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3月20日(月) 旧暦2月29日
お向かいにある桐朋学園の桜。 もう満開という感じである。 成城学園行きのバスにのるため、バスが来るまでしばし桜を見上げる。 桐朋学園の桜はかなりの老木で、枝振りがなかなかいい。 空の青さも桜を際立たせる。 今日は、髙柳克弘さんと成城学園駅で待ち合わせをしているのである。 句集『涼しき無』の俳人協会新人賞のささやかなお祝いのためにお昼をご一緒しましょうとお誘いしたのである。 担当スタッフのPさんも一緒に。 コロナの影響によって、仙川のお店はお昼を営業するところが少なくなってしまったり、なかなかよいお店がない。 で、ちかくの成城学園までおいで願うことにしたのだった。 ふらんす堂から成城学園までバスでおよそ15分ほど。 あちこちに咲いている桜を眺めて成城学園に向かったのだった。 髙柳克弘さん。 過日におこなわれた俳人協会新人賞の授賞式のあとの「お祝いの会」には多くの方があつまって、髙柳さんへの期待の言葉を寄せられたということである。 ふらんす堂からは担当スタッフのPさんが出席。 「第4句集へむけて、すでにテーマを決めているんですか」とお尋ねしたところ、「そうですね。第3句集が暗いものだったので、今度はもうすこし明るい内容のものにしたいですね」と髙柳さん。 「わたしの中に、俳句表現者としての強い矜持のようなものと、また一方、自分のやっていることが何の役にも立たないんじゃないかっていう、二つの背反する思いがあるんです。その葛藤のなかにいるというか……」 「自分が生まれてきてよかったのか、そんな思いがいつもしてます」と髙柳さん。 すると世代を同じくするスタッフのPさんがおおきく頷きながら、「それってわたしもよくわかります」と。 「そうなのね、わたし、そういう思いはなかったな」と言うと、「お気楽でいいですね」とPさんに笑われてしまった。 矜持ばかりだったら、人間が傲慢になってしまう、だから二つの相反する思いで葛藤することは悪くないんじゃないかと、わたしは思うが、ご本人は苦しいかもしれない。 「俳句の世界の辺境で、ほんの端っこで、それでも矜持をもって俳句をつくっていきたいです」と髙柳さん。 端っこというのが、ちょっとしっくり来ないような、俳句の世界を牽引していくようなリーダー的存在であって欲しいと思う一方、そういう思いって悪くないなって思う。 わたしも思わず、「ふらんす堂も仙川という東京のはずれにある小さな版元ですが、本作りへの矜持をもって仕事をしていきますね」と小さく叫んでしまったのだった、 「身体は大事にしてください。」と申し上げると、「そうですよ、ちゃんと料理をした方がいいですよ、スープを作り置きしておくと便利ですよ」とPさん。 髙柳さんは、笑いながら困ったように聞いていたのだった。 成城学園駅にある三省堂書店をお教えすると「帰りに読む本を買って帰ります」と髙柳さん。 髙柳さんは明日、芭蕉記念館にて講演をする予定である。 ふらんす堂刊行の『蕉門の一句』もそこで売られる予定。 成城学園駅前の桜も満開だった。 今日はどうしても校了にしたいゲラがあって遅くまで仕事をすることになった。 明日はお花見に誘われている。。。
by fragie777
| 2023-03-20 21:02
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