄せられ、今回の句集では、序句を寄せられている。 担当は第1句集の時と同じに文己さん。 第1句集は米寿の記念に、今回は卒寿の記念に刊行されるという。 句集名は「残照」。 上製本かフランス装製本か、迷われたが第1句集にそろえるために上製本にされるということ。 一句組であるので、囲み罫をして本文を二色刷りにすることをおすすめしたところ、その提案を受け入れてくださった。 美しい一冊になるとおもう。 津久井たかを氏(左)と鈴木直允氏 鈴木直允さんは、俳誌「春燈」の主宰をされている。 「春燈」は久保田万太郎創刊の伝統ある結社である。 目下、鈴木氏には、「木下夕爾の百句」をお願いしてある。 もう間もなくお原稿をいただけることになるだろう。 今日は、万太郎談義に花が咲いた。 「万太郎の俳句は、人気があってよく読まれますが、じつは万太郎の俳句は、彼の小説、戯曲、をも読んだうえでないと深い理解には至らないように思えます。芥川龍之介が万太郎の第1句集『道芝』の序文に書いていたように、万太郎の句は「東京への歎(なげ)かい」である、と思うのです。つまりはうしなわれゆく東京への思い、がその底にあるのです」と鈴木直允さん。そうして万太郎の系譜につながる人の自負をときおり見せながら、興味深いお話をいろいろとしてくださったのだった。
by fragie777
| 2023-04-06 19:14
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